秋から春先にかけて大会の数が増えるマラソンは、今まさにオンシーズン! 先日12月3日に「湘南国際マラソン」が開催され、来年3月は「東京マラソン」など大きなレースが待ち構えているけど、初めてエントリーする人は不安も大きいはず。

「何を持っていったらいい?」「会場の雰囲気はどんな感じ?」など本番に向けて知っておきたい情報を、名古屋ウィメンズマラソンなど数々の大会でペーサーとして活躍するランナーの村岡温子さんに聞いた。

レース本番までもうすぐ! 何を準備しておけばいい?

inline skate
CSA Images//Getty Images

日々練習を重ねることはもちろん大事だけど、安心して本番を迎えるためには練習以外に気をつけておきたいことが多々あると村岡さんは言う。【1ヵ月前】、【1週間前】、【前日】に分けて準備すべきことや注意点を紹介(「」村岡さん)。

【1ヵ月前】相棒シューズを決めて履きならそう!

「最低本番1か月前までには、レース本番で履くシューズは決めておきたいですね。練習の中で履き慣らしていきましょう。練習距離としては、距離走(できれば30km走)は遅くとも1か月前にはチャレンジできていると安心です。レース直前に行うとケガのリスクがあるのでおすすめできません」

【1週間前】いつも通りの練習メニューをこなして、体調管理を抜かりなく

1週間前はいつも通りの練習メニューをしっかりこなすことが大切。例えば、週2回走っていたらそのペースを崩さないようにしましょう。。無理に増やしてしまっても疲労が溜まりやすいので注意してください。あとは何といっても、体調管理はしっかりと行いましょう。お風呂にしっかりと浸かったり、睡眠時間をたっぷりとって体調を崩さないようにすることが大事です」

【前日】高タンパク、炭水化物多めな食事で準備万端

「よく寝てよく食べることが大切です。高タンパク質、炭水化物を中心によく食べましょう。定食や丼、パスタもおすすめですが、生ものや揚げ物は控えてください

地方の大会だとご当地メニューを食べて、気合いを入れるのもいいですね。例えば、名古屋ウィメンズマラソンだと、栄養価の高いうなぎが食べられる名物の『ひつまぶし』がおすすめです。

また、レース当日の朝に慌てないよう、前日の夜のうちに荷物の準備はしておきましょう。寝る時はレースの良いイメージをもって眠りについてくださいね」

レース当日! 服装や準備物、食べるべきものは?

peeled and unpeeled bananas on blue background
Malte Mueller//Getty Images

ついにレース当日! ドキドキが最高潮に。緊張を少しでも落ち着かせるためには、正しい知識を身につけておこう。

【朝ごはん】レース3~4時間前はおにぎり、1時間前にはバナナやカステラを

大会スタートの3~4時間前には朝食を終わらせましょう。おにぎりうどんがおすすめです。大会当日の朝、コンビニなどでおにぎりを買おうとすると、他の参加者も購入して売り切れている可能性があるので、前日のうちに購入しておくと安心でしょう。

スタート1時間前には、より消化の良いバナナカステラゼリースポーツようかんなどでエネルギー補給を」

【服装】キャップはマスト! カッパが体温調節に便利

キャップは日焼け予防にも急な雨が降ってきたときにも活躍するので被ったほうがベター。スマホなどの収納には、腰に巻いて使うフリップベルトがおすすめ。ウエストポーチより揺れないので走っているときのストレスが少なく済みます。体温管理には、着脱しやすいアームウォーマーが重宝しますよ。

あとは、寒い時期のレースではスタート直前までカッパを羽織っておくのがおすすめ。スタートするまでに30分くらい待つこともあるので、100円ショップなどで売っている薄いタイプのものを羽織ってスタート前に脱ぐと体が冷えづらいです。スタートにはごみ箱が置いてあることが多いので、スタートの前に捨てることもできます。雨じゃなくても3~4割の方が着ているイメージですね」

【レース中の栄養補給】エナジージェルは4~5個、ドリンクボトルは基本なしでOK

「ランナーの栄養補給に欠かせないエナジージェルはフルマラソンだと4~5個あるといいでしょう。ジェルは味にクセがあるので、前もって食べておくと当日もスムーズに栄養補給できます。私のおすすめはマグオンのレモン味。味が濃くてドロッとしている商品が多いジェルですが、マグオンは比較的サラッとしていて飲みやすいですし、その中でもスッキリしているレモン味はカフェインが入っているので集中力が切れやすいマラソン後半におすすめです。

マグオン(Mag-on) Mag-on (マグオン) エナジージェル お試し 各フレーバー1 計5個セット

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あとはメダリストもおすすめ。飲みやすくて、リンゴやぶどうなど身近な味が多いので初めての口にする方も受け入れやすいと思います。こちらもカフェイン入りのジェルは後半に食べるのがよいでしょう。メーカーによっては、フルマラソン用のセットも売っていて走行距離に合わせてその時に適したジェルを取り入れることができます。

メダリスト 【MEDALIST】メダリスト エネルギージェルおためし3味 各3ケ 計9袋セット

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大会によってはマイボトルが必須なところもありますが、基本的には給水が十分にあるので、ボトルを持ち歩かなくてもOK

【栄養補給のタイミング】エナジージェルは10kmごとに、エイドはその間に摂って

ジェルは10kmごと1つ摂ることがおすすめ。その間の5、15、25km地点でエイドにて栄養補給するのがいいでしょう。エイドでは、大会によって異なりますが、ゼリーやバナナ、あんぱん、一口ようかんなどが用意されています。でも、パンは口の中の水分をとても取られるので食べ過ぎには注意」

会場でトラブル発生! こんなときはどうしたらいい?

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CSA Images//Getty Images

【トラブル①】「トイレに行きたくなった……」

トイレは我慢せずになるべく早めに行くようにしましょう。フルマラソンではサブ3以上(3時間以内に完走)を目指す人でない限り、ほとんどのランナーがトイレを利用するので安心して立ち寄ってOKです。場所によっては行列ができることもあるので混み具合をみて、空いているところに行きましょう。場所によって、コンビニの中にあるものや駐車場にあるものなどバラバラですが、なるべくランニングロードから奥まっていないところだとレースのタイムに支障が出ないので安心です。

【トラブル②】「ペーサーが見つからない!」

「大会の公式ペーサーは、ビブスにペーサーと書いてあったり、ゼッケンや風船をつけています。でもなかなか見つけられないことも。なぜかというと、ペーサーの周りはすごい集団になっているので、ペーサーが見えないことがあるんです。集団に近づきすぎると、接触したり転んでしまうこともあるので注意してください。また、給水のタイミングも同じなのでエイドが混みあって遅れてしまうことも。なので、あまり公式のペーサーにはあまり固執せずに進んでいきましょう。

もちろん、一般のかたであなたと合うペースを保てているかたがいればその人についていくのもおすすめです」

【トラブル③】「脚が痛くなってきた……」

「無理せず止まって、徐々にペースを落としながら路肩に寄りましょう。足がつったのであれば、自分で脚を延ばしてケアを。もしそれでも良くならなかったり、痛みが強いようであれば『ドクターランナー』が何名か走っていますので、手を挙げて止まってもらい診てもらいましょう。『ドクターランナー』もペーサーと同じようにゼッケンなどに『ドクター』と書いてあります。足の具合が良くなったら走りだして大丈夫ですが、それでも痛い場合は棄権も考えてください」

【トラブル④】「生理と被ってしまった」

「タンポンを使えるならタンポンがおすすめ。でもタンポンが苦手な人はナプキンを2枚くらい準備しておくと安心です。トイレに立ち寄った際に変えましょう。あとはナプキンで肌が擦れてしまうこともあるので、ワセリンを生地と接触する肌に塗っておくと痛みが出づらいのでやってみてください。ウェアはショートパンツよりも、肌との密着度が高いタイツのほうが安心感があるのでおすすめです」

村岡さんからレースを控えるかたへ

「本番の後は、お風呂にしっかり浸かってください。血行をよくする温冷浴がおすすめ。温冷浴を3~4回繰り返すと、次の日の疲労感が全然違います。あとはマラソンはすごくカロリーを消費するのでタンパク質多めの食事を摂ってくださいね。

マラソンの練習も大会もしんどいけど、走ってきた分は裏切らないですし、終わったらしんどかったけどまたやりたいなっていう気持ちになると思うので、やってきたことを信じて、自信を持ってスタートラインに立ってください! みなさんのレース、応援してます!」

お話を伺ったのは……

村岡温子
村岡温子さん

村岡温子(むらおか・あつこ)さん

高校時代は須磨学園高で全国高校駅伝優勝。卒業後、実業団では資生堂、スターツに所属。現在はマラソン大会のペーサーや市民ランナーとしてレースを楽しんでいる。

Headshot of Yumi Kobayashi
Yumi Kobayashi
エディター

 生活雑貨やコスメなどの記事編集の経験を積み、2023年5月から「ウィメンズヘルス」に参加。コスメやアロマテラピーの資格を持ち、正しい知識を伝えることを目標に日々勉強中。フードやサスティナブルな分野に興味があり、週2日のノーミートデーを実践するなど日常生活でのアウトプットを心掛けている。学生時代はラクロスとソフトテニスに没頭、今は漫画に影響されバスケにハマり中。休日はキャンプやフェス、山登りなどアウトドア派。