健康に影響を与える要素は数多くあるけれど、やっぱりメインは食生活と運動、そして……自分の上司? 職業・環境医学専門誌『Occupational and Environmental Medicine』に掲載された論文によると、上司のことを「一貫性に欠けている」「偏った見方をしている」「思慮に欠ける」と思っている人は、そうでない人よりもうつ病になりやすいらしい。詳しくみていこう。

この事実は、社会科学・医学専門誌『Social Science and Medicine』と組織行動学専門誌『The Journal of Organizational Behavior』に掲載された、「不公平な職場環境が精神的苦痛、うつ病、一般的なうつ症状にひもづいている」という論文の内容とも一致する。

職場における幸福度は、仕事内容というよりも職場環境によって決まる。意外かもしれないけれど、考えてみれば単純なこと。「組織的な不正は、従業員の無力感を助長します。何をしても環境は変わらないというような気持ちにさせます」と話すのは、米カリフォルニア州立大学ロサンゼルス校心理学教授で公認臨床心理士のラマニ・ドゥルヴァスラ博士。「無力感は、うつの前兆と言われています」

この論文によると、幸せで健康な従業員が欲しい企業は、透明性と一本化された意思決定プロセス、従業員に対する思いやりを示すだけで状況を変えられる。リーダー的なポジションにいなくても、好ましくない状況を改善する施策はとれる。

「あなたの中にも駆け引き上手な外交官がいるはずです。可能であれば、その人と相談して解決策を見つけてください。これを個人的な問題にしないことも重要です」とドゥルヴァスラ博士。問題が手に負えなくなってきたら、職場にふさわしくないと思う状況を記録しよう。そのせいで食べられなくなったり、眠れなくなったりしたら、外部の助けを求めること。「それも仕事の一部などと考えてはいけませんよ」

※この記事は、アメリカ版『Prevention』から翻訳されました。

Text: Jessica Chia Translation: Ai Igamoto

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