髪質が変わった、髪の毛が細くなった、抜け毛が多くなった、もしこのような変化に気づいているなら、もうストレスを感じないで。これには、ちゃんとした正常な理由があるから。

実際のところ、髪の毛が薄くなるのは驚くほど一般的。「ロレアル」が実施した調査結果によると、英国女性の3人に1人が抜け毛を経験しており、ハーバード大学医学部に裏付けられた事実でもある。

食生活に気を配り、異常なストレスを抱えているわけでもなく、髪の毛が抜けやすい季節の変わり目でもないのに抜け毛が落ち着かないのであれば、それはホルモンによるもの。ごく普通の、更年期における症状の一部である可能性が高い。

びっくりしないで。英国女性の平均閉経年齢は51歳(日本女性も同様)であるものの、更年期の症状が現れ始める時期はもっと早い場合もある。不安にならなくて大丈夫。更年期の抜け毛はかなり一般的ではあるが、この先も永遠に抜け落ちるわけじゃない。髪の毛を再び元気にする方法もある。

更年期の抜け毛の原因とその対処法について、英国で有名なヘアスタイリスト、毛髪学者、遺伝性更年期の専門家にアメリカ版ウィメンズヘルスが話を聞いてみた。

更年期・閉経周辺期が髪に与える影響は?

「エストロゲンとプロゲステロンが減少すると毛包が縮み、これによって細い髪の毛が生えるようになる女性もいます。この結果、全体的に髪の毛が薄くなるのです」と説明するのは、ヘアスタイリストのマイケル・ダグラス。

これには、毛髪学者のラリ・ボジノワ博士も同意見。「更年期の抜け毛は、基本的に毛包の健康維持を支えるエストロゲンとプロゲステロンの減少によるものです。これが原因で男性ホルモンと女性ホルモンの割合に変化が起こり、頭頂部が薄くなったり、女性型脱毛症が悪化するなど、アンドロゲン(男性ホルモン)に関連した症状を引き起こす可能性もあります」

更年期の抜け毛にはどんな症状がある?

「私がよく耳にするもっとも一般的な症状は、抜け毛、薄毛、髪の毛の乾燥、そして頭皮のベタつきです」と、ダグラス。

「更年期前後の抜け毛はゆっくり進みますが、一度気づくとたった一晩で髪が薄くなったように感じるものです。でも本当は、抜け毛の50%は目に見えて気付く前から始まっています」と話すのは、美容師のマイケル・ヴァン=クラーク。

「女性の場合は、ポニーテールの毛束が細くなったり、前髪の生え際がまばらになったり、分け目が著しく広くなったり、バスルームに髪の毛が大量に落ちていたり、頭皮全体が薄くなるといった変化を経験するでしょう」

更年期におけるヘアケアのポイントは?

「更年期の抜け毛は永続的なものではありません」と、ボジノワ博士。 「よく食べ、ストレスを管理し、ホルモンバランスを整える心がけは、髪の毛の質を改善するのに役立ちます。女性に特化したサプリメントで必須栄養素をしっかり補うこともできますよ」

抜け毛対策をしたいなら、まずは健康的なライフスタイルを心がけよう。手始めとして、タンパク質の摂取量を1日60gに増やし、ビタミンDとBを必ず摂取する。「ケラチンなど髪のタンパク質の合成を補助するビオチンは、髪を健康に保つために特に重要です。ビオチンの欠乏は、切れ毛や抜け毛だけでなく、爪がもろくなることにも関連しています」と、ヴァン=クラーク。ビオチンは、ビタミンHと呼ばれることもある、ビタミンB群の一種。豚や鶏のレバー、大豆、卵黄などにも多く含まれる。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: CHLOE BURCHAM Translation: Yukie Kawabata