ローゼルという花から作られるハイビスカスティーは、鮮やかな赤と爽やかな香りが特徴的で、アイスにしたりホットにしたりと、年中楽しめるお茶のひとつ。でも、長い間親しまれてきたハイビスカスティーの健康に対するメリットが注目されるようになったのは、ほんの最近のこと。その気になる内容を、専門家たちがアメリカ版ウィメンズヘルスに教えてくれた。
1. 血圧を下げ、心臓をより健康に維持することをサポート!
血圧を下げる働きに優れるといわれていることから、多くの研究者も支持するハイビスカスティー。栄養学雑誌に掲載された研究では、65人の高血圧症の患者に1日あたり720ml(3杯分)のハイビスカスティーを毎日飲んでもらったところ、全体的に血圧の低下が見られたそう。
過去の研究ではハイビスカスティーを飲むと、平均で収縮期血圧が7.58mmHg、拡張期血圧は3.53mmHgとそれぞれ低下したことが証明されている。
ただし、ヒドロクロロチアジド錠など、高血圧症の薬を服用している場合は、ハイビスカスティーを飲み始める前に医師に相談するのがベスト。「心臓の筋肉を収縮させる『収縮期』の血圧を著しく低下させてしまう可能性があり、低血圧や高血圧の治療薬を服用している人にとっては妨げになるかもしれません」と、管理栄養士のジョージア・ラウンダーは忠告している。
*編集部註:上記はハイビスカスティーの研究結果であり、血圧にまつわるトラブルや疾患の治療を保障するものではありません。
2. 動物性の食品を好む人にもおすすめ。コレステロール値にお役立ち
「ハイビスカスティーを飲むことで心臓や血管を健康に保ち、コレステロール値を管理できることも考えられます」とラウンダーは言う。補完代替医療学会誌に掲載されたある研究では、糖尿病患者に毎日2杯のハイビスカスティーを1カ月続けて飲んでもらったという。すると総コレステロール値、悪玉コレステロール、トリグリセリド値が全て低下し、善玉コレステロール値が増加したという結果が出たそう。
3. ここのところ消化に悩んでいるなら。消化機能のお助けに
消化管を健康に保つために水分補給が大切なのは、周知の事実。ハイビスカスティーで水分補給をすると、「ハイビスカスティーが持つ天然の利尿作用は体内の水分とナトリウムの排出を助長し、排せつ機能を整えてくれます」とラウンダー。そのため、毎日の水分補給にもおすすめだとか。ただし、飲み過ぎにはくれぐれも気をつけて。
「大人は1日あたり2ℓ弱に抑えておいた方がいいでしょう。子供なら1ℓ弱まで。妊娠中の女性は、1日1ℓまでを心掛けましょう」とラウンダー。理由は、ハイビスカスティーに含まれるアルミニウムやマグネシウムにあるそう。アメリカ疾病管理予防センターによると、マグネシウムの過剰摂取は手の震えなどの副作用を引き起こす恐れがあり、アルミニウムの過剰摂取はアルツハイマーなど特定の病気のリスクを増加してしまう可能性があるのだとか。
『Fitoterapia』に掲載された研究では、ハイビスカスを大量に摂取すると肝臓にダメージを与える可能性があることが明らかに。ただしこれは相当の量を飲まない限り、心配する必要はないとのこと。
4. 風邪をひかない体づくりをアシスト。免疫系を健康にキープ!
ハイビスカスティーは特に、冬の風邪予防には効果的のよう。「ビタミンCが豊富に含まれているため、免疫系を健康的に維持してくれます」とラウンダーは説明している。
5. ちょっとくらいなら期待できるかも。痩せたい願望をかなえる!?
「さまざまな研究結果から、減量に関係することが明らかになっています」とラウンダー。
ある研究では、肥満体形の被験者たちにハイビスカスの抽出物を12週間摂り続けたもらった結果、BMIや内臓脂肪、体重の減少が見られたそう。
ただし、この研究ではハイビスカスの抽出物を使用。ひとり分のハイビスカスの抽出物はハイビスカスティー6杯分に匹敵するので、ハイビスカスティー1杯よりもかなり濃度が高いことを念頭に置いておく必要がある。ほんの少し体重を落とせる可能性はあるとしても、そこまでの減量効果はしない方がいいみたい。
6. あらゆる病気の種となる「炎症」と戦う!?
『Fitoterapia』に掲載された論文によると、ハイビスカスティーにはポリフェノールやアントシアニンなど、健康効果が期待できるファイトケミカルが豊富に含まれているそう。これらの成分は体内の炎症を抑える働きをし、心血管疾患や糖尿病、関節炎へと発展するリスクの増加を防いでくれるのだとか。
※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: Christine Yu Translation: Yukie Kawabata Photo: Getty Images