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走る目的が何であれ、ランニングのパフォーマンスを高めるためには、走っていないときに何をするかが重要。実は、ピラティスがランに役立つって知ってた? 世界的に有名なピラティスの教育機関「Peak Pilates」のマスターインストラクター、カレン・イングラムが自身のマラソントレーニングに活用したという「ピラティスベースのワークアウト」をイギリス版ウィメンズヘルスに教えてくれた。目標の距離にかかわらず、全てのランナーに役立つのでチェックしてみて!

ベンジャミン・フランクリンの格言にもあるように、「準備を怠ることは、失敗するための準備をするようなもの」。弱々しい臀筋、体幹、間違ったテクニックで走っていれば、そのうちけがをするのは避けられない。

ランニングのパフォーマンスを高めるために、毎週何時間も走る必要はないらしい。そのために今回紹介するのは、ヨガではなく、最近人気が一層高まっているピラティスだ。

どうしてピラティスがランニングに役立つの?

カレン・イングラムによると、ピラティスは「全身を完璧にカバーするワークアウト。弱い筋肉を強化することで、体のバランスの悪さを矯正していく」

しかも、イングラムが言うように「理想的な動作は強い体幹から始まる」。これは、体の強度とスタミナをアップさせたいランナーにとって重要なこと。ピラティスは上半身と下半身のつながりも良くするので、足だけに頼ることなく走れるようになるはずだ。

つまり、ピラティスをすれば自己ベストを更新したり、走行距離が延びる可能性が高くなるということ。翌日に体が動かなくなる事態も、ひょっとしたら避けられるかも。

ピラティスでランニングパフォーマンスを高めるには?

1.臀筋に火をつける

ランニングで必要なのは脚力だからといって、臀筋(でんきん)をないがしろにするのはNG。臀筋が弱いと、股関節屈筋群(こかんせつくっきんぐん)など他の筋肉がその不足を補うはめになり、使いすぎると筋肉が張ってくる。

「足だけ前に出すのではなく、臀筋と体幹をパワーの起点にするのが正しい走り方」とイングラム。「股関節屈筋群や脚の力で前に引っ張られるというより、むしろ臀筋の力で前に押し出されるイメージ」

ピラティスをベースにしたワークアウトをすれば、この走りに近づける。イングラムによると、感覚をつかむには後ろ歩きのエクササイズが効果的。

● お尻に手を置き、背筋を伸ばして立つ。
● 脚を伸ばしたまま片足を一歩後ろに引いて、お尻の両側が燃えている(使っている)のを感じる。足は爪先、拇指球(足の親指の付け根にある膨らみ)、かかとの順でつくのがポイント。
● 反対の脚も同様に行う。
● 10歩ほど後ろに歩いてから前に歩き、後ろに歩いたときと同じ感覚で臀筋を使ってみよう。

イングラムいわく、これは「走る直前にオススメのエクササイズ」なんだそう。

2.アライメントをよくするには?

イングラムによると、「安全かつ効率的に走るには、体のアライメント(体の関節の調和がとれていて、上下左右が対象になっていること)を良くすることが不可欠」

ピラティスで行っている脊椎と骨盤を自然なポジションに保つことは、正しい筋肉を使いながら関節に不必要な負荷をかけずに走るための「基本」の一部になる。

だからこそ、オフの日のピラティスが役に立つ。「ピラティスには精密さが求められるので、足や膝、腰の正しいアライメントを身につけるのにピッタリ。ジョセフ・ピラティスが開発した器具……リフォーマーやキャデラック、チェア、バレルなどは、そのためのとても効果的なツールね」

3.ダンサーのようにストレッチする

イングラムはランニング後のリカバリーに、自宅にあるいすを使ったピラティス・バレエストレッチを勧めている。

4.エクササイズをマスターするには?

イングラムが選ぶ、ランナー向けピラティスエクササイズのトップ5は以下の通り。

1 ヒップブリッジ: 臀筋を鍛えるだけではなく、股関節屈筋を開き、脊椎をケアする。
2 片脚ストレッチ: 体幹を起点に脚が使えるようになるし、腹筋が強くなる。

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3 座位での前屈: 背中が開き、ハムストリングスのストレッチにもなる。
4 サイドレッグキック: 股関節屈筋が開き、臀筋が活性化される。上半身を安定させて走るスキルも身につく。
5 バレエストレッチ: 片脚を上げて伸ばした状態で前屈すると、ハムストリングスと臀筋がよく伸びる。

※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Emma Pritchard Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Imges

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Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。