徹夜明けは頭がボーッとしてしまう。怒りっぽくなり、反応が遅くなり、ホルモンが変化して一気に太りやすくなる。そして今回、この寝不足の認知的副作用リストに新たな項目が加わった。心理科学専門誌『Psychological Science』に掲載された新たな論文によると、寝不足は間違った記憶を脳に植え込む。言い換えれば、実際に見ていないものを見たと思い込む可能性が高くなるということ。今回はこの内容をアメリカ版ウィメンズヘルスからご紹介。

この論文によると、研究チームは二つの実験を行った。最初の実験に参加したのは、睡眠時間が5時間以下で完全に寝不足のグループと、5時間以上ではあるけれどまだ寝不足のグループ。興味深いことに、完全に寝不足のグループは、実際に見ていないニュースを見たと言う確率が高かった。二つ目の実験では、犯罪の写真を見た人々が24時間一睡もせず、写真と矛盾する口述を読んだところ、口述の内容と写真で見たことを混同するケースが多発した。

この通り、寝不足になると事実が判別できなくなったり、物事を間違って記憶したりする可能性が高くなる。あのメモは絶対に渡したし、あの席も絶対に予約したと思っていたのに実は失念していたという経験が、あなたにもあるのでは? 今回の研究結果を見る限り、寝不足時には、このようなイージーミスの可能性が高くなる。

寝不足が実際に見ていないものを見たと思い込ませる、その理由は研究チームにも分かっていない。でも、疲れた脳では情報が正確に処理できないという説がある。

今回の研究で明らかになったのは、過去の論文にもある通り、犯罪の目撃者の証言があまり当てにならないということ。あなた自身が銀行強盗の目撃者にでもならない限り、これで日常生活が突然危険にさらされるわけではないけれど、寝不足が原因でフィクションとノンフィクションの区別がつかなくなれば、仕事は絶対はかどらなくなる。さまざまなアドバイスを取り入れながら、十分な睡眠時間を確保しよう。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Esther Crain Translation: Ai Igamoto

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