突然奇妙なブツブツが現れ、しかもかゆい！！
小さくても大きくても、虫に刺されるのが好きな人はまずいないはず。アウトドアを楽しむときはとくに、虫刺されは避けては通れない。場合によっては痛みを伴う症状が何日も続くことがあるため、何の虫に刺されたのか、最善の治療法はなにかを知るに越したことはない。
まずは、自分の住んでいる場所や最近の活動を振り返ってみよう。海外旅行をしたり、動物と触れたり、ジャングルのような場所（または森や野原など）に足を踏み入れたなら、特定の種類の虫に刺された可能性があると説明するのは、皮膚科クリニックPalm Beach Dermatologyに勤務する皮膚科医のペギー・ハンター医学博士。
単なる虫刺されで済む場合もあれば、実際に毒を持つ虫による刺傷や、虫が皮膚に寄生して起こる感染症に罹る場合もあると話すのは、ノースウェスタン大学ファインバーグ医学部の臨床皮膚科学の助教授を務める皮膚科医のマイヤー・ホーン医学博士。
「虫刺されは見た目が似ているので、体のどこを噛まれたのか、いくつ刺されているのかによって見分けることができます」ハンター医学博士いわく、虫刺されは確かに不快だけれど、軽くて合併症のない虫刺されは数日から数週間で治るため、あまり心配する必要はない。とはいえ、発熱、寒気、筋肉のけいれん、下痢、嘔吐、首のこり、唇の腫れ、呼吸困難などの症状がみられる場合は、アレルギー反応の兆候が出ているためすぐに医師の診察を受けるべき。その虫刺されがたとえ軽症でも、何の虫に刺されたのかを知るだけで不安から解放され、次回のために万全な備えができるので安心。ではさっそく、15枚の虫刺され跡の写真を参考に、あなたがなにに刺されたのか特定していこう。
トコジラミ（ベッドバグ／南京虫）
アメリカ疾病予防管理センター（CDC）によると、トコジラミは実際に健康を脅かすものというよりも、処理が煩わしい。トコジラミに刺されると、夜も眠れなくなるほど強烈なかゆみを伴う。さらに問題となるのは、トコジラミが急速に広がって感染症を引き起こす恐れがあり、駆除のプロセスには手間とお金がかかること（それに、眠っている間に小さな虫に血を吸われているという事実は、到底気が休まるものではない）。
業務用害虫駆除会社「Rentokil North America」に所属する学会認定昆虫学者のナンシー・トロイアーノ博士が言うには、トコジラミに刺された皮膚の反応は人それぞれ異なる。まったく反応を示さない人もいれば、蚊に刺されたようなかゆみを伴い、赤く腫れた斑点が皮膚にいくつも見られる人もいる。
「複数の虫に吸血されている場合は、刺し跡が直線上に現れることがあります。どの部位であれ刺されますが、露出している部位の皮膚がとくに刺されやすいです」とトロイアーノ博士。刺し跡は、肌の色が濃い人はピンク色や濃い紫色、肌の色が明るい人は赤色に見えることがある。一般的なイメージに反し、トコジラミが発生する原因は、衛生状態の悪さやアパートの汚れとは関係ないという。
害虫駆除会社「ターミニックス」の技術サービスマネージャー、アンジェラ・タッカー博士いわく、トコジラミは持ち物に付着して広がるため、予防するのが難しい。
「これを踏まえたうえで最善の予防策と言えるのは、旅行する際は十分に用心することと、家の掃除を定期的に行うことです」とタッカー博士。トコジラミは完全に成長すると、リンゴの種ほどの大きさ、形、色をしているので見逃さないように。シーツやマットレスに赤褐色の血斑が見られる場合にも、トコジラミがあなたの周囲に潜む兆候だという。
米プロビデンス・セント・ジョンズ・ヘルスセンターに勤務する総合診療医のデイヴィッド・カトラー医学博士によると、トコジラミに刺された場合は、ヒドロコルチゾンクリームでかゆみを和らげることができる。その後、清掃業者に駆除の依頼をしよう。
「まずはトコジラミの発生源を知ることが重要です」とカトラー医学博士。
「その後でプロの駆除業者を呼び、これ以上トコジラミに刺されないようにすることです」
ハチ
ハチに刺されると、通常は地獄のように痛いのですぐに気が付く。
「初めは、皮膚に何の跡もないかもしれません」とトロイアーノ博士。
「でも、数分もすれば刺された箇所が赤く腫れ上がります」。患部が温かく感じられ、腫れの中央に小さな白い点が見えるはず（そこが、針を刺された場所）。
肌の色が濃い人は、赤く腫れた箇所の中央に、濃い赤か黒い色をした点が見えることもある。ハチ刺されにアレルギーがある人は、すぐに医療機関を受診するべき。
トロイアーノ博士いわく、ハチは針を刺した後に針を失うため、針が皮膚に刺さったままであれば取り除く必要がある。針の除去後に、氷を当てて腫れを引かせるように勧めるのは、メリーランド大学医学部の救急医学の助教授であり、成人救急部の副医学部長を務めるデイヴィッド・ギャッツ医学博士。
ベナドリルなどの抗ヒスタミン薬の服用も検討しよう。ハチに刺されない唯一の方法は、当然ながらハチと接触しないようにすること。アウトドア好きには実行不可能なので、外にいるときはハチを手で振り払ったりせず、そっとしておいてあげること。
ワスプ（カリバチ）
ハチと同様に、ワスプに刺されると痛い。激しく焼けるような痛みや鋭い痛みを感じ、刺された部位の周辺が赤く腫れるのが特徴。ハチによる刺され跡と見た目は似ている。ギャッツ医学博士いわく、患部を石鹸と水でよく洗ったら、氷や冷湿布を貼って腫れや痛みを落ち着かせるといい。もしくは、抗ヒスタミン薬を服用して、痛みやかゆみを軽減することができる。
「基本的に、ハチやスズメバチに手を出しさえしなければ、彼らもあなたに手を出してくることはないでしょう」とタッカー博士。
とくに注意したい場合は、花の香りの香水やフレグランスの使用は避け、周囲にある飲食物を隠すようにタッカー博士は勧めている。
イエロージャケット（大型のハチ）
イエロージャケットによる刺傷は、ハチやスズメバチによる刺傷と似ている。ジョンズ・ホプキンス大学医学部によると、刺された箇所の周りに激しい痛みを伴い、赤みや腫れが生じる。だが、イエロージャケットは人間の皮膚に針を残さない。
症状としては、刺された部位の周りにかゆみや温かさを感じるのが一般的であり、疲れを感じることもある。大抵のイエロージャケットは地下に巣を作るため、木の近くや、中が空洞になっている薪や倒木の幹、材木の山などでよく見られる。
屋根裏や壁の間、ゴミ箱の中にまで穴を掘ることもあるそう。ミツバチと間違われることも多いが、テキサスA&M大学の研究によると、イエロージャケットは無毛で体長は約0.5インチ（約1.27cm）程。対策としては、ハチを叩いたりすることは避け、近くにある飲食物は覆い隠すこと。
森の中を歩くときは、巣を踏まないように注意して。
疥癬（ダニの一種）
CDCによると、疥癬（かいせん）は微小なダニによって引き起こされる寄生虫感染症であり、疥癬になると、雌のダニが皮膚に潜り込んで卵を産み付ける。痒疹は通常、膿疱（皮膚に膿が溜まったもの）や水疱を伴う小さな発疹が現れ、トロイアーノ博士いわく、激しいかゆみを伴う。
まとまって出現することが多く、炎症を起こしたピンク色、または濃い赤色をしたニキビのようにも見えるとか。過去に痒疹に感染した経験がなければ、感染後発疹が出るまで数週間かかることがあり、痒疹の経験があれば、感染して1日から4日以内に発疹が現れる傾向にある。
タッカー博士いわく、疥癬は長時間肌と肌が直接触れることで感染し、その感染力は非常に強い。適切な診断と治療を受けるには医師の診察を受診するべきだが、ギャッツ医学博士によると、一般的にはペルメトリンという外用薬で治療される。
蚊
蚊に刺されても大した問題はなく、かゆくて迷惑だがそれほど深刻ではない。蚊に刺された跡を知らない人はいないだろうけれど、念のために説明すると、皮膚が赤く腫れ、かゆみを伴う。
肌の色が濃い人は、咬まれた箇所が濃い赤、または茶色に見え、少し盛り上がって見える。一部の人は、蚊に刺された跡の中心に小さな水泡がみられ、液体が溜まっているように見えることもある。
でも、CDCによると、蚊はジカ熱やウエストナイル熱のようなウイルスを保有していることがあり、発熱のような症状や発疹、関節痛、目の充血を引き起こす可能性がある。そのため、蚊に刺された後で気分が悪くなったり、上記の症状が現れた場合には、できるだけ早く医師の診察を受ける必要がある。
蚊に刺された跡を治すためには、掻くのを我慢すること。カトラー医学博士いわく、掻きむしることで感染を起こすリスクが増加する。ヒドロコルチゾンクリームを塗ると、かゆみをある程度和らげられる。蚊に刺されるのを防ぐためにできることは限られているが、タッカー博士は家や庭の周りに溜まった水を取り除くように勧めている。
なぜなら、蚊はこのような場所で卵を産むから。屋外で長時間過ごす予定があるときは、良質な虫除け剤を使うことが重要になる。
蜘蛛
蜘蛛に噛まれるのはかなり稀だけれど、トロイアーノ博士が言うには、実際に起きていること。見た目は典型的な虫刺されの跡のように見え、蜘蛛が飛んでいるのを見ない限り、蜘蛛に噛まれたかどうかを判別するのは難しい。噛まれた跡を見つけて蜘蛛を目撃した場合は、患部を石鹸と水でよく洗い、手で触らないこと。
「特定の種の蜘蛛が持つ毒素は、皮膚を破壊する恐れがあります」とカトラー医学博士。そのため、蜘蛛に噛まれたと100%確信がなくても、石鹸と水で患部を洗浄しておいて害はない。
肌の色が濃い人は、噛まれた跡がより茶色っぽく見える。また、時折蜘蛛は、隣り合った箇所に2つの穴を残すことがある。傷口が大きくなったり、異常に赤くなったり、触ると熱く、潰瘍ができたり、発熱や関節痛がみられる場合は、トロイアーノ博士が言うように、できる限り早く医師の診察を受けるべき。家の中と外にある蜘蛛の巣の掃除をすれば、蜘蛛が侵入する可能性を減らすことができる。
タッカー博士いわく、外で作業したり、普段あまり使っていない物を多く保管している場所で作業をする際は、長袖、長ズボン、手袋、帽子を着用して肌を保護し、日頃から芝生や低木の手入れをしておくことが最善の予防策になる。
ダニ
ダニに噛まれたときは、必ずしも跡が残るものではないため特定しにくい（詳細は後述）。でも、ダニが皮膚に付着したままの場合もあるため、噛まれたと気付いたら、まずは皮膚からダニを取り除く必要がある。
トロイアーノ博士は、次の手順を推奨している：
ピンセットを使って、皮膚に近い部位でダニをつまむ。ダニをひねらないように、ゆっくりと上向きに引っ張る。取り除いたダニを潰さないようにする。ダニを消毒用アルコールに浸して保存する。医師や獣医師に見せる必要がある場合に備えて、それを密閉できる透明なプラスチック袋に入れて保存するか、ダニの鮮明な写真を撮ったあとでトイレに流す。
ギャッツ医学博士いわく、ダニを取り除いたら、刺された部位を石鹸と水できれいに洗うこと。通常はダニに咬まれてもなにも感じず痛みもないが、小さな赤い斑点のようなものができる。ブルズアイ発疹や、手首や腕、足首にピンク色の発疹が現れたり、咬まれた部分の周りに潰瘍ができた場合には、トロイアーノ医学博士いわく、医師の診察を受けるべき。
これらの症状は、ダニに噛まれ、ライム病などダニ媒介感染症に感染した兆候の可能性がある。肌の色が濃い人は、小さな噛み跡が茶色や紫色に見える。発熱、悪寒、痛み、筋肉疲労が現れた場合にも、病院を受診すること。
でも覚えておこう。すべてのダニが必ずしもダニ媒介感染症の病原体を保有しているわけではないため、噛まれたからといって深刻な病気に感染したとは限らない。
ダニに噛まれないためにできることは？
タッカー博士は、帰宅後は早めにシャワーを浴びるように勧めている（ダニに噛まれる前にシャワーで洗い流せるかもしれないから）。また、森林などダニが多い場所に行く際は、長ズボンと長袖を着用し、ディートを含む虫除け剤を使用するのが賢明な策。
森林の中で過ごした後は、家族や友人にダニチェックをしてもらうと尚安心。
ヒアリ（火蟻）
夏はヒアリに刺されやすく、刺されると一度に複数刺されることになる。1匹のヒアリは複数回刺すことができるため、刺されたらすぐに気付きやすい。
「ヒアリに刺されると即座に痛みと赤い斑点が生じます」とハンター博士。
「通常は赤く腫れた水膨れの集合体で、最終的には痛くてかゆく、膿が充満した隆起に発展します」。残念ながら、これらの痛みを伴う水膨れは数日から数週間も続くことがある。
ヒアリに刺されたかもしれない場合は、すぐに石鹸と水で皮膚を洗うこと。その後、ハンター博士はかゆみを落ち着かせるために、冷湿布やカラミンローション、ヒドロコルチゾンクリーム、または市販のメタノールベースのかゆみ止め液を塗るように勧めている。重曹と水を混ぜたペーストや、冷蔵庫で冷やしたホワイトビネガーに浸したコットンボール、歯磨き粉などの家庭療法も、患部の炎症を和らげるのに有効となる可能性がある。
症状がひどいときは、医師に処方される抗ヒスタミン薬が必要になる場合もある。ハチアレルギーがあり、ヒアリに刺されたかもしれない場合は、すぐに医師の診察を受ける必要がある。
「ミツバチやスズメバチに対するアレルギーがある際は、ヒアリの刺咬による毒との交差反応が出る可能性があります」とハンター博士。ハチとヒアリはどちらも膜翅目に分類されるので、刺された経験がある人は、刺された種に関係なくエピペン（アドレナリン自己注射薬）を携帯するべき。ヒアリとの接触を避けるには、外を裸足で歩かないこと。草地や日当たりのよい広い場所では靴下を履き、サンダルなどではなく、つま先まで覆える靴を履くこと。
ハンター博士いわく、靴や衣服に虫よけスプレーをしておけばヒアリに刺されるのを予防できる。
「周囲の状況には注意を払っておきましょう」とハンター博士。「ヒアリによる攻撃はわずか数秒の間で起こりますが、その影響は数日から数週間も続きます」
ノミ
ノミは、動物や人間の血を吸いながら生存しており、繁殖が早い小さな昆虫。通常はペットと関連付けられているものの、ノミは家の庭や近所から侵入することもあるため、ペットのいない家庭でもノミに刺されることはある。
米クリーブランドクリニックによると、雌のノミは吸血後に卵を産むという。通常、ノミは膝の下を噛むことが多いが、ペットを飼っていて（さらにペットと一緒に寝ている）場合は全身を刺される可能性もある。
「ノミの刺し跡は、蚊に刺された跡の縮小版のように見えます」とハンター博士。
また、赤色、または濃い茶色の隆起が数cmにわたる範囲で3つほど連なっていることが多い。刺された部位の周辺に強いかゆみと痛みが生じるが、掻きむしるのだけは我慢しよう。
「もっとも重症な症例では、刺咬そのものではなく、患部を掻きむしった結果として抗生物質が必要な感染症を引き起こすケースです」とホーン医学博士。
また、一部のノミは病気を媒介することがあり、刺咬がアレルギー反応を引き起こすこともある。この場合は、発熱、体の痛み、発疹などより深刻な症状が現れる可能性がある。ホーン医学博士は、クラリチン、アレグラ、ジルテック、ベナドリルなどの市販の経口抗ヒスタミン薬を服用することを勧めている。また、コルチゾンローションやクリームのほか、樟脳やメントールを含む市販のかゆみ止めも使用できる。さらに症状を落ち着かせたい場合は、クリームを冷蔵庫で冷やしてから使用し、刺された箇所を冷やして鎮静させるといい。
ホーン博士いわく、ディートを配合した虫よけ剤は、とくにノミ除けに効果がある。「確実にノミから肌を守りたいときは、ディートが必須です」とホーン博士。ただし、注意点として、顔や口周りに直接スプレーするのだけは避けること。
また、友人や隣人がノミの問題を抱えている場合は、不動産のオーナーや害虫駆除業者に連絡することで、最善の選択をとることができる。
ツツガムシ
ツツガムシは、鳥や他の動物から来るダニで、窓を開けたままにし、窓台に鳥が止まったりすると窓から侵入することがある。ツツガムシによる刺咬はノミによる刺咬と非常に似ており、区別することはほぼ不可能。
「過去の曝露歴による判断のほうが重要ですが、どちらかと言うと、ノミよりツツガムシに噛まれることのほうが一般的です」とホーン医学博士。
咬傷は通常、赤色または暗褐色をしたみみず腫れが集団で現れ、激しいかゆみを引き起こし、通常は下半身に見られる。基本的に数日でよくなる傾向にあるが、ホーン医学博士いわく、かゆみを鎮めるにはクラリチン、アレグラ、ジルテック、ベナドリルなどの抗ヒスタミン薬や、コルチゾンローション、市販のかゆみ止めクリームが効果的。
掻くことで一時的に楽になるかもしれないが、細菌感染を起こしたり、不快な部位を広げることにもなりかねないので、極力触れないようにしておこう。ツツガムシに噛まれるリスクを最小限に抑えるには、窓を開ける前に鳥の巣がないかどうかを確認すること。
アウトドアやキャンプでは、必ずディートを含む虫よけ剤を使用すること。
「キャンプをする人たちには、手、首、頬、生え際に虫よけ剤を塗るのはもちろんのこと、服の上からも虫よけ剤をスプレーするようにアドバイスしています」とホーン博士。
グリーンヘッド・フライ（大きな緑色のハエの一種）
塩湿地性のアブとしても知られるこのハエは、通常のハエのように見えるが、非常に大きくて光沢のある緑色の頭部をしている。皮膚科クリニックFACET Dermatologyの創設者であるギータ・ヤダヴ医学博士によると、噛まれた部位は痛みを伴い、その後も痛みとかゆみがしばらく続く。
「このハエは吸血時に口の周りにある小さなフックを使用してあなたを固定し、蚊のように唾液を人間の体内に注入します。これが刺激を与える原因です」とヤダヴ医学博士。
「刺された跡はミミズ腫れのように腫れ上がり、ハエの口はややギザギザしているため、刺し穴ではなく切り傷が生じます」大抵の場合は、ヒドロコルチゾンクリームやカラミンローションで治療できる。
ヤダヴ医学博士いわく、グリーンヘッドフライはどこにでもいるが、とくに夏の暑くて湿った場所に多く生息している。服の上から刺すことはないため、長袖と長ズボンを着用するのが最善の防御策になる。
「彼らは暗い服を好むので、明るい色の服を着るようにしましょう。また、午前10時から日没までがもっとも活発に活動する時間帯なので、この時間帯に外で座って過ごす際には、上述した予防策をとるか、仕切りで囲まれた場所でくつろぐことを検討してみてください」とヤダヴ医学博士。
シラミ
シラミは子どもから感染するのが一般的で、お泊まり会やサマーキャンプ、スポーツ、学校などの集団行事によって感染が広がる。
「シラミは大抵頭髪の接触で感染しますが、ごく稀に、個人の持ち物を介して感染することもあります」とヤダヴ医学博士。そのため、シラミに噛まれた跡は通常頭部に見られ、炎症を起こした小さな隆起が現れ、色白の肌ではピンク色や赤色、濃い色の肌では紫色に見えることがある。
「シラミは、刺す際に唾液を皮膚に放出し、それが反応を引き起こして非常に強いかゆみを伴う傾向にあります」とヤダヴ医学博士。この小さな虫は肉眼で見つけるのが難しく、実際には髪の毛に産み付けられる卵を先に見つけるほうが一般的。もしシラミと接触した場合は速やかに行動し、子どもに学校を休ませ、すぐに頭皮を検査して治療を進める必要がある。
通常の治療には、ペディキュリサイド（pediculicide）として知られるシラミを殺す薬が使われる。これに加え、シラミに感染した人が治療前の2日間で使用した衣類や寝具、その他のアイテムをすべて洗濯して乾燥させる必要がある。CDCによると、これが一般的な治療法とされている。
キッシング・バグ（オオサシガメ）
ヤダヴ医学博士いわく、キッシング・バグ（Kissing Bug）の名前は、口元を刺す傾向があることに由来している。刺されたときは通常痛みはないけれど、蕁麻疹のように見えたり、場合によっては重度の腫れを引き起こすことがある。一部のキッシング・バグは、チャガス病を引き起こす寄生虫を保有しており、未治療のままでは心臓や消化器の深刻な問題につながることもあるという。
ヤダヴ医学博士によると、この虫の体長は1インチ（約2.54センチ）弱で、茶色がかった黒い色をしており、体の側面に小さな赤い斑点がある。夜間に活発に活動するため、キッシング・バグを避けるには、とくに窓やドア周りの隙間をふさぎ、夜間はペットを室内で過ごさせることが大切。ペットを外で寝かせていると、ペットがキッシング・バグを連れてくる可能性もある。
キッシング・バグは、温暖な地域でよく見られている。
ヤダヴ医学博士によれば、彼らはマットレスの下や枕、寝室の家具の中に生息する傾向があるという。かゆみを和らげるには、カラミンローションやかゆみ止めクリームを使用し、アイスパックを当てると腫れを抑えることができる。症状が悪化したり、噛まれた部位が感染した場合には、すぐに医師の診察を受けること。
※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text:KORIN MILLER AND ANDI BREITOWICH Translation : Yukie Kawabata
