ロックダウンの間、英国ではサイクリングに出かける人の数は平日で100%、週末で200%増加したという。俳優兼モデルのミシェル・キーガンも夢中になったようで、「これまでの人生ではサイクリングに興味を持ったことなんてありませんでした。クリートが何なのかさえ知らなかったくらいです。本当に夢中になって、とても楽しかったですね」と『ウイメンズヘルスUK』に語っている。

サイクリングの素晴らしい点(そして最大のメリットの1つ)は、さまざまな形があること。外で長距離を走ることにこだわる人もいれば、リビングに置いたエクササイズバイクに乗ることを日課にしている人、あるいは自宅近くのジムでエクササイズバイクに勤しんでいる人もいるだろう。大切なことは、どのような形であれ、サイクリングのメリットは変わらないということ。サイクリングをするすべての人が享受できるその効果を知って、この機会に始めてみよう。

サイクリングがもたらす10のメリット
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1. 低負荷の有酸素運動

スポーツパフォーマンスコーチのルイ・ファザカーリーさんは次のように説明する。「サイクリングは低負荷のワークアウトで、ランニングや(バーピーのようなジャンプを伴う)HITワークアウトなど、多くの有酸素運動よりも関節や骨格系に負担をかけません。それでいて、肺には効果的な有酸素運動なのです」

サイクリングをするために必ずしも外に出る必要はない。2019年に『Medicina』誌に掲載されたある研究では、室内でのサイクリングが有酸素容量、つまり心血管系が運動中の筋肉に酸素を供給しそれをエネルギーとして使用する能力を向上させる可能性があることがわかった。怪我で苦しんでいる人や怪我から回復している人にとっては当然のことだが、骨密度を高めるためには体重がかかる運動(ウォーキングや筋力トレーニングなど)が必要であることを忘れずに。

2. 観光の強い味方

「サイクリングの大きなメリットは、開放感があり、街や田園風景をめぐる最適な方法であり、徒歩で移動するよりも多くの場所をカバーできることです」とファザカーリーさん。

3. 気分を高め、ストレス解消に

サイクリングは、外的な思考を鎮め、リズムやスピード、傾きに集中することで、ストレスや不安を和らげることが証明されている。ファザカーリーさんは「バイクに慣れて自信を持って乗れるようになると、静かな道を走っている時にはボーッと瞑想のような状態になることもあります」と補足する。

ある研究によると、サイクリングで得られるポジティブな心的感情は、エンドルフィンという神経伝達物質が分泌されることで、コルチゾール(ストレスホルモン)の生成に対抗することが大きな要因であることが判明。また、同研究では屋外でのサイクリングがこの効果を高めることも明らかになっている。

4. 社交の場になることも

「英国のいたる所にあるサイクリングクラブは素晴らしい出会いの場となります」とファザカーリーさん。「速く走りたい人も、会話を楽しみたい人も、あなたに最適のサイクリングクラブがあるのです。サイクリングの途中、もしくは最後にコーヒー休憩を挟むこともよくあるでしょう。そして、コーヒーにはケーキがついてくるかもしれません。健康で幸せな生活のためにはバランスを取ることが肝心、ということを忘れないでください」

5. 減量に役立つ

『ウイメンズヘルス』の読者であればご存知かもしれないが、体重を減らすためには考慮しなければならない要素がたくさんある。いくつか挙げると、栄養状態、運動レベル、睡眠習慣、ストレスレベルなど。サイクリングは体脂肪を減らし筋肉を増やすことで、健康的な体重管理を促進する効果があることが研究によって明らかになっている(筋肉量が多いほど、安静時の消費カロリーは増える)。また他の研究では、サイクリングにスプリントやウェイトリフティングを加えることで、代謝を上げ、筋肉をつけてダイエットをサポートできると示されている。

6. 初心者から上級者まで、個々のレベルに合わせることが可能

「昔取った杵柄」。自転車の乗り方は一度覚えればいつでもまた無理なくできるもの。だからこそ、初心者から上級者までどのレベルでも楽しめるのがサイクリングの大きな魅力。慣れないうちは無理せず、少し負荷をかけたい時はスプリントや傾斜のインターバルにトライするなど、あなたのフィットネスレベルに合わせてトレーニングできる。

7. 環境にやさしい

サイクリングのメリットとして忘れてはならないのが、環境にやさしいということ。最近の研究では、1日1回、車ではなく自転車で通勤することで、二酸化炭素排出量が67%減少することがわかった。もちろん、自転車にガソリンは必要ない。

8. 筋肉をつける

「大腿四頭筋、大臀筋、ハムストリングス、ふくらはぎを強化できます」とファザカーリーさん。「最適な負荷をかけるためにはペダルの押し引きは同じ力で行います。押すことで大腿四頭筋、引くことでハムストリングスを活性化させることができます」

サイクリングで筋肉量を増やせることは2015年のある研究で確かに証明されたが、筋力のポテンシャルを最大限に発揮するためには、筋力トレーニングを日課に取り入れることが必要だ。

9. 時間とお金の節約に

ここまで読むと、サイクリングが健康に良いことは明らかだが、サイクリングには実用的なメリットもある。交通手段として自転車を利用することで、公共交通機関の運賃や車のガソリン代を節約することが可能。さらに、交通渋滞や、駐車場、バス停、駅で並んで待つ時間も短縮できる。

10. 長生きをサポート

スポーツ医学専門誌『Sports Medicine』に掲載された研究によると、サイクリストは健康で長生きしていることがわかったという。このレビューでは、合計で478,847人が参加した17の先行研究のデータを調査し、“カジュアルサイクリスト”、すなわち、その場しのぎで体を鍛えるためではなく、サイクリングを生活の一部として考えている人は早期死亡を回避する確率が23%高く、心血管疾患のリスクが大幅に減少することを明らかにしている。

※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。

From Women’s Health UK

Lettermark
Bridie Wilkins

Bridie is Fitness Editor at Women's Health UK. She spends her days sweating over new workouts, fitness launches and the best home gym kit so you have all that you need to get fit done. Her work has been published in Stylist, Glamour, Cosmopolitan and more. She’s also a part-time yoga teacher with a habit of nodding off mid savasana (not when she’s teaching, promise).

Headshot of Ai Ono

 高校生時代にアメリカンカルチャーの影響を受け、大学在学時にアメリカ・シアトルにてホームステイを経験。海外ドラマに関するWEBメディアでライターを務める。海外エンタメ・セレブ、ロイヤルファミリー、ヘルス・ウェルネス記事をメインに、翻訳を担当。手話技能検定3級、世界遺産検定2級、アロマテラピー検定1級を持つ。