Women’s Health Academyのメンバーでもあるパーソナルトレーナーの鈴木拓矢さんが、月経周期に合わせたセルフケアとおすすめのトレーニング法を教えてくれた。

「男性と違い女性は月経周期により体の中で大きな変化が起き続けていますが、この月経周期を理解することが、女性ホルモンを整える大きなポイントです。女性ホルモンが整うと、生理前のイライラや暴飲暴食、むくみなどを抑えたり、肌ツヤがよくなることも期待できます。また長期的に見ても子宮や卵巣に関わる病気のリスクを下げることができます」

月経周期にフォーカスすると1回の周期の中で大きな体の変化は3つ。

月経期:経血が出る時期。

卵胞期と排卵期:もっとも体の調子が良い時期。

黄体期:PMS症状が出る時期で、体の調子が悪くなっていく時期。

この変化の時期に合わせてセルフケアの方法を変えることが重要だ。

それぞれの時期の体の状態に合わせ、最適なセルフケアを行うことで、セルフケアの量は少なくても、一つひとつの効果を最大限にすることができる。

月経期(1-5)におすすめのトレーニング&ケア

生理初日から経血がなくなるまでの期間で、子宮に溜め込まれた経血を出すデトックス期。ここではホルモンバランスが大きな変動を迎えるため、2つの項目を意識しよう。

おすすめセルフケアは三陰交のツボ押し
massage therapy acupressure point
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三陰交は、血行が良くなり、生理痛、生理不順に効果あり。足の内くるぶしから指3本分上にあるツボ。ゆっくりと押してみよう。 いた気持ちいいと思う程度に押す力を調整してみて。深呼吸しながら20-30秒。


おすすめトレーニングはウォーキング

有酸素運動は代謝を上げ、経血が出るのを助けてくれる。だけどこの時期は血液が不足しがちなため、激しい運動をすると貧血になりやすい。軽い強度で代謝を上げてくれるウォーキングは生理中にピッタリ。

卵胞期、排卵期(10日間)におすすめのトレーニング&ケア

卵胞期には卵巣で卵子を成長させ、排卵期には成長した卵子を妊娠のために子宮に排出する。この時期が一番体調が良くアクティブに動ける時期なので、ダイエットしたい時にオススメ。

ここでは骨盤周りを強化して基礎体力を作ろう。特に内転筋、腸腰筋、大臀筋のトレーニングをしっかりと行うと卵巣や子宮に血液が行きやすくなり、女性ホルモンが整いPMS症状や生理痛の軽減に繋がる。

おすすめのトレーニング①ヒップブリッジ[内転筋トレーニング]
woman in sportswear doing hip bridge exercise
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「お尻のトレーニングとしてよく出てくる種目ですが、工夫すると内転筋のトレーニングに変化します。内転筋は内臓系と深く関係しており、強化することで内臓を働きやすくする効果が期待できます。また内転筋がしっかり強化されると、太ももを細く見せる効果があります」

1. 仰向けでヒザを立てる。

2. 足同士、ヒザ同士をピタッとくっ付けて、できるだけ内ももにスペースを無くそう。

3. ピタッとくっ付けたままゆっくりお尻を上げる。

4. 上げ切ったらゆっくりと床スレスレまで下げる。

    大切なのはヒザ同士を絶対に離れないこと! 20回 x 3セットを目安に行おう。

    おすすめのトレーニング②スタンディングニーリフト[腸腰筋トレーニング]

    「太ももの付け根にある腸腰筋は、日常生活ではあまり使われない筋肉ですが、卵巣に近い筋肉で、活性化すれば卵巣にも血液が行きやすくなります」

    1. 腰幅で立った状態で骨盤に手を当てる。

    2. 片足をゆっくりと浮かせ太ももと下腹部を限界まで近づける。

    3. ゆっくり降ろし床スレスレのところまで来たらまた上げよう

      必ず骨盤が動かないよう手で抑えキープすること。20回 x 3セットを目安に。


      おすすめのトレーニング③ワイドスクワット
      [大臀筋トレーニング]

      「大臀筋はヒップアップだけでなく骨盤周辺の代謝にも関わります。お尻を触った時に冷たい人は、日頃からお尻が使えておらず無駄なお肉がつきやすい状態なので、特に頑張りましょう!」

      ワイドスクワット
      Deagreez//Getty Images

      1. 足を肩幅の1.5倍に広げる。

      2. つま先は八の字にするようにガニ股に。

      3. お尻の穴を下に突き刺すように沈む。

      4. お尻に力を感じたらお尻を締めながらゆっくり上がる。

        沈んだ際は必ずかかとに体重を乗せ、ヒザはつま先と同じ方向に向けよう。胸を開きながら肩を下げると更に大臀筋が働きやすくなる。

        黄体期におすすめのトレーニング&ケア

        生理前の12〜14日間。経血を子宮に溜め込み赤ちゃんのふかふかベットを作る仮妊娠時期。PMS症状(月経前症候群)が出る時期なので、ここでは様々な症状を抑える対症療法を行おう。


        おすすめセルフケアは40度前後の湯船に浸かること
        young woman relaxing in bathtub
        PhotoAlto/Frederic Cirou//Getty Images

        この時期は子宮と卵巣が疲労しやすく自律神経が乱れやすい時期。湯船に使って体を温めることで背骨周辺にある自律神経を整えつつ、血行が良くなり子宮や卵巣の動きを助けてくれる。

        特にイライラしやすい、むくむ、眠気が強くなるといった症状に効果が高い。

        おすすめのトレーニングはワイドスクワット1分キープ

        「上記でも紹介しましたがそのワイドスクワットを応用します。足を広げ沈み込んだ状態で1分間キープしてから上がるという動作を、2〜3回繰り返します。踏ん張った状態をキープすることによって血液の流れを良くし、子宮と卵巣に栄養を送ると共に温める効果もあります。筋肉への神経伝達が遅れる時期なので、激しい運動は怪我のリスクが上がるので避けましょう」


        「今回ご紹介したトレーニングやケア方法は、他のタイミングで行っても効果が期待できますが、月経周期に合わせて行えば、大きな効果を発揮します。また、周期が数日くらいであればズレても心配する必要はないのでご安心ください。効率良く美しさを手に入れましょう!」

        Headshot of Tak(鈴木拓矢)
        Tak(鈴木拓矢)
        女性ホルモンを整えるパーソナルトレーナー

        スポーツ系専門学校卒業後フリーランスで活動し始め、トレーニング指導歴10年以上。また、スカウトされ海外のライフスタイル情報誌、ファッションモデルも経験。現在はフリーランスのトレーナーとして活動中。得意分野は女性の月経周期や更年期に合わせたQOL向上とボディメイク。 インスタグラム:@tak.trainer