私たちの髪はユニークなアイデンティティの一部だし、外見を形成する重要なパーツなので、髪が薄くなってきたときに髪を早く伸ばしたい/増やしたいと思うのは自然なこと。

一瞬で髪を増やす魔法の薬はないけれど、髪を自然に早く伸ばす方法や、髪が薄くなるのを遅らせる方法は多く、食生活の改善から専門クリニックでの治療まで多岐に渡る。

もちろん、人に合うものが自分に合うとは限らないし、どの方法を使っても効果が出るまでには時間がかかる。この2点を理解した上で、髪の成長を加速させる方法を皮膚科医と一緒に見ていこう。

髪を早く伸ばすには?

髪の成長プロセスを急激に速める魔法のようなソリューションは存在しない。でも、生活習慣の改善や専門クリニックでの治療を通して髪を強化し、髪の成長を促すことは十分可能。

育毛治療を受けてみる

皮膚科専門医のマリサ・ガーシック医学博士によると、PRP(多血小板血漿)育毛治療は髪を増やしたい人に人気。結果の出方はヘアタイプによって変わるそう。「PRP育毛治療では、自分の成長因子を用いて髪の成長サイクルを伸ばします」と、同じく皮膚科専門医のアザデー・シラージ医学博士は説明する。

栄養価の高い食事をする

食生活ひとつで、髪がツヤを失うことも取り戻すこともある。「健康的な食生活は心身の健康状態を改善し、それが髪の成長に影響を与えます」と話す皮膚科専門医のブレンダン・キャンプ医学博士によると、抗炎症作用のある食品は髪にもオススメ。「フルーツ、野菜、全粒穀物、鶏肉、魚、オリーブオイル、ナッツ、低脂肪の乳製品など、添加糖が含まれない未加工の食品を摂取しましょう」

一部の化学物質を避ける

さまざまなヘアトリートメントを試したい気持ちは分かるけれど、それに伴うリスクを理解することが大切。「薬剤、ヘアカラー、熱の当てすぎは頭皮と毛包の健康を阻害して、髪の成長を遅らせます」とキャンプ医師。

薬用の育毛剤を試してみる

「ロゲインのような薬用の育毛剤は休止期中にも毛根を刺激して、成長期を伸ばします」とシラージ医師。

ヘアアレンジの仕方に気を配る

キャンプ医師いわく牽引性脱毛症は、毛包が引っ張られ続けたせいで髪が抜けることを指す。つまり、ヘアアレンジも仕方によっては髪の健康状態に影響を及ぼすということ。キャンプ医師によると、毛根を引っ張るようなアレンジ(ピタッとしたお団子やポニーテール)は避けたほうがいい。髪は下ろすか、毛根を引っ張らないアレンジにして。

ビタミンを摂る

「私たちの髪には全体的な健康状態が現れます」とシラージ医師。「髪の成長スピードは遺伝的なものですが、その人の健康状態の影響を受けています」。髪の成長を促す栄養素には、ビタミンB、ビタミンD、亜鉛、ビオチンなどがあり、その多くが市販の美髪サプリメントに含まれている。

シャンプーを替えてみる

髪の成長には、髪の洗い方やシャンプーの種類も関係している。ガーシック医師によると、新しい髪はまだ生えてきていなくても、ボリュームアップシャンプーを使えば、いまある髪の状態が明らかに改善するかもしれない。このようなシャンプーには、髪を太く、そしてフサフサに見せるタンパク質が含まれている。

ヘアケア商品を買うときは、必ず成分表をチェックして。また「コンディショナーは毛先だけに使いましょう」とガーシック医師。「毛根近くに使いすぎると、髪が重たくなりますからね」

頭皮マッサージをする

「頭皮マッサージをしてみましょう」とキャンプ医師。「自分の手か頭皮マッサージ器で血行とリラクゼーションを促進すれば、毛包に送られる酸素の量が増えて、酸化ストレスも抑えられます」

タバコを吸わない

「喫煙は活性酸素の産生に関係しています」とキャンプ医師。「活性酸素は不安定な酸素の分子。細胞の構造にダメージを与えて、髪の成長を阻害する可能性があります」

過度の熱にさらさない

ドライヤーやスタイリングツールの熱にさらされると、毛幹が乾燥・損傷して髪が切れてしまう。髪を乾かしたいときは、熱の代わりに風を使って。キャンプ医師の話では、ヒートスタイリングツールを使っていると毛幹の中に気泡ができて、髪がもろくなることもある。

辛抱強く

ガーシック医師によると、どんな商品も効果が現れるまでに3~6ヶ月かかるので、焦らずじっくり待つことが大切。

※栄養補助食品(サプリメント)は通常の食事を補うために作られた商品です。薬ではなく、疾患の治療、診断、緩和、予防を目的としていません。妊娠中や授乳中の摂取は特に注意が必要です。医師の指示がない限り、子どもに摂取させるのも控えましょう。

※この記事は、アメリカ版『Prevention』から翻訳されました。

Text: Elissa Johnson Translation: Ai Igamoto

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伊賀本 藍
翻訳者

ウィメンズヘルス立ち上げ直後から翻訳者として活動。スキューバダイビングインストラクターの資格を持ち、「旅は人生」をモットーに今日も世界を飛び回る。最近は折りたたみ式ヨガマットが手放せない。現在アラビア語を勉強中。