イギリスでは9月がオーガニック推進月間“オーガニックセプテンバー”。これを機にオーガニックにスイッチする人も、少し試してようと思う人も多いそう。そこで、人気ブロガーで料理家のデリシャスリーエラにオーガニック食品について聞いてみた。
オーガニック食品に転換するのは、難しいし、食費も高くなるのでは、と思っている人も多いはず。でもまずは知っておきたい5つのことをおさえておいて。
1. 脂肪の燃焼をスピードアップしてくれる
脂肪を燃焼する成分がオーガニックな穀物には12%も多く入っているという。ニューカッスル大学の研究者は、オーガニック食品を食べていると、オーガニック食品の体重減少の効果(かつ体重を増やさない効果)により、長生きすることができると結論づけている。これは、オーガニック食品に含まれる脂肪燃焼効果が通常の食品よりも多いため。
2. 殺虫剤の使用リスクが低い
虫を殺す化学物質はオーガニックのものと比べて、そうでない作物には4倍以上使われているそう。また、タバコにも含まれる有害な金属の一種、カドミニウムの量も普通の食品にはオーガニック食品と比べて2倍以上も含まれている。そのため、高血圧や骨の健康を害したり、記憶障害を起こしたりするそう。
3.栄養価が高い
オーガニック食品は不必要に大きく育てられていないので、フルーツや野菜は少し小さくなる。でも身体は小さくても、抗酸化成分は豊富。土壌協会によると、「オーガニック作物を食べる生活に転換することで、抗酸化成分の摂取量を20%から40%増やすことができる。つまりカロリーを増やさずにうれしい効果を増やすことができるとうこと!
4.免疫をアップさせる
オーガニック食品はビタミンCの含有量が通常のものと比べて6%も多い。ビタミンCは細菌を殺す作用があり、病気にかかりにくくしてくれる。
5.思ったよりもリーズナブルに手に入る
デリシャスリーエラは実際に1週間オーガニック食品を使って料理をしてみたところ、食費は59ポンドと平均のイギリス人カップルの食費と同じくらいにおさまったそう。作ったメニューは、リゾット、クッキー、シチューなど。「事前に献立を考えておくことで、一週間分のおいしくてヘルシーな食事を破産せずに作ることができる」とエラは話す。
ここまで読み進めて、オーガニック食品のメリットはよく分かったはず。けれど、なにからはじめればいいのか分からない、と思っているのでは。
突然食べる物の全てをオーガニックにするのはなかなか大変。でも、まずはこの5つの食品をオーガニックに変えるだけでも大きな変化を感じるはず。買い物に行く時はこのリストを思い出してみて。
1.肉類
成長ホルモンや抗生剤を使用していないようなものを選ぶようにして。オーガニックの肉類を食べることで病気になりにくく、抗生剤に対しての耐性もつきにくくなる。
2.リンゴ
リンゴは汚染されているといわれやすい食材。オーガニックではないリンゴは他のフルーツや野菜に比べて防虫剤が使われている割合が高い。環境問題に関してのリサーチを行う団体、The Environmental Working Groupの調査では、700個の洗浄済みのリンゴを調べたところ98%から防虫剤が検出されたそう。
3.ホウレン草
ホウレン草は通常の栽培方法だと50種類程度の防虫剤が使われているとか。
4.牛乳
オーガニックミルクを飲めば残留防虫剤や抗生剤の心配をしなくて済む。
5.缶詰のトマト
缶詰の内側の材質にはBPAが使われていることが多い。これはBPAが食品汚染を防ぐため。BPAはエストロゲンのようなホルモン分泌を乱し、その結果心臓病や糖尿病につながるともいわれている。
Text:Emily Mitchinson Translation:Noriko Yanagisawa Photo:Getty Images