自分の心と脳を守ろう。
あなたが好きでも嫌いでも、恋愛がデジタル化していることは否めない。そして、米スタンフォード大学の調査によると、アメリカでもイギリスでも、このトレンドは続きそう。いまはスマホ1つで愛が見つけられる時代。でも、スワイプの習慣が日常を乗っ取ってしまうのを防ぐには? 今回はイギリス版ウィメンズヘルスより、デジタル時代のメンタルヘルスケアについてご紹介。
今回のエキスパートは、イギリス国民医療サービスNHSの臨床心理士を経て開業医となったソフィー・モート博士と、出会い系アプリ『Bumble』マーケティング部の元インターナショナル・ヴァイス・プレジテントで現在はブランドコンサルタントのルイーズ・トロエン。プロの視点と個人の視点から、現代の恋愛が非常にストレスフルな理由と、無理のないスマートな交際方法を教えてくれた。どうやら一番大切なのは、境界線を引いて自分の時間を確保すること。
「交際中は精神的に傷つきやすくなりますし、現代の社会では、人が簡単に捨てられます。メンタルヘルスを守るためには、境界線を引いて自分の時間を確保することが何よりも重要です」とモート博士。境界線とは、あなたがどう扱われたいかを周囲の人に示すため、あなた自身が設定する限度のこと。具体的には? その限度を超えた頼みに対しては「NO」と言ったり、他人のニーズより自分のニーズを優先したり。
「現代人は1日約90分を出会い系アプリに費やします。1週間で20時間以上です。だから相手を探したり、メッセージのやりとりをしたりする時間には制限を設けましょう」とモート博士。コントロールできるのはアプリを使う時間だけじゃない。モート博士いわく現実のデートに充てる時間も意識するべき。退屈するほど長いのも、逆に短すぎるのもよろしくない。双方が「また会いたい」と思うくらいの時間がベスト。
「デートに行くと自分の価値を認めてもらわなければ、と思ってしまい、自分が何を求めているか分からなくなることがあります」とモート博士。恋愛において重要な価値観が分かっていれば、“運命の人”を見つけるのが楽になる。「価値観を重要な順に並べて、何が絶対に“NO”であるかを考えてみてください。私にとっては時間を無駄にする人ですね」とモート博士は続ける。心を休めたいときは、出会い系アプリのプッシュ通知をオフにするのも効果的。マインドフルにアプリを使うということは、自分が使うと決めたときだけ使うということ。その逆は? 「自分のスマホがしていることに対して、無意識のうちに感情的な反応を見せてばかりいる状態です。プッシュ通知をオフにすれば、ひと息付くことができます」とモート博士。
意外でも何でもないかもしれないけれど、出会い系アプリのピークタイムは日曜日の午後5~8時なのだとか。「オンラインのユーザーが多いので、アルゴリズムが活発になり、自分を見つけてもらえる可能性も高くなります」とトロエンは説明する。つまり「その時間帯にオンラインでいれば、マッチング率が高くなるということです」この時間帯はマッチ度の高い相手が一番見つかりやすいので、1週間分のプロフィールを集中的にチェックして。「1週間の残りの時間は、友達や自分のために使ってください。実際にデートに行くと、これまでの自制心が自信をくれるはずですよ」とトロエン。これには納得。
デジタル時代の恋愛のあらゆる悩みは、このアドバイスで解決しちゃおう。「心から好きな人とつながりましょう。私も同じことを言おうと思っていました」とトロエン。「一番いいのは、一緒にいると気分が上がる人といることです」とモート博士。さあ、一緒にいて楽しいと思えるあの人にメッセージを。
※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: Mini Smith Translation: Ai Igamoto
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