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数年前にブラジリアンワックスが流行してから、アンダーヘアのケアはもはや当たり前に。以前はIカットやハート型に残すカットなども流行したが、昨年から一気に注目を浴びているのが、アンダーヘアをすべてなくすハイジニーナ(VIO)脱毛。話題のハイジニーナのメリット・デメリット含めて、アンダーヘア脱毛の注意点をあおいクリニック銀座院長・中野あおい先生に伺った。

ワックス・毛抜きは“埋没毛”の元。医療レーザー脱毛を基本にしよう

「クリニックを開業して間もない2004年に、世界の美容事情に詳しい友人からブラジリアンワックス脱毛のことを詳しく聞きました。今では当たり前になったブラジリアンワックス脱毛ですが、当時は一部のセレブリティだけの身だしなみでした。それがこんなにも定着するとは正直驚いています」と中野先生。

しかし、ブラジリアンワックスでの脱毛は“埋没毛”の元になりやすいと指摘。

「アンダーヘアはほかのムダ毛よりも太くてしっかりしています。ワックスや毛抜き、カミソリでそるなどのケアをすると、表面に傷がつき、ダメージを与えてしまう。そうすると肌は急いでバリアしようと働きかけ、皮膚表面の細胞が肌を守ろうとして新しく皮膚を作り始めます。このとき、毛穴の出口を見失ってしまった毛が皮膚の下で、丸まったり伸びてしまったりして、表に出られない状態になってしまうのです。見た目にも美しくないだけでなく、炎症などが起きてプツプツと腫れることもあります。埋没毛になってしまうと医療レーザーでも脱毛できません。さらにアンダーヘアの場合、ほかの部位よりも細菌などが繁殖しやすく、炎症を起こしやすい部分でもあるので、セルフケアはおすすめできませんね」

また、抜く、そるなどの動作を繰り返していると、刺激から色素沈着などを起こすこともあり、脱毛できたとしても肌の状態が悪くなることも。セルフではなかなかきれいに脱毛できないのが現状だ。

アンダーヘアこそ、医療レーザーで!

実は、中野先生はアンダーヘアのレーザー脱毛を日本で初めてトライした人でもある。

「2004年にブラジリアンワックスの存在を聞いて、海外での評判や欧米の医師からの評価を伺ったんですが、やはり肌への負担がある。だったらワックスでなく、医療レーザーで脱毛をすればいいのでは、と裏メニュー的に展開したのが始まりでした。最近はさまざまなクリニックやエステや脱毛サロンなどでもアンダーヘアの脱毛を行っていますが、粘膜に近い部分なので、とてもデリケートな場所。施術で炎症なども発生しやすいため、医療機関での受診がやはり重要だと私は考えています」

人気のハイジニーナ。“永久”脱毛だから、慎重に選択することが大切

最近ではタレントでも「ハイジニーナをした」とカミングアウトする人が多く、人気を集めているのがハイジニーナ(VIO)脱毛。ハイジニーナとは、フロントのVゾーン、性器の周りのIゾーン、肛門周辺のOゾーンのすべての毛を脱毛すること。

「私のクリニックでも最近はハイジニーナをリクエストする方が増えています。水着などを着用する場合、細かな部分まで気にしなくてもいいところがハイジニーナの魅力です。さらに欧米では、蒸れずに衛生的ということで選択する人も多いようですね」

月経のときの不快感などもハイジニーナにすることで緩和できるという意見も多い。しかし、医療レーザー脱毛で行う場合、一度脱毛してしまうと永久に生えてこない。選択は慎重にすべきと中野先生は言う。

「アンダーヘアにも流行があります。今はハイジニーナがブームですが、また違うデザインが流行することもあるかもしれません。医療レーザーで脱毛すると、永久に毛が生えてこないので、やり直しが利かなくなります。完全なハイジニーナにせず、少し間引いた形のデザインなどもできるので、検討してみることをおすすめします」

実際にあおいクリニック銀座でVIO脱毛をした場合、下記の費用がかかるという。

Vライン 3回セット¥70,000/1~3回¥30,000/4・5回¥20,000/6回目以降¥5,000
Iライン(ビキニ奥) 3回セット¥70,000/1~3回¥30,000/4・5回¥20,000/6回目以降¥10,000
Oライン(肛門) 3回セット¥100,000/1~3回¥40,000/4・5回¥30,000/6回目以降¥20,000
ブラジリアン(Vライン) 3回セット¥71,000/1~3回¥31,000/4・5回¥21,000/6回目以降¥6,000
ブラジリアン(Iライン) 3回セット¥71,000/1~3回¥31,000/4・5回¥21,000/6回目以降¥11,000

毛をすべてなくすことはいつでもできるので、まずは少し毛を残したデザインを選ぶなど、しっかりと考えてからハイジニーナに踏み切るのもいいかもしれない。

Photo: Getty Images Text: Manabi Ito

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中野あおい先生
あおいクリニック銀座 院長
美容皮膚科医、美容内科医。金沢医科大学卒業後、同大学病院にて内分泌内科、循環器内科を専攻・研究。その後、著名な美容クリニックの院長などを歴任し、2003年にあおいクリニック銀座を開院。多忙ななか国際学会に出席し、世界最先端の美容医療技術を吸収して、常に新しい美容医療を探求している。aoi-clinic.com