便秘を和らげる、おすすめ「天然下剤8」
ドラッグストアは通り過ぎて食材売り場へ。
女性が自分の体のことを話す機会は増えたけれど、便秘の話はいまだにタブー。そろそろ、それを変えてみない? 消化器学の学術誌『Canadian Journal of Gastroenterology』に掲載された論文によると、少なくとも女性の16%は定期的な便秘に悩んでいる。ときどきの人も併せれば経験者はもっと多い。ホルモンの影響で、女性は男性よりも便秘になりやすいという事実もあるそう。月経周期、食生活の変化、ストレス、睡眠の問題、旅行など、お通じの敵は数多い。今回はアメリカ版ウィメンズヘルスより、便秘を和らげるナチュラルな下剤をご紹介。
米ニューヨーク大学ランゴン・メディカルセンターの臨床医学准教授で胃腸科医のリサ・ガンジュ医師によると、便秘が2~3日以上続く場合は対処が必要。「不調を知らせる体からのサインを見逃さないようにしましょう」
幸いにも、薬を使わずにお通じを改善するのは非常に簡単。「天然の下剤は、病院で処方される下剤や市販の下剤より体にやさしいですよ」とガンジュ医師。しかも、天然の下剤になるアイテムは、あなたの冷蔵庫やキッチンにすでにある可能性が高い。
以下にあるのは、お通じを改善する8つの天然下剤。普段の食生活に取り入れれば、それこそ普段からお通じが良くなるはず。
水
十分な水分補給は消化器系もサポートする。
「水は何でも滑りやすくするので、便も柔らかくなります。便が結腸を通るのは、結腸で便に含まれる余分な水分を吸収し、便を固くするためです」とガンジュ医師。
でも、便が結腸にいる時間が長ければ長いほど、水分が吸収されて便はカチコチになる。
「そこで水分を補給すれば、便が柔らかくなり、結腸を通り抜けやすくなります」
ギリシャヨーグルト
ヨーグルトを始めとするプロバイオティクス製品は、腸や消化に良いとされる。
「プロバイオティクスは腸内細菌叢をリセットしてくれるので、下痢のときにも便秘のときにもオススメです。私たちの腸内には10億もの細菌がいます。でも、元気なのが悪い細菌ばかりだと、消化不良、おなかの張り、お通じの変化が起こります。プロバイオティクスは腸内の善玉菌を増やし、消化器系の機能を元に戻します」とガンジュ医師。
パッケージに生きた乳酸菌(生菌)と書かれたギリシャヨーグルトを探してみよう。
緑の葉物野菜
ホウレン草、ケール、キャベツといった緑の葉物野菜には、お通じの改善に必要な食物繊維が高密度で含まれている。
「食物繊維は結腸の収縮を促します。すると結腸がパンパンであることを感じ取り、たまった便を押し出そうとするわけです」とガンジュ医師。
ほとんどの人は推奨される1日25gの食物繊維が摂れていない。でも、緑の葉物野菜の摂取量を増やしてあげれば、消化器系が活発になる。緑の葉物野菜には便を自然と柔らかくするマグネシウムもたっぷり(米国人の大半にはマグネシウムが不足している)。
アロエ
日焼け後のケアや美容商品の成分で知られるアロエ。最近では、ジュースの形で食料品店に並ぶことも増えてきた。
「アロエは最も一般的に使われている天然下剤の1つです。便が滑りやすくなるので、お通じが良くなります」とガンジュ医師。
これまでの研究により、アロエには75種類のビタミン、酵素、ミネラル、糖だけでなく、アントラキノンという天然の下剤成分も含まれていることが分かっている。
アントラキノンは腸内の水分量を増やすため、粘液の分泌と収縮が増し、食べ物が消化器系を通り抜けやすくなる。
チアシード
チアシードは水につけるとゼリー状になる。ガンジュ医師によると、その性質が天然の下剤として役に立つ。
「チアシードは体内で液体と結合すると、膨張してゼリー化します。そのおかげで便が消化器系を通り抜けやすくなるのです」
28gのチアシードに10gの食物繊維が含まれていることを考慮すれば、料理に少し振りかけるだけで1日の推奨摂取量がほぼ満たせると言っても過言じゃない。
フラックスシード
米国農務省によると、スムージーやサラダに隠せるほど小さな粒のフラックスシードなら、大さじ1杯で約3gの食物繊維が摂取可能。
「この豊富な食物繊維によって腸が刺激されますよ」とガンジュ医師。
フラックスシードにはネバネバした成分が含まれており、これが消化器系をコーティングして便を通り抜けやすくする。マグネシウムも豊富なので、便意も催しやすくなる。
食物繊維が豊富なフルーツ
緑の葉物野菜と同様、一部のフルーツにも食物繊維がたっぷり。ベリーのような新鮮なフルーツを常備して。
「ベリーは食物繊維を含みますが、緑の葉物野菜、リンゴや梨ほど、おなかにガスがたまりません」とガンジュ医師。
また、ベリーに含まれる抗酸化物質には、消化器系を落ち着かせる抗炎症作用もある。
アプリコット、イチジク、プルーンなどのドライフルーツもおすすめ。
「食物繊維と糖が豊富なドライフルーツも、腸の動きをよくします」
オイル
少量のオリーブオイル、ミネラルオイル、フラックスシードオイル、キャスターオイル(ひまし油)も腸内を滑りやすくする。ガンジュ医師も自分の患者にオリーブオイルとミネラルオイルを頻繁に勧めるそう。
「大さじ1杯を飲むだけです。オイルが消化器系を下り、便を少しだけ滑りやすく、柔らかくするので、固い便を押し出す際も、それほど痛くありません」
オリーブオイルを飲む気になれないなら、調理に使ったりサラダにかけたりするだけでもOK。でも、ノンカロリーではないことを忘れずに。大さじ1杯のオリーブオイルはカロリーが120kcal。
※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: Ashley Mateo Translation: Ai Igamoto