整理整頓したいのにモノが捨てられない、部屋を片づけたいけれどどこから手を付けていいのかわからない……そんな悩みは、実はちょっとしたコツで解決することができる。そう話すのは、自身も元“片づけられない女”だったという収納スタイリスト&生き方スタイリスト・吉川永里子さん。片づけを突き詰めて辿り着いた、「自分を好きになれる」片づけ術とその驚きのメリットとは?



典型的な“ルーズ女子”だった過去

woman huddled up on bed among clothes
John Dowland//Getty Images

あらゆるライフステージの女性目線で行うライフスタイル提案が好評で、個人宅のアドバイスからメディア出演・講演など、幅広く活動している吉川さん。これまで1万人以上に片づけのレクチャーをしてきている吉川さんだが、実は自身も片づけられない女の一人だったという。

「小学1年生くらいから、すでに片づけられない自覚はありました。小学5年生くらいで自分のお部屋ができるやいなや、すぐに汚部屋に。部屋に対してモノの量が多く、使ったものは出しっぱなし。足の踏み場がないだけでなく、飲んだり食べたりしたあとの食器類も台所まで運べないので、部屋でカビが生えてしまう始末。そんな生活が大学生くらいまで続きました」

そのルーズさは、人間関係にも現れていたという。

モノの管理も、時間の管理もできなかったんです。とにかく時間にルーズで、遅刻常習犯。朝が弱く、遅刻ばかりしていました。人間関係も適当で、とにかくだらしない。その場しのぎで嘘をついてしまうこともありました。また、先を見越す能力がなく、計画性が皆無。バイトに遅刻したら謝るのがイヤでばっくれてしまうような状態。最低ですよね」

人生のどん底で、片づけに目覚める

woman organizes clothes in living room of her home
Susumu Yoshioka//Getty Images

大学4年生になった吉川さんは、一人暮らしをスタート。「誰かが片づけてくれていた生活」がなくなり、部屋はますます汚くなっていったという。

「実家に住んでいたときも汚かったですが、あまりにひどいときは見かねた家族が片づけてくれていたんです。しかし、一人暮らしになると、自分で片づけないと誰も片づけてくれないことに気が付きました。ちょうどそのころ就活をしていたのですが全然うまくいかず、70社落ち。体調も壊してしまい、さらに彼氏とも別れるという、まさに人生どん底の状態に。今までその場しのぎでどうにかなっていたことのツケが回ってきた、と感じましたね。どんどんうつ状態になっていきました」

そんなある日、吉川さんはついに部屋を片づける決意をする。

「とにかくなにもうまくいかず、メンタルもギリギリの状態。とりあえず部屋だけでも片づけよう、という思いから、片づけ本や収納の本を購入。見様見真似でとにかく片づけまくりました。一心不乱に片づけをして1カ月くらいが経ったとき、突然大学から新しい求人が出たと言われ、受けることに。見事、正社員で採用してもらうことができました。さらに、別れたはずの彼ともよりを戻すことができ、『部屋がキレイになった途端、なにもかもうまくいっている!と気が付き、すっかり片づけに魅了されてしまいました

就職したものの、すぐに退職。収納スタイリストの道へ

so many outfits it's hard to choose
kupicoo//Getty Images

無事就職した吉川さん。しかし、1年も働かないまま、収納の道へと進むことになる。

「大学卒業後、冠婚葬祭関連の会社でカメラマンとして就職をしたのですが、すぐに自分は会社員に向いていないことに気が付きました。そんなとき、雑誌でインテリア実例コンテストが開催されていたので、応募してみることに。なんと、カラーコーディネート賞を受賞することができました。そこで雑誌社の人たちと繋がりができたことで、フリーランスのライターに転身しました。ライターとして細々と活動をしていたら、『片づけの先生として雑誌に出てみない?』とお誘いを受けたんです。そのころ、20代の片づけの先生は世の中にいない時代だったので話題を呼び、さまざまなメディアで取り上げていただけました。そこから整理収納アドバイザーの資格なども取り、どんどん片づけの世界に引き込まれていくことになったんです」

部屋を片づける意外なメリットとは?

portrait of happy young woman enjoying sunlight
Westend61//Getty Images

基本的にはめんどくさがりで、未だに片づけは好きではないと話す吉川さん。しかし、自身の経験を通して、また仕事でお客さんに指導するなかで、片づけには片づけ以上にメリットがあると感じているという。

①判断力がつく

頭がクリアになるので、判断力がつき、優先順位をつけられるようになりますね。片づけをするときは、手放すものと必要なものを判断する練習を繰り返し行います。ひとつひとつ仕分けていると、やっているうちにどんどんスピード感を持って判断できるようになるんです。そうすると、人間関係でも優先順位を付けられるようになるので、不要なお誘いは断ることができます。レストランでメニューを決めるのが早くなるうえ、他人の意見に流されず自分で決断するので、後悔することもなくなります。人生は選択の繰り返し。選択のたびに迷っていると時間を無駄にしてしまうので、ぜひ判断力を養いたいですね

②自己肯定感が上がる

「私も含め、片づけられない人は自己肯定感の低い人がとても多いです。片づけられないことに悩みすぎて、どうして片づけられないんだろう、そんな自分が嫌だ、と深く悩まれている方もいらっしゃいます。『ごめんなさい』という言葉を使う頻度が多いんです。しかし、こういった方が片づけ力を身につけると一気に顔色が変わり、自己肯定感が上がっていきます

③新しいチャレンジができる

片づけられるようになると、時間や自分の頭の中に余力ができます。私のお客様でも、片づけ力を身につけたことによって新しい趣味を始めたり、新しい仕事を始めたり、新たなチャレンジができるようになった、という声がとても多いですね」

④家族関係がよくなる

家族や夫婦関係がよくなるケースもかなり多いです。あるお客様から、『旦那が家を散らかすので片づけたい』と言われご自宅に伺ったら、実際は奥様のモノで部屋がいっぱいになっていたんですね。しかも、買ったのに使わず、新品のモノばかり。よくよく話を伺うと、旦那様があまり帰ってこなくて寂しい思いをしていたことが原因でした。憂さ晴らしさでモノを買っていたんですね。そこで、使わないモノは売るなどして手放し、旦那様が帰ってきてくつろげる家にしました。そうすると、だんだんと旦那様が早く帰ってくるようになり、翌年に二人目のお子さんが誕生。夫婦仲がよくなったんです。このように、モノが増えてしまう原因が別にあり、しっかりそれを把握したうえで整理整頓することで家族関係がよくなるケースはとても多いです。また、逆のケースも。部屋を片づけてみたら、『本当にいらないのは夫だった』と気が付き、離婚をして海外に行ってしまったお客様もいました」

クローゼットは“負のオーラ”の温床

crop shot of woman looking into wardrobe low angle
Paul Viant//Getty Images

「片づけたい」とリクエストが多いのは、クローゼットとキッチンだという。とくにクローゼットは負が溜まりやすい場所で、ぜひ片づけてほしいと吉川さんは話す。

「女性の2大片づけたいエリアは、クローゼットとキッチン。毎日使う場所で、かつ頻度が高いからです。とくにクローゼットは1日の最初に開くものなので、ここが整理整頓できていないと、1日のスタートがうまく切れない。いいクローゼットというものは、自分の着たい服がすぐに見つかります。しかし、片づけられない人は、服の数が多く、自分がその日着たい服がサッと見つけられない。なかには『こんなもの持っていたかしら?』と思うようなモノがたくさん出てくる場合も。クローゼットを整理することで、気持ちもスッキリして、1日も有意義に過ごすことができますよ

年内にクローゼットをスッキリ! モノも脂肪も捨てられない人のための「やせる収納」メソッドを伝授

吉川永里子 デトックス 収納

クローゼットは“自分を映す鏡”であり、片づけの要。年内にスッキリとクローゼットを整えて、なりたい自分になろう。

ウィメンズヘルスは12月4日(土)と12月11日(土)の2日間、『カラダと部屋の毒出し祭り』イベントを開催。不用品も、脂肪も、厄も手放して、自分らしく心地よい状態に整えるためのオンラインセミナーを受けることができる。今回記事に登場していただいた収納スタイリスト・吉川永里子さんによる「やせる部屋」と、開運アドバイザー・愛新覚羅ゆうはんさんによる「強運を呼ぶ部屋」の作り方の2つの講座を行う。

「Detox me Fes〜カラダと部屋の毒出し祭り」の詳細はこちら

『やせる部屋』とは、パッと見たときにどこになにがあるかわかる収納がされている部屋のこと。今自分が使っている、本当に必要なものだけがある部屋です。やせるための基本と片づけは似ていて、インプットとアウトプットのバランスがとても大切。家が片づいていない人はインプットが多すぎるので、そのバランスを整えて、キレイな状態を維持できる状態にしましょう」

チケットは「古着deワクチン」がセットに!

古着deワクチン

今回のイベントは、不要な洋服やアクセサリー、バッグや靴を寄付することで発展途上国の子供たちにポリオワクチンを寄付できるサービスとして話題の「古着deワクチン」(価格3,300円)がセットになっている。古着deワクチンは、「捨てる」のではなく「手放して寄付する」ことで、社会貢献ができる素敵な仕組み。セミナーの中で「古着deワクチン」を使った具体的な手放し方もレクチャーするから、「捨てられない女」もみるみる手放せる!

「今回のイベントで、正しい整理力の付け方をお教えします。整理整頓は継続することで部屋も心も変わるので、その継続するきっかけをぜひイベントで作りましょう。家がスッキリすると、自分自身もスッキリします。さらに今回は古着deワクチンもセットなので、手放して、社会貢献もすることができる。2021年の間に、手放せる女になりましょう!

1講座5,000円のチケットが2講座でなんと6,510円で購入できるお得な2Daysチケットもご用意。1講座だけはもちろん、2講座とも参加すれば最強のデトックスに。ぜひ2021年最大の「毒出し祭り」に参加して、心と体、環境のデトックスを成功させ、新しい年を最高の状態で迎えよう!

「カラダと部屋の毒出し祭り」

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¥5,000
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お話を伺ったのは……

収納スタイリスト・生き方スタイリスト
吉川永里子さん

整理収納アドバイザーの資格を取得し、2008年より収納スタイリストとして活動を開始。片づけられない女だった過去の経験を活かし、「片づけはストレスフリーに生きる近道」をモットーに、ざっくばらんに整理収納について説く。働くママ・妻・女性の目線で行うライフスタイル提案が好評で、個人宅のアドバイスから、メディア出演・講演など、テンポのいい分かりやすい言葉で全力サポート。これまでに10000人以上に片づけをレクチャー。プライベートでは、離婚・再婚・ステップファミリーとなり、賃貸住宅で夫と4人の子ども達に囲まれて暮らす。

Headshot of Kaoru Sawa
Kaoru Sawa
ウィメンズヘルス・エディター

美容・ダイエットを中心とした記事を担当。自他共に認める美容マニアで、ハマり症。その気質から、自分が挑戦する取材企画には必ず結果へのコミットにこだわる。男性ライフスタイル誌、女性向けアプリメディアなどを経て、2021年までウィメンズヘルス編集部に在籍。