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抹茶ラテ、霊芝チョコレートミルク、アシュワガンダパウダーに共通するのは? これらは全部、現在大流行中の「アダプトゲン」食品。

アダプトゲンとは?

  • 流行中のアダプトゲン系サプリメントおよび食品の健康促進効果を世間一般が信じている。
  • ぎんなんや抹茶と同様、これらの食品は、体が慢性的なストレスの影響に対処するのを助けてくれるそう。
  • 睡眠の改善、活力の増加、免疫システムの強化といった健康上の利益があるらしい。
  • 専門家は、さらなる研究の必要性、そして期待される効果を副作用が上回る可能性を指摘している。

インスタグラムのインフルエンサーたちは、アダプトゲン系のサプリメントや飲み物が大好きだけれど、意外なことにアダプトゲンは、それほど新しいものじゃない。2010年に行われた薬学研究誌の考察結果によると、アダプトゲンの名を最初に広めたのは一人の毒物学者。体がストレスに適応し、対処するのを助ける植物であるアダプトゲンを、1950年代から1960年代にかけて西洋医学に取り入れた。

その一方で、アーユルヴェーダ医学や中国医学の医師たちは、今でいうアダプトゲン系ハーブを何世紀にもわたり使用してきた。

アダプトゲンの働き

少し話を戻そう。米国フィラデルフィアでMNC Nutritionを経営する食事療法士で公認スポーツ栄養士のマージョリー・ノーラン・コーンによると、ストレス因子(不安や痛み)が現れると、それに耐えようと体は即時型ホルモン反応を起こす。例えば、コレステロールの分泌。これが心臓の鼓動を速くして、体に更なるエネルギーを供給する。

正常量のストレス(およびそれに続くストレスホルモン)であれば、体は応答システムを調節し、すべてを抑制できる。しかし、ストレスを感じる状況と、それに伴うホルモンの急上昇が絶え間なく続くと、そのストレスを何とかするはずの体の能力がひどく損なわれる。

長期的で慢性的なストレスは、あなたの健康にかなり深刻な被害をもたらす。ストレスは、頭痛から胃腸障害まで、ありとあらゆる問題につながっている。お腹周りに脂肪が付きやすくなるし、心臓病やがんといった炎症系疾患のリスクも高くなる。だから、そのようなストレスに体が対処するのを助ける方法を見つけることが非常に重要。

ここで登場するのがアダプトゲン。「アダプトゲン系ハーブには、中枢神経系を調節する力があるかもしれない。これにより、免疫力を高める全身性の健康促進効果が得られる可能性がある」 とコーンは語る。

基本的に、この理論は、特定の薬用植物(別名アダプトゲン)がストレス時における “非特異的抵抗性” を高めるというもの。簡単に言えば、このようなハーブを食べれば、身体的、化学的、生物学的、精神的なストレス因子に対する体の回復力が高まるだろうということ。

コーンによれば、アダプトゲンには “二方向性効果” がある、つまり、アダプトゲンは個人のニーズに適応して健全なホルモン濃度を取り戻すことを指摘する研究結果があるという。

例えば、エストロゲンの濃度を調節することで知られるアダプトゲンを摂取するとしよう。あなたの体内のエストロゲン濃度が高過ぎれば、アダプトゲンは濃度を下げる。エストロゲン濃度が低過ぎれば、アダプトゲンは濃度を上げる、ということらしい。

一般的なアダプトゲン系ハーブ

アダプトゲン系ハーブにはさまざまな種類があり、体内のホルモンおよび人生のストレス因子に対するホルモン反応に、それぞれが独特な影響を与える。米国栄養士学会の広報で管理栄養士のマーシャ・デイヴィスが、最も人気のあるアダプトゲン系ハーブと、そこに宿る噂の効力を教えてくれた。

  • アシュワガンダ: 活力の向上、免疫システムの強化、甲状腺機能と血糖値の改善
  • アストラガルス: 免疫システムの強化
  • 朝鮮人参: 活力、持久力、精神的な認識力の向上。受胎能力の改善や月経周期の調整にも取り入れられている
  • 甘草: 副腎に効果があり、炎症を緩和する
  • 抹茶: 活力、ムード、記憶力の向上
  • 霊芝: 疲労と戦い、睡眠障害を改善し、消化を助ける

でも、本当に効果的なの?

今のところ、その答えは強めのたぶん。

「朝鮮人参は最も広く知られ、よく研究されているアダプトゲン系ハーブ」 と語るのは、ニューヨークシティの内科医で米国糖尿病医学会認定の専門医、アレクサンドラ・ゾーヴァ医学博士。「アシュワガンダは、不安を和らげ、体内の炎症全般や体重の増加に関連するホルモンのコルチゾールを減らすことが証明されている。甘草も体脂肪を減らすことが証明されているけれど、それは少人数の患者を対象とした実験結果」

ゾーヴァ博士によると、これらの研究文献の多くは、実際の人間ではなく動物実験や個別細胞をベースにしている。よって、説得力のある研究結果とはいえ、アダプトゲンを出来る限りストックするほど決定的とは言えない。

「アダプトゲン系ハーブは、場合によってはかなり有益になり得るのでは」 とデイヴィスは補足する。「でも、不安障害や慢性的なストレスを抱えているなら、専門的な治療をハーブで置き替えることは不可能」。ゾーヴァ博士いわく、加工食品の摂取、睡眠不足、運動不足といった炎症要因が多い生活習慣もハーブでは補えない。

アダプトゲンは安全なの?

今日、アダプトゲン系ハーブは至る所で手に入る。ピル、パウダー、チンキの形で売られていたり、コーヒーやホットチョコレート、焼き菓子などの食品に入っていたり。

でも、他のハーブ系サプリメントと同じく、アダプトゲン系サプリメントも(薬のようなインパクトを体に与える可能性があるにも関わらず)薬品として厳しく管理されているわけではないことを分かっておいて。商品に書かれている成分が実際に入っていることを確かめるのはアナタ。アメリカであればNSFのような第三者機関の検査証が付いた商品を探して。その商品にはラベルに記載された成分が実際に入っており、いかがわしい成分や非合法の成分が含まれていないことを、独立の研究所が確認したことを示している。

ソーヴァ博士はまた、試してみたいアダプトゲン系サプリメントをかかりつけの医師(または管理栄養士)に見せ、飲む前にゴーサインをもらうことを勧めている。

また、「“オールナチュラル” と書いてあるからといって、大きな生物学的作用や他の薬との相互作用が絶対ないことにはならない」そう。例えば米シカゴ大学によると、朝鮮人参には、一般的な血液希釈剤(抗凝固剤)であるワルファリンの効果を帳消しにする可能性があることを数々の研究が証明している。薬理学研究誌Frontiers in Pharmacologyは、甘草にも、不整脈などの心臓障害を治療するジゴキシンなどの薬を体が処理する方法を変える可能性があることを報じている。

コーンは、適したハーブを適した量で飲まなければ、アダプトゲンは不快な副作用(腹痛や睡眠障害)を引き起こしたり、そのハーブで改善しようと思っていた症状が悪化したりすることもあると付け加えている。デイヴィスによれば、妊娠中の女性に対する安全性も専門家には分かっていない。

結論: 流行りに乗ってアダプトゲンを飲む前に、かかりつけの医師に相談しよう。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: K. Aleisha Fetters C.S.C.S. Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images