米マサチューセッツ総合病院の研究により、運動量を増やせば、遺伝的にうつ病にかかりやすい人であっても、その発症リスクを下げられることが分かった。毎週数時間の運動をする人は将来うつ病と診断される確率が低いという。

同病院の研究チームは、参加者約8千名から2年がかりで収集した電子カルテのデータポイントを分析し、私たちがうつ病になるかどうかは遺伝子で決まるわけではないことを突き止めた。それどころか、身体的に活発な生活を送っていれば、遺伝的に弱い人でもうつ病の発症リスクを抑えられる可能性がある。

「今回の研究結果は、“何をするか”が重要であることを改めて示しています」と話すのはキャンベル・マードック博士。「遺伝子は大事かもしれませんが、遺伝よりも環境が大事なケースもあります」

興味深いことに、うつ病の発症リスクは、高強度のトレーニングでも低強度のトレーニングでも軽減された。つまり、動いてさえいれば、一生懸命走っても楽に走ってもいいということ。

「私たちの研究結果は、うつ病の発症が遺伝子によって決まるわけではないことに加え、アクティブな生活を送っていれば、遺伝的にうつ病になりやすい人の発症リスクも下がる可能性があることを強く示しています」と説明するのは、この研究論文の筆頭著者であるカーメル・チョイ博士。「1日の運動時間を平均35分増やせばリスクが下がり、うつ病から身を守れる可能性が高くなります」

※この記事は、ランナーズワールドから翻訳されました。

Text: Andrea Gaini Translation: Ai Igamoto

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伊賀本 藍
翻訳者

ウィメンズヘルス立ち上げ直後から翻訳者として活動。スキューバダイビングインストラクターの資格を持ち、「旅は人生」をモットーに今日も世界を飛び回る。最近は折りたたみ式ヨガマットが手放せない。現在アラビア語を勉強中。