ここ数年、野菜売り場で他の野菜たちを圧倒し、主役級の存在感を放っている野菜がある――こう聞いて、ケールやさつまいもを思い浮かべた人もいるかもしれないが、実はその主役とは、カリフラワーのこと。

もしあなたが、最近カリフラワーを食べ過ぎているなと思ったなら、それは決して悪いことではない。カリフラワーは、ブロッコリーやキャベツ、芽キャベツと同じように扱われてきたが、低炭水化物&低カロリーなだけでなく、使い勝手も非常によく、いっそう人気を集めている。

カリフラワーには、白だけでなく緑、紫などさまざまな種類があるが、どのタイプでも従来の食材に代わる魅力的な食材として注目されており、最近では、カリフラワーライスやピザ生地、マカロニ&チーズ、サンクスギビングのスタッフィングなど、あらゆる料理の材料として頻繁に使用されるようになった。

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またカリフラワーは、炭水化物やカロリーを控えたい人にとって極めてヘルシーな食材であるというだけではない。実は、がんを含む特定の病気のリスクを低減することで知られる、植物性化合物の優れた供給源でもある。

ここでは、カリフラワーが持つ素晴らしいメリットと栄養について、登録栄養士に解説してもらった。

カリフラワーを食べるとどんな栄養が摂れる?

NYの登録栄養士でブログ『The Full Helping』の著者でもあるジェナ・ハムショーさんは、「カリフラワーには、食物繊維、ビタミンC、ビタミンK、ビタミンB6、葉酸などの栄養素が豊富に含まれています」「さらに、カリフラワーは比較的カロリーが低く、水分を多く含んでいます」と説明する。

米国農務省(USDA)のデータによると、カリフラワー1個に含まれるカロリーはおよそ146キロカロリーで、炭水化物は29グラム、脂質は1.6グラム、食物繊維は12グラム、糖質は11グラム、タンパク質は11グラム、ナトリウムは176ミリグラムとなっている。

もちろん、調理方法や一緒に使う食材によってこの値は異なるが、カリフラワーはどんな食事に加えても、素晴らしい栄養源となる。

カリフラワーを食べるとどんなメリットがある?

カリフラワーには、体に必要な栄養素を補ってくれることや、幅広い調理方法があることなど、多くのメリットがある。以下で、カリフラワーを食べることで得られる9つのメリットをチェック。

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1. 食物繊維が豊富

食物繊維は、どんなタイプの食事をしている人にも必要な栄養素で、健康全般に役立つことは広く知られているとおり。幸運にもカリフラワーには特に食物繊維が多く含まれており、カリフラワー1カップで1日に必要な食物繊維の10%を摂取することができるという。

また、心臓病や糖尿病を含むさまざまな病気のリスクを低減することでも知られている。定期的に食べることで、誰もが望んでいる消化器系や心臓の健康も促進されるとジェナさんは言う。

2. コリンの供給源になる

ジェナさんは「コリンは神経系の機能や代謝に関与する栄養素で、コリンを十分に摂取することで、記憶機能の向上が見込める可能性があります」と指摘する。

コリンが含まれる食品は比較的少なく、多くの人がコリンの摂取量が足りていない状態だが、カリフラワー1カップには1日に必要なコリンの約11%が含まれているそう。

3. 免疫力を高める

ここ数年、世界中で新型コロナウイルスが蔓延し、免疫力が注目されるなか、ビタミンCがホットな話題になっているのには理由がある。

ジェナさんによると、抗酸化物質であるビタミンCは、抗炎症作用や免疫機能を高める作用でよく知られており、カリフラワーには豊富に含まれているそう。

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4. ビタミンKが豊富

他のビタミンと比べると馴染みが薄いかもしれないが、ビタミンKも重要な栄養素。脂溶性ビタミンであるこのビタミンKは、骨の代謝や、血中カルシウム濃度の調整、血液凝固などに欠かせない役割を果たしているため、あらゆる種類の怪我から体を回復させてくれる。

カリフラワーには1日に必要なビタミンKの約20%が含まれているので、食べることによる体へのメリットは大きい。

5. 減量にも役立つ

カリフラワーは1カップでわずか25キロカロリーなので、減量したい人にはもってこいの食材。また食物繊維も豊富なので、消化を遅らせたり、満腹感を持続させたりする働きがある。

水分も非常に多く、カリフラワーは重量の92%が水分となっているため、体内の水分補給に役立ち、適切な食事に加えれば、減量を促すことができる。

6. がんのリスクを低減する

ジェナさんによると「カリフラワーには、がんを含む慢性疾患の予防に関連する植物性栄養素(植物に含まれる化合物)が含まれています」とのこと。

カリフラワーには、グルコシノレートとイソチオシアネートという抗酸化物質が多く含まれているが、この2つは、がんを抑制し、特に乳がん、結腸がん、肺がん、前立腺がんを予防することが示されている。

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7. 必要な栄養素をほぼすべて含んでいる

ひとつで体に必要な栄養素をほぼすべてカバーできる食品はなかなか珍しいが、カリフラワーはまさにそれを満たすヘルシーフード。

ビタミンB、C、Kのほか、葉酸やカリウム、マグネシウム、リンなど、健康を維持するために必要なすべてのミネラルが豊富に含まれている。

8. 穀物のかわりになる

低炭水化物ダイエットを実践していて、穀類をもっと減らしたいと思っている人にも、単に野菜の摂取量を増やしたいと思っている人にも、カリフラワーはおすすめ。

炭水化物の量は米のおよそ9分の1で、ビタミンやその他の栄養素が豊富に含まれているため、従来の穀物に代わる優れた食材として活用できる。

カリフラワーライスやカリフラワーをベースにしたパスタなどは、最近スーパーマーケットでも簡単に入手できるようになっているし、カリフラワーピザやカリフラワーマッシュ、カリフラワートルティーヤなどのレシピに挑戦してみるのも◎。

9. さまざまな料理に使える

「前述のメリットに加えて、カリフラワーは万能で、満足感もあり、非常に幅広いレシピに使うことができ、特にプラントベースの料理では重宝します」「ステーキやディップ、マッシュなどに加工することができます。ソテーもよし、まるごとグリルもよし、ピューレにしてパスタソースにしてもよし、可能性は無限大です」とジェナさんは言う。

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生はもちろんのこと、加熱してもおいしく食べられるので、その日の気分に応じてさまざまな調理法を楽しんでみて!

※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。

Translation: Masayo Fukaya From Women's Health

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Gabby Shacknai

Gabby Shacknai is a New York-based journalist and editor who produces high-quality content for a wide variety of outlets and brands across various industries.