パートナーがいてもいなくても、友達とコーヒーを飲みながら恋愛事情を語り合うのは非常に楽しい。TikTokでは、昨年の恋愛と性生活を振り返ってシェアする#datingwrapped(恋愛総括)というハッシュタグが流行中。360万人以上のユーザーが参加しているのを見る限り、2022年は多くの人にとって面白い1年だったよう。でも、カフィング・シーズン(冷えた肌と心を一時的に温め合う関係が増える時期)は年が明けると同時に終わる。だから、そろそろ次の計画を練りはじめたほうがいい。

その上で参考にしたいのが2023年の恋愛トレンド。大手マッチングアプリの専門家の面々に話を聞いた。

マッチングアプリ『Plenty of Fish』の恋愛エキスパート、ケイト・マクリーンによると、2023年は過去数年がもたらした不安や混乱に別れを告げて、ポジティブかつ可能性に満ちた恋愛を求める人が増えるそう。2020年から2022年にかけて「シングルの人は、主にパンデミック関連の理由から恋愛に対するアプローチを変えました」とマクリーン。「でも、パンデミックから世界が立ち直るにつれて、もっとリアルで嘘のないつながりを得るために、恋愛の定義を見直す人が増えています」。マクラーレンによると、2023年は「自分が主人公」の意気込みで恋愛をする人が増えてくる。パンデミックで失った自分の自信を取り戻す過程で、「恋愛の赤信号や自分の価値がハッキリ見えてくるからです」 

もちろん、これだけが2023年の恋愛のすべてじゃない。マッチングアプリの専門家たちが特に目立つであろうトレンドを6つ予測してくれた。

1.低予算のデートが主流になる

物価の上昇は恋愛の敵。2022年の後半から少しずつ下がってきてはいるけれど、ディナーや飲み会のあとに残高を見るのはいまでも怖い。複数のマッチングアプリの専門家によると、これが理由でデートの予算は全体的に減少傾向。『Bumble』のアンケートでも、参加者の28%がデートでは経済的に無理をしないと回答し、57%が派手なデートより控えめで低予算のデートを好むと答えた。

マクリーンいわく『Plenty of Fish』でも、ミレニアル世代とZ世代でパートナーがいない人の48%は低予算のデートプランを考えていた。どうやら、お金を賢く使う人が本当に増えているようなので、カフェで割り勘を提案されたり、ピクニックで持ち寄りを提案されても驚かないで。

2.ノンモノガミーの関係が普及する

シングルの間は特に偏見を持たず、いろいろな形の恋愛を広く受け入れるようにすると、対象となる人や機会が増えて人生が一段と楽しくなる。マッチングアプリ『Hinge』の恋愛科学ディレクター、ローガン・ユーリーによると、Z世ユーザーの15%とLGBTQ+ユーザーの15%はデートの目的を見直しており、ノンモノガミー(複数の人と同時に付き合うことをよしとする関係)に対してオープン。

『Bumble』のユーザーデータも同様の傾向を示しており、アンケート回答者の16%がノンモノガミーの関係を受け入れようと考えている。『Bumble』のセックス・恋愛エキスパート、シャン・ボッドラムによると、今後の現代社会ではセックスが少しずつ前向きに捉えられるようになり、セックスや恋愛に関する議論が堂々と行われるようになる。このトレンドは2023年以降も続くはず。

3.自ら仕掛ける女性が増える

2023年は、世界中の女性が自信を取り戻す年になる。恋愛に関しては特にそう。『Bumble』のようなマッチングアプリはこれまでも、自分から積極的に行くようにと女性の背中を押してきた。でも、今年は時に自ら仕掛ける女性ユーザーが増える見通し。これは、そうすることで得られる利益の大きさに多くの女性が気付き始めたからであり、この傾向は2023年も続くことが予想される。

「女性の10人に8人以上は、自分からメッセージを送ることに抵抗がないと言っています。そうすることで彼女たちが得をしているのも事実です」と語るのは、恋愛エキスパートでマッチングサイト『OkCupid』のグローバル・コミュニケーション部門長、マイケル・ケイ。「自分が最初にメッセージを送る女性は、そうしない女性よりも“いいね”をもらう確率が55%、マッチする確率が約60%高い。また、女性から始めた会話は男性から始めた会話より長く続きます」

4.お酒抜きのデートが熱くなる

「飲みに行かない?」というメッセージをもらうことは多いけれど、マッチングアプリの専門家によると、今年はドライデート(お酒の力を借りないデート)が大ブームになる見込み。

『Hinge』ユーザーの大多数(75%)は、もはや初デートにアルコールを求めていない。むしろ、相手を純粋に知り、つながり感をくれるようなアクティビティをしたいと考えている。マッチングアプリ『Tinder』でも似たような傾向が現れており、ユーザーの72%はプロフィールに「お酒は飲まない」、そうでなくても「たまに飲むだけ」と記載している。昨年は『Tinder』のプロフィールにビールやワインの絵文字を使う人も大幅に減少した。これからはコーヒー絵文字の時代かも。

5.友達以上恋人未満の関係が流行る

“お互いを知り合う期間”や“グレーな期間”は曖昧で、フラストレーションがたまりがち。でも、2023年は友達以上恋人未満の関係(シチュエーションシップ)が流行りそう。『Tinder』の恋愛エキスパートによると、シングルの人の中には、この関係をコミットメント不足として捉える代わりに「そういうつながり方もあっていい」と考える人が増えている。

プロフィールに“友達以上恋人未満OK”と明記する『Tinder』のユーザーは、2022年に49%増加した。Z世代のユーザーの中には、友達以上恋人未満としたほうが最初からプレッシャーを感じなくて済むのでラク、と考える人もいる。

6.弱さを見せられることが大切になる

ご存じの通り、自分の弱さを見せられるのは強いこと。「男は〇〇でなければならない」という“男らしさ”の概念にとらわれている男性は多いけれど、この数年で、その有害さにやっと気づいた男性は少なくない。彼らにとっては今年も、己の有害な特性と真っ向から対峙し、感情の処理や自己表現を学ぶ時間になりそう。事実、『Bumble』の男性ユーザーの74%は、自分の行動を見直した結果、“有害な男らしさ”(トキシック・マスキュリニティ)に関する理解が深まってきたと考えている。

『Bumble』のデータによると、男性ユーザーの過半数(52%)は感情をあらわにして弱みを見せるべきではないという考え方を変えようとしており、38%はアプリの外でも男仲間に自分の気持ちを素直に話す努力をしている。

『Hinge』では、ユーザーの93%が感情的な弱さを見せてくれるパートナーを求めており、それを収入、身長、外見のよさよりも重視する人は61%にのぼる。

2023年のプロフィールでは、身長よりも自分のラブ・ランゲージをシェアしてみるといいかもしれない。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Lexi Inks Translation: Ai Igamoto