ニューヨークシティの複雑な恋愛事情を描いた超人気テレビドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』は、セックスに関する話のタブー性を弱め、プラトニックな友情の力や、その友情を育むことの重要性を教えてくれた。そのスピンオフ作品『セックス・アンド・ザ・シティ新章/And Just Like That』に“彼女たち”が戻ってくると聞いて、喜ばないファンはいなかった。17年ぶりとはいえ、サラ・ジェシカ・パーカー演じるキャリー、クリスティン・デイヴィス演じるシャーロット、シンシア・ニクソン演じるミランダを見た瞬間、あの日々が昨日のことのように思い出された。でも、パーカーの白髪は明らかに時の経過を表していた。先日、『Allure』誌のインタビューで、パーカーは老化に対するハリウッドの男女格差について胸の内を語った。オーストラリア版ウィメンズヘルスから見ていこう。

『セックス・アンド・ザ・シティ新章』は、3人のいまを描いたもの。だから3人とも年を取っていて当然なのだが、オーディエンスから彼女たちの見た目に対する驚きの声が上がった。変に若作りをせず、実年齢の役を堂々と演じる女性はカッコいいいはずなのに、一体なぜ? これはパーカー自身も感じた疑問。しかも、彼女の話では、ハリウッドの一流男優と一流女優に対する扱いは明らかに違っており、社会は女性に老けないことを期待している。

つい先日、『Allure』誌のインタビューに応じたパーカーは「誰が、どう老けた」の議論にウンザリしていることを明かした。しかも、男性が批判の対象になることは一度もないから余計ウンザリ。「男性は対象にならないのよね。世間は男性に『このクリームでシワを隠しましょう』なんて言わない」

『セックス・アンド・ザ・シティ新章』のセットで撮られたパーカーと友人アンディ・コーエンの写真が出回ったときも、コーエンの見た目に対するコメントは寄せられず、パーカーだけが世間にあれやこれやと言われた。「アンディは1本残らずキレイな白髪。でも、その事実に触れる人は誰一人としていなかった」とパーカー。「彼は私の隣に座っていたのに。怒っているわけじゃなくて、ただ気付いただけなんだけど。ちょっと傷つくし、明らかにダブルスタンダードでガッカリ」

パーカーに言わせれば、年を重ねて見た目の変化を受け入れるのは普通のことで、それを“勇敢”な行動とすること自体が間違っている。白髪についても「しつこいくらい勇敢と言われた。本当に勇敢な人は他にいる。『お願いだから、私のことは放っておいて!』と思った」

パーカーにとって何よりも大切なのは、自分の体に満足すること。強く健康でいたいから、ホリスティックなセルフケアをして、自分が定めた基準に従って生きている。「毎日、自分の基準で『OK』と言える気分でいたいのよ。それがどういう基準かは自分でも分からない。でも、自分らしくいられているときの感覚ってあるでしょう? 私だって見栄を張ることはあるけれど、人の意見はいちいち気にしていられない」

「見栄なんて張っても張らなくても、どっちでもいいと思う。年の取り方や残された時間の過ごし方に良いも悪いもないと思うし。私には自由な時間でやりたいことが無数にあるけれど、いまの見た目をキープしようとか、15年前の見た目を取り戻そうとかは思わない」

「私の頭の中にあるのは、何を食べるかとか、どの本を持っていくかとか、あの一風変わった小さなレストランに入れるかとか、あそこの水は泳ぐには冷たすぎるかとか、そういうことだけだから。あとは(ゲームの)Wordle」

※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: WH Staff Translation: Ai Igamoto