「子供の頃からバレリーナ以外の夢はありませんでした」。そう語る松永さんは、2歳のときから11年間、週7回バレエを続けてきたという。度々膝の怪我を経験し、高校でモナコにバレエ留学をする前の健診で、医師から告げられたのはあまりにも残酷な言葉。
「怪我をしやすい脚だから、留学したとしても3年後に故障して帰国することになると思いますが、それでも大丈夫ですか?」
同時に周囲からはバレエの指導者の道を勧められたものの、踊り手であることしか考えていなかった彼女は、バレエをすっぱりやめてしまった。
「週7回体を動かしていたので、バレエをやめたらストレスのやり場がなくて、リフレッシュもできず、自分のコントロールが大変でした。エネルギーがあり余り過ぎて、受験期でみんなは勉強していたし、私は勉強してこなかったしで、辛かったです」
その後数年はそれまでバレエ漬けだった生活の反動のように、遊びに打ち込んだ松永さんは、CAを目指して大学で国際コミュニケーションを勉強している20歳の時に、母の勧めで始めたのがヨガだった。
「クラシックバレエの時は無理して膝を怪我しましたが、ヨガは自分のペースでできるところがフィットして、週5回くらいスタジオに通っていました。ヨガを始めて3か月後には、スタジオに通わず自分でできるようになりたいと思い、RYT200の資格を取るためタイに旅立ちました」
「タイから帰国した当時、20歳のヨガ講師は珍しく、生徒さんも私より年上の方が多かったので、ヨガ講師の仕事を本格的に始めるのはもう少し後かな、とアパレルの仕事に就きました」
その後、彼女が24歳の時、勤めていたブランドが日本を撤退するタイミングでヨガ講師としてデビューした。