アメリカのカリフォルニア州やアリゾナ州など、そしてエジプトやサウジアラビア、イランなどの各国にも生息しているデーツは、「スーパーフード」や「スーパーフルーツ」と呼ばれる果物のひとつ。生でも乾燥させてもおいしいデーツがそう呼ばれる理由は、どこにあるのだろうか?

ジョンズ・ホプキンズ大学公衆衛生大学院(環境保健工学)の非常勤講師であり、『The Power Five: Essential Foods for Optimum Health』などの著書もあるマイケル・クルーペイン医師は、デーツについて次のように説明している。

「数多くの種類があり、それぞれ味わいも異なります」「含まれている糖分の量を心配する人もいますが、食物繊維が豊富なこともあり、実際には(血糖値の上昇が穏やかな)低GI食品です。デーツは、甘いものが食べたいときに最適の食品です」

スナックとしてそのまま食べても、スイーツやおいしい料理を作るときの食材として使用しても、私たちはデーツから数々のメリットを得ることができる。


デーツの栄養成分

デーツのなかで最も一般的な種類のひとつ、「ナツメヤシ」としても知られるマジョール・デーツの栄養成分(種なし、4粒あたり)は、以下のとおり。

    • エネルギー:266キロカロリー
    • タンパク質:1.7グラム
    • 炭水化物:72グラム
    • 食物繊維:6.4グラム
    • 糖質:64グラム
    • カルシウム:62ミリグラム
    • マグネシウム:52ミリグラム
    • リン:60ミリグラム
    • カリウム:668ミリグラム
デーツ
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デーツのメリット

✔️ 栄養価が高い

クルーペイン医師が指摘しているとおり、デーツには天然の糖分が多く含まれており、カロリーも高め(摂取量を気にしている人は、知っておきたいところかもしれない)。とはいえ、デーツが含む脂質の量はごくわずか。そして、食物繊維や抗酸化物質など、健康に良い成分を豊富に含んでいる。

✔️ “スーパーフード”

デーツが「スーパーフード」と呼ばれていることは知っていても、「それは本当?」と疑問に思っていた人は多いかもしれない。アメリカの管理栄養士、ドーン・ジャクソン・ブラトナーさんはこの点について、次のように述べている。

「ポリフェノールなど、有益な化合物を豊富に含むデーツは、スーパーフードと考えることができます」「これまでの研究でも、デーツに含まれるポリフェノール、そして健康に良いその他の化合物が、さまざまな健康上のメリットをもたらしているとの結果が示されています」

✔️ 抗酸化物質が豊富

過去の研究から、デーツは抗酸化作用のあるフラボノイド(ポリフェノールの一種)のほかにも、カテキンなど、フェノール性抗酸化物質を多く含んでいることがわかっている。

ハーバード大学公衆衛生大学院のウェブサイトによると、抗酸化物質はフリーラジカル(細胞にダメージを与え得る化学物質)と闘い、DNAを修復し、細胞を健康に保つことに役立っている。こうしたことが、「健康のためには野菜とフルーツを多くとるべき」とされる理由のひとつになっている。

✔️ 食物繊維を多く含む

アメリカを代表する医療機関、メイヨークリニックのウェブサイトによれば、食物繊維は健康的な食事には欠かせないもの。消化系の働きを良好に保ち、心臓病、糖尿病、一部のがんのリスクを軽減するほか、健康的な体重の維持にも役立つとされている。

クルーペイン医師は、「デーツ2粒に含まれる食物繊維は約3グラム。これは、(アメリカで)推奨される1日あたりの食物繊維の摂取量の10%強にあたります」と述べている。また、「食物繊維は満腹感を与え、腸内細菌の栄養となり、その規則正しい活動を維持するために重要なものとなります」とのこと。

porridge with quinoa and date fruits
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✔️ 心臓の健康維持に役立つ

ブランターさんによると、デーツに含まれるポリフェノールなどの抗酸化物質は。体内の炎症を軽減させる。また、食物繊維はコレステロールと中性脂肪を健康的な値に保つことをサポートする。これらは、心臓の健康をサポートすることにつながると考えられている。

✔️ 骨を強くする成分も含む

デーツに含まれるさまざまな栄養素のなかには、骨の健康に役立つものもある。ブランターさんは、「リン、マグネシウム、カルシウムが含まれています」と指摘する。これらのミネラルの「供給源として優れたフルーツ」といえるほどの含有量ではないものの、健康な骨の維持をサポートすると考えられるも含んでいるという。

✔️ 用途が広い

「デーツには自然な甘さと歯ごたえがあります。さらに、用途もさまざまです」と説明するブラトナーさんは、濃厚なキャラメルのような風味があるデーツを、「天然のキャラメル」と呼んでいるとのこと。種を取ったデーツは、料理に甘味をつける食材として使うこともできる。


よくある質問

1日何粒が適量?

デーツ以外にもフルーツを楽しむことができるようにするためには、1日に食べるデーツは2~3粒にしておくのがおすすめ。異なる種類のフルーツをとることで、その日のうちに摂取する栄養素の種類を増やすことができる。

デーツ
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おすすめの食べ方は?

ブランターさんおすすめのデーツの食べ方は、以下のとおり。

  • 種を取り、そこにナッツバターやゴート(ヤギ乳)チーズ、または刻んだナッツを詰める
  • 刻んでオートミールやヨーグルトパフェに加える
  • 刻んでサラダに乗せる。おすすめは、刻んだナッツとデーツを乗せ、パルメザンチーズをかけたケールのサラダ
  • 刻んで自家製グラノーラの材料にする
  • 「エナジーバイツ」を作るときの「つなぎ」にする
  • スムージーの甘味づけに使う
  • カカオパウダーとブレンドして、ブラウニーを作る

From Good Housekeeping US

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Lisa Bain
Executive Director

Lisa is a writer and editor who specializes in producing investigative health reports and other stories that help people live their healthiest possible lives. She has won many editing awards, including the National Magazine Award. She is the former executive director of the Hearst Health Newsroom, a team that produces health and wellness content for Good Housekeeping, Prevention and Woman’s Day, and has also served on the staffs of Women’s Health, The Good Life, Parenting, Esquire and Glamour.

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Stefani (she/her) is a registered dietitian, a NASM-certified personal trainer and the director of the Good Housekeeping Institute Nutrition Lab, where she handles all nutrition-related content, testing and evaluation. She holds a bachelor’s degree in nutritional sciences from Pennsylvania State University and a master’s degree in clinical nutrition from NYU. She is also Good Housekeeping’s on-staff fitness and exercise expert. Stefani is dedicated to providing readers with evidence-based content to encourage informed food choices and healthy living. She is an avid CrossFitter and a passionate home cook who loves spending time with her big fit Greek family.

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翻訳者。学業・仕事のため、5カ国の7都市でおよそ10年を過ごす。帰国後は経済・ビジネス関連の文書やニュース記事の翻訳を中心に、ウェルネス系の専門誌やアート関連の書籍、映像翻訳も手掛けるなど、長年にわたってフリーランスで活動。常に新たな情報に触れる仕事柄、心がけているのは、「浅くても、 何でも広く知ろうとすること」。