石村友見さんが考案した「ゼロトレ（ZERO TRAINING）」は、体の歪みを解消してゼロポジション（体の正しい位置）に戻すという、新発想のメソッド。ゼロポジションに戻ることで不調を改善するうえ、ボディメイクが叶うという。しかも、自宅で簡単に行えるというのだから、やって損なし！ そんな夢のようなトレーニング方法を石村さんに教わった。
背中に羽が生えたように軽くなる
もともとは舞台女優として活動していた石村さん。劇団四季で活躍後、28歳で単身ニューヨークに渡り、ブロードウェイの舞台に立っていた。しかし、オーディションでの挫折や日々や無理なダイエット、厳しい稽古で、体もメンタルもボロボロになってしまったという。
「海外の8頭身、9頭身のモデルやダンサーに負けたくないと、必死にダイエットをしていました。人の何倍も運動をこなし、食事も極限まで制限しているのに、なぜか痩せない。上半身は細いのに、なぜか下半身は太い体に。厳しいブロードウェイの世界でメンタルもボロボロになり、ついには体を壊してしまいました。そこで、一度舞台を離れてじっくりメンテナンスをしようと考え、マンハッタン中のヨガやトレーニングを受け始めました」
トレーニングを受けているなかで、マンハッタンのヨガスタジオで「かかと重心」という魔法に出合う。
「とあるヨガスタジオでレッスンのなかで、つま先からかかとに重心を移す、という体験をしました。そのとき、重心を移すだけで人の体はこんなにも軽くなり、細くなるものなんだと感じ、とてもびっくりしたんです。そこから私の気持ちに火がつき、研究を重ね、ブロードウェイに立ちながら自分がトレーニングを教える側に。突き詰めていくと、ボディメイクをするにも痛みを治すにも、ゼロポジションに戻さないことには難しいという結論に至ったんです。本来のポジションに戻してあげることが、不調を改善することにもダイエットにも不可欠だと。ゼロポジションは解剖学的にいうと、重力の負荷がかかりにくい、人間が立っていて効率のいいポジションのことです。人間の体は、ありとあらゆるところが縮んでしまっているのです」
5つの部位の縮みをなくすことで体が変わる
体のあらゆる場所が縮んでいることで、人間はゼロポジションから大きくズレてしまう。しかし、5つの部位の縮みを伸ばすことで体をゼロポジションに戻し、不調のない理想の体形を手に入れることができるという。
「たとえばスマホを見ようと首を15度傾けているだけで、首には25〜30kgの負荷がかかります。その重さにつられて巻き肩になり、首や肩、背中を縮ませるのです。筋肉は縮んで力を発揮するものなので、縮みすぎると伸ばすことができなくなっていきます（拘縮していく）。筋肉が縮んでいくと、関節が縮みます。そこに静的なストレッチでしっかりと筋肉が伸ばしてあげて、体の縮みを取っていくのがゼロトレです。すると動作が大きくなり、日常の基礎代謝が上がっていき、自然に体形が変わっていくのです」
- 首
- 肩
- 背中
- 腰
- 足指
「体全体をゼロポジションに戻すためには、上記の5つのパーツをゼロに戻す必要があります。みなさんもぜひこの5つの部位をゼロポジションに戻し、体に羽が生えたような『ゼロ・グラビディ（無重力状態）』を手に入れてください！」
【用意するもの】
- バスタオル2〜3枚
- クッション1つ
①バスタオルは重ね、丁寧に端から巻く。
②丸めたバスタオルは、クッションの上に置く。
1.両腕上げ下ろし
首、肩、背中、腰の縮みを解消する。肩こり、首こり、背中の疲れにも効果あり。
①3秒かけて鼻から息を吸い、両腕を上げる。
②7秒かけて口から息を「はぁ〜」と吐きながら、腕を大きく回しておろしていく。ことのとき、胸が広がることをを意識して。
「重力で筋肉を伸ばすことが目的なので、回数を多くこなすよりも、ゆっくりと行うことのほうが大切です。腕を回していて『気持ちいいな』と思うところがあったらちょっと揺らしてあげてください。筋肉が伸びるまで、ゆっくり待ちましょう」
2.股関節伸ばし
背中、腰の縮みを解消するメソッド。足の冷え、むくみが改善し、脚が長くなる効果も期待できる。
①タオルをお尻の下に置き、両ヒザを抱え込む。
②鼻から3秒かけて息を吸いながら右ヒザを抱え込んで右肩のほうに引き寄せ、左足を床におろし始める。
③口から7秒かけて息を吐きながら、左足をさらに床のほうに下ろしていく。このとき、右足と左足が反対方向に引っ張り合うテコの原理を利用して、鼠径部（足の付根）が伸びているのを感じて。2セット、左右の足行って。
「お腹と腿を離すと伸びないので、ヒザと肩をしっかりとくっつけた状態で行ってください。できるだけゆっくりと動きましょう！」
3.足4の字
背中、腰の縮みに効く。腰痛の人におすすめ。
①お尻の下にタオルを置き、右足のくるぶしを左ヒザの上に引っ掛けるようにして、4の字を作る。
③鼻から3秒かけて息を吸いながら、両ヒザが水平になるようにセットして。
③口から7秒かけて息を吐きながら、右ヒザを前方に押し、左ヒザを顔側に引き寄せる。左右の足が反対方向に引っ張り合うようにして、お尻がぐーっと伸びるのを感じて。左右の足、各3セット行って。
「ヒザとヒザを平行に保たないと効果が半減するので注意。しっかりと梨状筋が伸びているのを感じて」
『ゼロ・グラビディ（無重力状態）』を手に入れよう
トレーニングをする1時間よりも、23時間ゼロポジションでいることのほうが、理想の体形を手に入れることの近道。ぜひゼロトレを実践して、本来あるべき体を取り戻して。
石村友見プロデュース！ 女性専用オンラインジム『チームゼロ』
自宅にいながらオンラインで参加できる女性専用のフィットネス・ジム「チームゼロ」。「つながる、変わる、羽が生える」をコンセプトにしたこのオンラインジムには、2021年春のオープン以来「ダイエットが続かない」「人生100年時代を明るく元気に過ごしたい」という女性たちが殺到している。石村先生が開発した「ゼロトレ」はもちろん、ヨガ、ダイエット、ストレッチをはじめ様々なボディメイクをみんなで実践。恒例のダイエットイベントでは2週間で3〜5kgやせる人が続出している。「ひとりでは続かない」という人に、ぜひオススメなオンラインジムなので、ぜひチェックしてみて！
お話を伺ったのは……
石村友見さん
『ゼロトレ』考案者。女性専用オンラインジム『チームゼロ』主宰。劇団四季の「ライオンキング」に出演後、ニューヨークへ渡り、ブロードウェイミュージカル「ミス・サイゴン」でミス・チャイナタウン役に抜擢される。その後、ニューヨークにてヨガスタジオを設立。体の各ポジションを元（ゼロ）の位置に戻すことで健康美人になる「ゼロトレ」を発表すると、その効果を聞きつけたハリウッド女優、トップモデルなどがパーソナルトレーニングを求めて殺到。2018年５月に日本で出版した初の著書『ゼロトレ』は86万部を超える大ベストセラーとなり、『中居正広の金曜日のスマイル達へ』など人気テレビ番組に多数出演。その後に発売した『動かないゼロトレ』も15万部を突破し、シリーズ100万部を達成した。
美容・ダイエットを中心とした記事を担当。自他共に認める美容マニアで、ハマり症。その気質から、自分が挑戦する取材企画には必ず結果へのコミットにこだわる。男性ライフスタイル誌、女性向けアプリメディアなどを経て、2021年までウィメンズヘルス編集部に在籍。
