パスタは太る? 体重が増える? ――グーグルで検索されるキーワードの上位には、これに似たような言葉が数多く入っている。だが、多くの人が持っていたこの疑問に対する答えが、明らかになった可能性がある。

新たに発表された研究結果によると、定期的にパスタを食べることが、体重の増加につながることはないと考えられるという。

パスタは多くの国、特に地中海沿岸諸国で主食とされてきたにもかかわらず、精製炭水化物であり、まるで“社会の最大の敵”であるかのように言われるまでになっていた。

新たに論文を発表したミネソタ大学食品科学・栄養学部のジョアン・サリバン教授と、栄養科学専門のコンサルティング会社コーナーストーン・ニュートリションの創業者であるリサ・サンダース博士は、過去に行われた「白い炭水化物」であるパスタの摂取と体重の変化に関する38件の研究結果を分析。食欲関連ホルモンと血糖反応への影響についても調査した。

その結果、パスタは実際のところ、葉酸(ビタミンB9)、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛の優れた供給源であることに加え、大人にとっても子どもにとっても健康的な食品であり、体重管理や減量にも役立つものだと指摘されている。

この観察研究の結果、パスタは概して体重にも体組成にも関連しておらず、体格指数(BMI)や腹部肥満とは逆相関(一方の数値が大きくなると小さくなる、またはその逆)している可能性があるということが示されたという。

woman in the kitchen holding spaghetti
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2016年に発表されたイタリアでの研究の結果では、「パスタを食べる人は、食べない人よりBMIの値が低い」とされていた。新たに公開された論文は、その結果を裏付けるものといえる。

ただ、当然ながら(そして残念ながら)、サンダース博士らの研究結果は、カルボナーラなどのクリーミーなソースや、大量にふりかけたパルメザンチーズなどの影響は考慮していない。

そのほか、驚くべきことにこの観察研究では、パスタはパンやジャガイモ、米などの白い炭水化物とは異なり、血糖値の上昇が緩やかな「低GI食品」だと考えられている。

こうした研究結果からみると、パスタについて注意すべきことは、主に食べる量(ちなみに、1人前は75グラムとされる)と調理方法だということになる。

完璧な「アルデンテ(歯ごたえが残る状態)」に茹でれば、レジスタントスターチ(難消化性でんぷん)を残せることから、冷ましたり再加熱した場合と同程度、あるいは玄米やそばと同じくらいにまで、GI値を下げることができるという。

低GI値の食品は、消化によるグルコースへの分解の速度が遅く、血糖値のスパイク(急上昇)が起こりにくいとされている。さらに、レジスタントスターチは腸内細菌のバランスを整えることもわかっている。

※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。

From Women’s Health UK

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Rebecca Gillam

Bex is a wellbeing writer, brand consultant and qualified yoga and meditation teacher who likes baths, crystals, running with her pup Gustav and making unboring vegan-ish food. 

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翻訳者。学業・仕事のため、5カ国の7都市でおよそ10年を過ごす。帰国後は経済・ビジネス関連の文書やニュース記事の翻訳を中心に、ウェルネス系の専門誌やアート関連の書籍、映像翻訳も手掛けるなど、長年にわたってフリーランスで活動。常に新たな情報に触れる仕事柄、心がけているのは、「浅くても、 何でも広く知ろうとすること」。