何百回も聞いているとは思うけれど、タンパク質は健康的な食生活の大事な一部。そして、タンパク質の供給源のツートップと言えば、鶏むね肉とベジタリアン向けの豆腐。でも、どっちのほうがよりヘルシー? エキスパートが両者の違いを明らかにして、その問いに答えてくれた。詳しく見ていこう。

鶏肉の栄養価

100gの鶏むね肉には、約24gのタンパク質と2gの脂質が含まれている※。鶏肉には血液のもととなる鉄、免疫系を支える亜鉛とマグネシウム、そしてビタミンB群もたっぷり。公認管理栄養士でインテュイティブイーティング・カウンセラーのローラ・ルーによると、ビタミンB群は脳機能の保持と疲労の撃退に有効で、タンパク質は筋肉づくりをサポートする。

文部科学省 食品データベース

豆腐の栄養価

豆腐はアジア料理の定番アイテムで、大豆から作られる。ゆでるだけでもおいしいし、豆腐を真っ白なキャンパスと捉えて、いろいろ創作するのも楽しい。いずれにせよ、バランスのよい植物性の食生活にもってこいのアイテムであることは間違いない。100gの豆腐には、タンパク質が7gと脂質が5g※。カルシウム、鉄、亜鉛、マグネシウム(正常な血圧の維持に役立つ)、カリウム(電解質として働き、筋機能と水分量の保持に役立つミネラル)も豊富。

「豆腐を使えば、動物性食品を使わなくても確実にタンパク質が摂取できます」と話すのは、公認管理栄養士のジェシカ・スタム。豆腐には、代謝の促進や血糖値の調節など、あらゆる点で役に立つ食物繊維もたっぷり。

豆腐は風味が強くないので、鶏肉が合わない料理とも相性がいい。「スムージーに加えれば、タンパク質とカルシウムもおいしく摂取できますよ」とスタム。「野菜とジャガイモと豆腐を使い、朝食のエッグスクランブルを豆腐スクランブルにするのもいいですね」

文部科学省 食品データベース

鶏肉と豆腐、どっちのほうがよりヘルシー?

栄養価に関しては引き分け! 鶏肉も豆腐もタンパク質の優秀な供給源で、正常な身体機能に欠かせないビタミンやミネラルを豊富に含む。

「いつも幅広い食材を使うことが重要です」とルー。「鶏肉も豆腐も、他のタンパク質の供給源より栄養価が著しく高いので、どちらを使っても健康のためになるでしょう」。だから、ベジタリアンでもヴィーガンでもない人は、両方使ってみればいい。

また、鶏肉と豆腐には、それぞれユニークな利点がある。タンパク質では鶏肉が圧勝。でも、鶏肉の調理には豆腐の2倍以上の時間がかかる。脂質では豆腐の勝ち。鶏むね肉なら脂質が比較的少ないけれど、豆腐には、“良質”な1価不飽和脂肪と多価不飽和脂肪が含まれており、鶏肉には、豆腐にはない飽和脂肪とコレステロールがわずかとはいえ含まれる。ビタミンB群とカリウムの量では鶏肉の勝ち。でも、亜鉛、マグネシウム、鉄、カルシウムの量では豆腐が勝り、食物繊維に至っては、戦わずとも豆腐の勝ち。

「鶏肉や豆腐を使う上で何よりも大切なのは、下ごしらえと調理方法をヘルシーにすることです」とスタム。揚げるよりも焼くかあぶるか。風味付けには、大量の塩よりも新鮮なハーブとスパイス。ルーいわく鶏肉を木づちでたたいて平らにすると、均等に火が通り、マリネがしっかり染み込むそう。

※この記事は、アメリカ版『Prevention』から翻訳されました。

Text: Alyssa Jung Translation: Ai Igamoto

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