もっと肉&魚を摂るべき! 注目の人気栄養士が語る「タンパク質の誤解とプロテイン選びの正解」

09 October 2018

もっと肉&魚を摂るべき! 注目の人気栄養士が語る「タンパク質の誤解とプロテイン選びの正解」

「肉は太りそう」「魚は面倒くさい」と、いまだにタンパク質を避ける人が多いという。しかし、実は私たち女性にとって、しっかりと摂るべき栄養素の一つが、タンパク質。一方で体を動かしているからと、むやみにプロテインを摂る人も。どちらも極端すぎる話。そこで、運動好きで商品開発にも携わる、注目の管理栄養士の浅野まみこさんにタンパク質の摂り入れ方と現状について話を伺った。タンパク質の最前線に、ようこそ!

浅野まみこさん

管理栄養士 浅野まみこさん

総合病院、女性クリニック、企業カウンセリングにおいて糖尿病の行動変容理論をベースに栄養相談を行う。現在は食育活動やレシピ開発、食のコンサルティングをはじめ講演、イベントなど多方面で活躍中。銀座の飲食店のヘルシーメニューの考案やNHK「おはよう日本」、フジテレビ「バイキング」など、メディアや雑誌に多数出演。「食生活が楽しいと人生が100倍楽しい!」をモットーに活動をしている。『「コンビニ食・外食」で健康になる方法』(草思社)。『血糖値あがらないのはどっち?』(共著、アスコム)など著書多数。近著に『旨味あふれる! 極上の鶏肉料理』『免疫力アップと疲労回復の食習慣』(共にタツミムック)がある。 http://e-vita.jp/ ■Instagram @asanogohans  @mamikoasano.foodie ■Twitter https://twitter.com/eiyoushi_mami ■Blog https://ameblo.jp/evita/

「確かにタンパク質はカロリー量があり、1グラムあたり4キロカロリーです。ですがタンパク質の摂取量は、むしろ不足している方が問題のように思います。肉で太ると感じている方は、タンパク質ではなく、肉自体や調理で増える油脂の問題を考える必要があります」と語るのはテレビ番組や雑誌でもおなじみの、人気管理栄養士の浅野まみこさん。

「私のクライアントの中でシニアの方を見ると、炭水化物もタンパク質も不足しているケースが多いですね。肉や魚をしっかりと食べることをアドバイスすることも多々あります。それが最近では、20代でも見受けられるようになったと思います」

ダイエットしたいからまずは食事を抜く、カロリーが高そうな肉や魚は摂らない、と間違ったダイエット知識でタンパク質が不足してしまうことも。

「一日に体重(キログラム)あたり、1グラムのタンパク質量が必要とされています。体重50キロの女性であれば、50グラムが必要になる計算です。これは、肉や魚の重量ではなくて、中に含まれるタンパク質量です。つまり、実際にはもっと摂取が必要になります。これを摂るのはなかなか大変ですよ」と、浅野さん。「卵なら約6個、納豆なら約7~8パック、鶏の胸肉で約300グラムに相当します」

この量を一日のどこかで摂るにはタイミングがないと難しい、と浅野さんは言う。クリアするには食材別のタンパク質の特性を知ることと、三食に分散させることがおすすめだそう。


作戦。動物性、植物性タンパク質を、三食とおやつに「ちりばめて」

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「良質タンパク質を選ぶには、アミノ酸バランスが良いものを選ぶこと、脂質の少ない部位や加工が少ないものを選ぶ必要があります」と、浅野さんは言う。

「タンパク質は20種類のアミノ酸で構成されています。このうち11種類は体内で合成できますが、9種類は体内で作れないため“必須アミノ酸”と呼ばれ、食事からの摂取が必要です。

アミノ酸は一番少ないアミノ酸に合わせて働く性質があるため、9種類のアミノ酸がバランスよく入っていることが大切です。これが、アミノ酸バランスと言われているものです」。しかし、アミノ酸バランスを考えながら食材を選ぶのはなかなか面倒にも感じる。

浅野さんはこうアドバイスする。「タンパク質はいろいろな食材に入っていますが、バランスが良いのは肉や魚、卵、大豆製品などです。さらに肉や魚、卵の“動物性タンパク質”、大豆などの“植物性タンパク質”など、タンパク質の種類を意識しましょう。

肉を積極的に食べることで『エネルギーの摂りすぎになるでのは?』と及び腰になるかもしれませんが、これはどの部位を選ぶかによってかなり差が出てきます。例えば、牛ヒレ肉を選ぶと100グラムあたりタンパク質は20.5グラムで脂質は4.8グラムですが、脂身の多いバラ肉はタンパク質14.4グラムで脂質32.9グラム。脂質は約7倍になります。この他に加工が加われば、タンパク質が減って脂質が増える傾向があります。タンパク質は、どんな食材で食べるかも重要なのです。

またタンパク質は、栄養素の中で“食事誘導性熱産生”が一番高いということもわかっています。これは、消化や吸収をする際に熱を生み出す体の仕組み。タンパク質を食べることで、効率的にエネルギーも使っているんです」

そして、三食とおやつにタンパク質の食材を分散するのは、それほど苦ではないと浅野さん。

「一日の必要量を一食で摂るのは大変です。ですが、例えば朝食にサケなどの焼き魚、昼に刺身定食、夜にステーキなどを選べば簡単に摂れます。卵もアミノ酸バランスがとても良いので、ゆで卵や卵サンドなどをチョイスするのも良いですね。また、一日のどこかでご飯に納豆、大豆の入ったサラダを選べば、植物性タンパク質もフォローできます」

つい甘いものを買ってしまうおやつや、残業のときのスイーツもタンパク質へのチェンジ時、と浅野さんはアドバイスする。

「納豆の入ったお菓子、ゆでたうずらの卵、ゆで卵(鶏卵)、いかの燻製、チーズにナッツやビーフジャーキー……選択肢はたくさんあります。コンビニのお酒のおつまみコーナーはタンパク質の宝庫で、侮れないんですよ(笑)」。毎日買っているコーヒーをカフェラテやソイラテにするなども、“タンパク質貯金”の小さな工夫だとか。

「ただし、食事のときは加工していない肉や魚を選ぶのがポイントです。例えばハンバーグは約半分が脂身なので、100グラムのハンバーグを選んで100グラムの肉を食べたつもりでも、実際に摂っている肉は半分以下で、気づかないうちに脂質を多く摂っていることになります。

調理でプラスされていく油も意識しておきたいですね。ハンバーグよりもステーキ、ナゲットよりも普通の唐揚げ、メンチカツよりもロースカツというイメージです」


基本は食事から。そして自分の運動量に見合ったプロテイン選びを!

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タンパク質が不足するならプロテインを飲めばいい。そう考えるのは、短絡的。

「基本は食事からタンパク質を摂ってほしいですね。タンパク質の多い肉や魚、卵、大豆製品などの食材には、タンパク質だけでなくビタミンやミネラル、その他の栄養素を豊富に含んでいます。

タンパク質の食材を食べることで満足感も得られますし、ビタミンやミネラルを摂ることで栄養バランスを改善し、疲労を軽減したり、お菓子への依存も減らせます。

もちろん、プロテインを必要とするトレーニングやスポーツもあります。その場合は、摂る種類を考えたり、表示をきちんと見てくださいね」と浅野さん。

表記をチェックしたときに、プロテインの値を見ることも大切だそう。「プロテイン値やカロリー量をチェックするのは基本です。意外にハイカロリーだったり、プロテインの摂りすぎは腎臓に負担をかけます。

一日に体重1キロあたり1グラムのタンパク質摂取をおすすめしましたが、最大でも1キロあたり2グラム程度までに。この値は、全食事を含むタンパク質の摂取量なので、それも念頭に置いておきましょう」

 

運動とタンパク質は密接な関係。それ以前に体を作り、ヘルシーな心の要素でもあること、忘れずに。浅野さんのTipsは今日からすぐにできることばかり。まずは自分のタンパク質の摂取量をチェックして、理想のミールプランを作ってみて!

Photo:Getty Images

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