成分表で見逃したくない6つの項目とは?
口にする物すべてが、成分表の要らないナチュラルな自然食品だったら最高。でも、私たちは人間。サッと食べられるスナッ....
口にする物すべてが、成分表の要らないナチュラルな自然食品だったら最高。でも、私たちは人間。サッと食べられるスナックが必要な時もあれば、便利なパッケージ入り商品が食べたい時もある。
いずれにせよ、ラベルを読んで含まれる栄養素と成分を把握してこそ、ヘルシーな食生活が送れるというもの。
でも、成分表の内容が実際に意味するものって? 誰もが気にするのはカロリー。確かにそれも大切だけれど、他にも注目に値する項目がある。
定番のパッケージ入り商品の成分表の中で、最も注意すべき項目を公認管理栄養士が教えてくれた。そう、成分表にはザッと目を通す以上の価値がある。
Text: Christina S. Austin Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images
1.1食当たりの分量
パッケージ入り商品の多くは、1食当たりの分量を少なくすることで “ヘルシー” なフリをしている。例えば、シリアルなのに砂糖が9gなら少ないように感じてしまう。でも、記載された1食当たりの分量はたった3/4カップ。1カップ以下のシリアルなんて、誰が食べる?
「普段食べたり飲んだりしている量が1食当たりの分量とは限らない」 と語るのは、『Jim White Fitness and Nutrition Studios 』のオーナーで運動生理学者のジム・ホワイト公認管理栄養士。「それを何食分食べることになるかを考えること。3食分と書かれたポテトチップスを1袋丸ごと食べたら、成分表に書かれた数字をすべて3倍しなければならない」
米食品医薬品局は、成分表を改定し、より現実的な分量を記載していく予定 (アイスクリーム1食分が1/2カップだなんて、もう言わせない)。でも、このガイドラインの施行が2020年まで遅れたので、当面は摂取量に気を付けながら成分表をチェックしよう。
2.添加砂糖
米農務省によると、平均的な成人は1日に94gの砂糖を消費する。これは、成人男性の場合で1日36gという最大推奨摂取量の2倍に相当する量。
フルーツや乳製品のように天然由来の砂糖を含まない代わりに、パッケージ入り商品では味付けにこっそり砂糖が使われることが多い。ホワイトは、出来るだけ砂糖の量が少ない商品を見つけるよう勧めているけれど、どうしても避けられない場合には、1食当たり砂糖10g以下の商品に絞ること。
改定後の成分表には、添加砂糖の量を記載する欄が特別に設けられる。甘い物を減らしたい人にとっては大きな助け。それまでの間、添加砂糖量の把握にはちょっとした計算を要する。
米ミズーリ州立大学の生体医科学部で臨床研究を行う、ナタリー・アレン公認管理栄養士直伝のトリックを試してみよう。成分表の総炭水化物量から、食物繊維量を差し引く。糖質からの炭水化物量は、その数字の半分以下であるべき。20gの炭水化物と4gの食物繊維を含む食品を例に取ってみると、理想的な糖質の量は8g以下という計算になる。
砂糖や砂糖の変化形を含む商品はすべて避ければ、もっとシンプル。ホワイトは、成分表に書かれたアイテムの最初の3つが砂糖類で占められた商品が溢れていると嘆く。
3.原材料
パッケージ入りの商品を食べるなら、そこに何が含まれているかを正確に把握するべき。自然食品でなければ、未加工の原材料を使った物を選ぶとベター。原材料は重量の大きいものから順に並んでいるものなので、含有量の最も多いものが成分表の最初に、最も少ない物が最後に記載される。ホワイトによれば、成分表は短ければ短いほど良いものなんだそう。
発音できない原材料や馴染みのない原材料は避けるべきだというのが一般常識だけれど、アレンに言わせれば成分表の理解とはもうちょっと繊細なものらしい。
「知らない名前や聞いたことのない名前が載っているからって、悪い商品だとは限らない。最もよく見かける原材料の一つにコレカルシフェロールというものがあるけれど、これはビタミンDを上品に言い換えただけ」
それよりも、成分表の先頭を飾るいくつかの原材料に注目して。特に一番最初のアイテムは、読むのも発音するのも簡単であるべき。
4.タンパク質
筋肉を付けたい時にも、空腹を満たすスナックが欲しい時にも、成分表に欠かせないのが主要栄養素のタンパク質。満腹感をくれるだけでなく、筋トレ後の筋組織の修復を助け、より強く大きな筋肉作りもサポートしてくれる。
パッケージ入り商品をスナックにするなら、タンパク質含有量が5~10gのものを選ぶのがアレンのおすすめ。最低でも10gは欲しいところだけれど、プロテインバーやプロテインドリンク以外には、店頭で見つけるのが難しい。プレッツェルやクラッカーなど、炭水化物量が特に多い食品を食べる際には、ナッツやナッツバターと組み合わせてタンパク質を追加しよう。
夕飯を冷凍食品で済ます場合を含め、毎食30gのタンパク質摂取を。
6.トランス脂肪
脂肪が敵ではないとは言え、トランス脂肪の一種である半硬化油にだけは注意が必要。
米国心臓協会によると、トランス脂肪は体内の悪玉コレステロールを増やす一方で善玉コレステロールを減らし、心臓疾患、脳卒中、2型糖尿病の発病リスクを高める。2018年には、すべてのパッケージ入り商品からトランス脂肪が除かれることになっており、すでにトランス脂肪の使用を完全に禁止した企業もあれば、まだ行動を起こしていない企業もある。
成分表に書かれた他の脂肪 (飽和脂肪酸と総脂質) については、1日の許容摂取量の範囲であれば問題ない。1日の摂取カロリーの約20~30%は脂肪から摂るべき。1日2,500kcalの食生活においては、1日当たり55~83g程度の脂肪を意味する。オメガ3脂肪酸や一価不飽和脂肪といったヘルシーな脂肪は、毎日の食事に欠かせないと同時に心臓疾患予防にも役立つ。
※この記事は当初、アメリカ版メンズヘルスに掲載されました。