グミと聞いていまだにおやつのグミを思い浮かべた人は、最新のウェルネスの世界へようこそ。近年急成長中のサプリメントは今、地味な色をした錠剤サプリの時代からカラフルなグミサプリの時代へと移行中。ちなみにイギリスのサプリメントの市場規模は490億ポンド。インフルエンサーたちの支持のおかげもあり、グミサプリは今栄養補助食品業界で大きな割合を占めているとか。腸の健康を向上したり、髪の毛のコシや肌の弾力・ハリを取り戻せるなど、さまざまな健康効果を約束するグミサプリ。甘党の欲をチョコレート並みに満たしてくれる一方で、今頃食器棚の奥で埃をかぶっている錠剤サプリよりも、果たして本当に優れているのだろうか?

まずはいい知らせから。ジューシーな味わいやカラフルな色合いといったグミサプリのポジティブな感覚特性は、研究によると消費者の摂取意欲の向上につながる。自分にとってベストなサプリとは、継続して飲み続けることができるものだから。毎日複数の薬を服用し、錠剤に飽き飽きしている人にとっては、グミサプリに切り替えることは、“錠剤疲れ”を少しばかり和らげてくれる。

このようなメリットがあるグミサプリだけれど、栄養価においては水と一緒に飲む錠剤タイプのサプリほど高くない。一般的にグミサプリは、コーンスターチやゼラチン、または非動物由来の原料から作られており、かなりの量の砂糖が含まれている傾向にある。成分リストには、マルチトールシロップ、グルコースシロップ、スクロースなど、あまり嫌悪感を起こさせないような名称で記載されているケースが多い。

ここで厄介な問題が。結局のところグミサプリは「甘いもの」。定期的に摂取していれば、歯の健康にダメージを与えるかもしれない。歯と歯の間に挟まり、虫歯につながることもある。グミサプリの美味しさが利点となる一方で、裏を返せばもっと食べたくなりやすい。グミサプリを推奨量より多く摂取するのは危険であり、脂溶性ビタミン(A、D、E、K)やミネラルの濃度が健康に有害となるレベルにまで上がる恐れもある。ビタミンAを摂り過ぎれば頭痛が起きたり、鉄を摂り過ぎれば肝臓が損傷するなど、さまざまな影響が起こり得る。

品質はメーカーによって大きく異なるため、賢い購入が必要になる。オンラインでグミサプリをオーダーする際はとくに、多少なり懐疑心を持つことが肝心(実店舗を構えるドラッグストアなどで販売されるサプリメントと同等の検査が行われている可能性は低いため)。健康効果を過剰にアピールしているものや、見たことのないカタカナ表記の成分がいっぱい含まれていたりしてちょっとでも疑念を抱いたなら、そのメーカーから買うのは避け、信頼できる小売業者から購入するのが安全。

サプリメントの形態がどうであれ、野菜、果物、穀物、豆類、タンパク質、良質な脂質で構成される多様性に富むバランスのとれた食事から得られる健康上のメリットに、サプリメントが勝ることはできない。このことを常に念頭に置いたうえで、栄養士から指摘を受けた、不足している栄養素のみをサプリメントで補うようにしよう。それで十分!
 
※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: TAI IBITOYE Translation : Yukie Kawabata

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川畑 幸絵
翻訳者

短大卒業後バンクーバー、メルボルンで2年留学した後、外資系客室乗務員として勤務。2018年に退職後、翻訳者としてフリーランスに転身。アメリカで統合栄養学を学んだ経験もあり。