感情日記をつけることによって、自分の心の奥底に触れたり、そこに潜む感情と出会うことがあります。それに触れて戸惑ったり、落ち込んだりすることもあると思いますが、慣れていないうちは自然なことです。続けていく中で少しずつ自分の感情や思考と距離が生まれ、客観的にみることができるようになります。しかし、出来事のインパクトや心の傷の深さによっては、感情日記を書くことで辛い気持ちが強くなったり、具合が悪くなるということが起きる可能性があります。そんな時は無理せずに筆を取るのをやめましょう。そして、可能であれば心療内科や精神科などで、専門家と一緒に安心安全を感じながらお話ししていくことをおすすめします。感情日記の使い方も人それぞれ合う形があるので、『こうせねばいけない』に囚われず、ご自分に合う使い方を見つけていけると良いですね。
《参考文献》
※1 最上悠『日記を書くと血圧が下がる 体と心が健康になる「感情日記」のつけ方』 CCCメディアハウス(2018)
※2 Robert A. Emmons, Muccullough E. Michael Conting blessings versus burdens: An experimental inverstigation of grantitude and subjective well-being in daily life. Journal of personality and social psychology 84: p377-389
※3 Klein, Kitty and Adriel Boals, “Expressive writing can increase working memory capacity,” Journal of Experimental Psychology General, Vol. 130, No. 3, p. 520-533. (2001)
※4 遠藤寛子 怒り体験の筆記が精神的健康に及ぼす影響,感情心理学研究 17 (1) p3-11 (2013)
※5 佐藤徳 筆記開示はなぜ効くのか 同一体験の継続的な筆記による馴化と認知的再体制化の促進 感情心理学研究 19 (3)p71-80
※6 Pennebaker W James, Klihr Beall Sandra Confronting a traumatic event: Toward an understanding of inhibition and desease. Journal of abnormal psychology 95: p274-281. (1986)
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