ヨガはサンスクリット語で「繋がり」。6月21日の国際ヨガデーは、自分と、誰かと、世界と繋がる時間をつくってみてはどうだろう。モデルとして活動しながらヨガインストラクターでもある池田莉子さんは、コロナ禍によってヨガイベントが軒並み中止になる中、“とにかく楽しいヨガ”をオンラインで伝え、人との繋がりを持つことで心の健康を保っているという。ヨガとお茶、アロマ、音楽など、自身の好きなことを掛け合わせた自由で新感覚な彼女のスタイルは、一体どう生まれているのだろうか。

常に新しいことに挑戦したい

5歳で新体操を始め、青春時代をスポーツに捧げてきた池田さん。15歳の時に負った膝の怪我で手術となり、それから松葉杖生活が半年間続いた。その後、体の筋肉バランスが崩れ、歩行さえも困難に。周囲に勧められ、リハビリのために始めたヨガは、当時池田さんの心と体に大きな変化をもたらしたそう。

「ヨガはまず呼吸を整えるところから始まります。呼吸は日々自然としていること。だから、新体操をしている頃は、その時間をわざわざ作るという意識には至らなかった。少しでも時間があるなら柔軟性を上げなきゃって、ずっと何かに追われていたので。ヨガに出合い、心と体が一体となって整う感覚を味わったとき、私はこれを人に伝えたいと思いました」

ヨガは体の柔軟性がなければできない、スポーツ経験がないと難しいという印象を持っている人も少なくないはず。そうしたイメージを変え、“ヨガは楽しい”という体験を提供し、ヨガへの入口を広げることが自身の使命だという彼女は、「誰も置いていかないヨガ」をモットーにしている。しかし昨年3月、コロナの影響で外出自粛要請が発令されると多くのヨガイベントがキャンセルに。人と繋がる機会が得られず、ショックを隠しきれなかったという。

池田莉子 ヨガ

「年に一度、地方のイベントでしか会えない方もいて、楽しみにしてくれていたのを知っていた分申し訳なくなりました。すぐに気持ちを伝えたくて、インスタライブでヨガを配信すると、『ありがとう』とか『また来年会おう』とか、想像以上に前向きな言葉で溢れていて。スクリーン越しでも、リアルなイベント同様に、パワーの交換ができると気づけましたね。自分をハッピーにさせてくれるものはたくさんあるけれど、ヨガで人と繋がることが私の大事な軸だと再確認できました」

これまでもレコードをかけながら、歌を歌いながらヨガをしたり、「お茶ヨガ」と名付けセッション後に抹茶を点てるなど、自由なスタイルをSNSやイベントで発信してきた池田さん。枠にはまらない発想はどこから生まれているのだろうか。

「ヨガは、“こうじゃなきゃいけない”ってことはないと思っています。好きなことをやりながらでもよくて、まずは楽しいと体感することが、ヨガを始めるきっかけになるはず。『お茶ヨガ』は私の生まれ育った大阪府堺市が千利休の出身地なので、昔からお茶に馴染みがあり、ヨガと組み合わせてみようと始めました。オンラインだからお茶の味も香りも伝わらないと当初は躊躇していたけど、伝わらないから諦めるとか、そういう考えはもうやめようと(笑)。常に新しいことに挑戦していたいし、楽しさが伝わることが一番大切だから」

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
型にはまらないヨガを伝え続け、自分と向き合う|池田莉子| Women's Health JP
型にはまらないヨガを伝え続け、自分と向き合う|池田莉子| Women's Health JP thumnail
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直感を信じて、自由に着こなすウェア

スポーツウェアを取り入れたモードな私服も池田さんの魅力。「スタイルが悪く見えるものは絶対に着ない」というこだわりを持っており、この日もワンピースに「ナイキ×マリーン セル」のボディスーツを合わせた、メリハリのある着こなしを見せてくれた。

池田莉子

「上下スポーツウェアにジャケットを羽織ったり、ヒールを合わせたり、体のラインが綺麗に見えるようにトップスの形を変えてみたり、自由にアレンジを加えるのが好きです。祖母が呉服屋を営んでいたので、昔から着物や和小物を日常的に取り入れる習慣があって。でも普通じゃつまらないから、帯紐をチョーカー代わりにしてヨガウェアとコーディネートしたこともあります。伝統文化に敬意を払いつつ、『こうしてみたら面白いかも』と思ったら、まずは取り入れてみます。私のヨガのスタイルにも共通するのですが、何か枠にはまると窮屈になるから、直感でいいと感じたものは斬新でも、やる。そういう人が1人くらいいてもいいですよね」

ワンピース ¥19,250/V::room ほか本人私物

こだわりをいつか形にしたい

池田さんのヨガウェアへのこだわりは強く、着圧は弱めかつ伸縮性と肌触りがいいものを選ぶようにしている。

「ヨガのポーズは体を伸ばして曲げて、を繰り返すので、伸びが良くても縮まらない素材は、身につけていて気持ちが悪いと感じます。質感も、前屈した時に自分の脚を触って、心地いいと思えるさらっとしたものが好き。でも木のポーズをするとき、足が滑らない程度に引っかかりは欲しいとか、かなりうるさい方だと思います。だからこそいつかは自分のスポーツウェアブランドを持って、そういうこだわりを集約したモノを作りたいです」

ヨガウェア

池田さんの愛用する「ナイキ」のウェアは、デザイン性が高く、サステナブルな素材が多いようだ。ギンガムチェックのブラトップ(写真右上)は、リサイクルポリエステル繊維を75%以上使用。私服にも取り入れやすい形と柄がお気に入りだとか。ショートタイツ(写真右下)は締め付けすぎない着圧感なので運動時だけでなく、リラックスしたい日にも快適。こちらもリサイクル繊維を50%以上配合したエコ素材。「鍛錬」とプリントされたブラックのウェア(写真左)は、今年5月に発売された「ナイキ」とデザイナーであるマシュー・M・ウィリアムズのコラボレーションアイテム。こうしたエッジの効いたウェアをデイリーに取り入れる着こなしも得意な池田さんのインスタグラムでは、自身のスタイリングを投稿しているので参考になりそうだ。

(すべて本人私物)

スポーツウェアとも相性抜群
emmiロゴビックTワンピース
emmiロゴビックTワンピース
ウィメンズヘルスショップでチェック

ビッグTシャツとスカート部分に軽い素材をドッキングさせた、アクティブモードなカットソーワンピース。スカート部分と同じ素材で作られた付属のバッグは、肩に掛けたり、ウエストにも巻ける便利なアイテム。スマホやカードを入れて身軽にお出かけしたくなる。

リブニットワンピース
emmi リブニットワンピース

優しい肌触りのオーガニックコットン糸を使用した、エミの定番人気のランダムリブワンピース。今回はリブの太さを袖、身頃、裾の3段階で変えて、スタイルアップ・痩せ見えにこだわった仕上がり。大人っぽくシンプルでありながら、ヘム部分のピッチを変えたリブ地でメリハリアップ。

ダンボールニットショルダースラッシュワンピース
NERGY ダンボールニットショルダースラッシュワンピース

モチモチした柔らかな素材が魅力のダンボールニットワンピース。肩部分がファスナーで開閉できるようになっており、程よい肌見せで一枚で女性らしくヘルシーな印象へ。ゆったりとしたシルエットの為、体型をひろいにくく、すっきりと着られるのがポイント。

デイリーにも着られるヨガウェア
ウィメンズ クロップド ギンガム タンクトップ
ナイキ ウィメンズ クロップド ギンガム タンクトップ
¥4,950
Credit: NIKE

快適な着心地、高いデザイン性で、普段着にも取り入れやすいナイキのクロップトップ。柔らかくサポート性に富んだシェルフブラを内蔵、さらに速乾性にも優れているので、ヨガ中も集中力が続く。リサイクルポリエステル繊維を75%以上使用。

ウィメンズ 18cm プリンテッド ショートパンツ
ナイキ ウィメンズ 18cm プリンテッド ショートパンツ
¥6,050
Credit: NIKE

スカイダイプリントのショートタイツは、ビッグサイズのトップス等と合わせてタウンユースにも◎。透けない素材を使用しているので、安心して着用できる。ミッドライズのウエストバンドには隠しポケットを2つ備えており、使い心地も抜群。 

ヨガレギンス ジプシーホーン
Linda Works ヨガレギンス ジプシーホーン
¥8,690

カラフルなプリントが目を引くヨガレギンス。高い伸縮性で締め付け感のない優しい着心地が、さまざまなワークアウトシーンをサポート。素材には生分解性のあるナイロンを使用。UPF80+で紫外線対策も。

photo: E-WAX Text: Sawako Motegi

Headshot of Chie Arakawa
Chie Arakawa
ウィメンズヘルス・シニアエディター

タレント・アスリートインタビュー・スポーツファッション・ウェルネス記事などを担当。女性誌FRaUでファッション・スポーツ・ダイエットなどの編集キャリアを積み、その後スポーツライフスタイルマガジンonyourmarkのプロデューサーとして在籍後、2022年までウィメンズヘルス編集部に在籍。