ジムに行って、毎朝気持ちのいい汗を流したいと思っても、体が他の日より疲れきってる日もある。女性の生理周期の内、特定の時期には、欲望や感情、睡眠に影響を与えるだけでなく、エクササイズウエアを着るのもイヤになるような、ホルモン変化が起きるのが一般的。もし、特定の時期にケガしがちでもあるなら、それは生理周期が原因かも。そこには、この時期のホルモン変化は筋肉や腱(けん)、靭帯(じんたい)に影響するという裏付けがあるそう。今回はこの内容をオーストラリア版ウィメンズヘルスからご紹介。

『Frontiers in Physiology』に掲載された新たな研究によると、リンカーン大学、ノッティンガム・トレント大学、サッカー協会の研究者は、4年にわたりイングランド代表女子サッカーチームを観察し、その結果、筋肉や腱(けん)、関節や靭帯(じんたい)のケガは、生理周期全体に不均一に起こるという事が判明。その研究では、ホルモンはケガのリスクに明らかに関係していると主張している。

生理周期は複雑ではあるが、シンプルに2つに分割できるという。それは、生理の初日から始まる卵胞期と、排卵後に始まる黄体期。エストロゲンは、卵胞期の始まりに最も低くなり、排卵前に最も多いピークを迎える。その後黄体期に急激に低下し、やや緩やかなピークに向けて上昇するという。

エストロゲンは重要で、研究においても大事な要素だという。エストロゲンには腱(けん)や靭帯(じんたい)のこわばりを減らす作用もある。また、エストロゲンの上昇は出産を可能にもする。けれども、同時に膝や他の関節が不安定になる事もある。

結果、エストロゲンが最も高く、靭帯(じんたい)がぐらつきやすい、卵胞期後半期間に1番ケガが多くなる傾向にあるという。また、この時期は膝の関節が1-5mm緩まり、安定性が低下する事も判明。サッカーの研究では、通常の生理周期の選手だけを研究対象とし(ホルモン剤を服用するとエストロゲン量の大幅変動がなくなるため、対象者は除外)、筋肉や腱(けん)のケガは、卵胞期後半におよそ2倍だったという。

研究者たちは、ホルモンの変動が筋肉や体機能に影響する事が明確になった一方、エストロゲンがどのようにケガのリスクに関連するかについては、生命の複雑さを捉え切れておらず、生理周期とケガのリスク軽減に関する指針は確認できないという。研究者たちは女性アスリートに対して、体の状態を把握するため、簡単に生理の記録をとっておくことを推奨している。アスリートだけでなくトレーニングに励む女性も同様に、その日の体の声を聞くようにしよう。もし疲労感を感じているなら、体の声に従って。それは弱さではなく、賢明なアスリートとであるという事だから。

※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: WH staff Translation: Asami Akiyama

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