少なくとも1日2回は歯を磨いた方がいいということを知っている人は多いはず。では、デンタルフロスも1日2回使った方がいいことをご存じだっただろうか?

ロサンゼルスの審美歯科医のビル・ドーフマン医師によれば、「歯ブラシでは歯の間をきれいにすることができないので、デンタルフロスをしなければ危険な細菌が口の中に残ってしまいます」とのこと。

口臭を生むことに加え、有害な細菌は虫歯につながる可能性もある。そのため、少なくとも1日2回デンタルフロスを使用することが最善だが、さらに可能であれば、食事や軽食、甘い飲料を口にするたびにフロスを使うことが望ましいという。

4月18日の「よい歯の日」を前に、歯科専門医が教えてくれた、デンタルフロスの使い方を改めておさらい。

フロスの正しい使い方は?

young woman flossing her teeth, closeup
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フロスを巻いた指に唾液が付いてしまうのは決して楽しいプロセスではないが、フロスをできるだけスムーズに行うための手順はある。「そのすべては、バランスを見つけること」と言うのは、サンフランシスコの歯科医ヘレン・モー医師。

「強くやりすぎると歯茎にダメージを与える可能性があります。いっぽう、優しすぎると汚れを落としきれない可能性もあります」

モー医師が勧める、効果的なデンタルフロスのリズムを見つけるために役立つ手順は以下のとおり。

  1. 約45〜50cmのデンタルフロスを用意し、中央を約5cm残すように両中指に巻きつける。
  2. 親指と人差し指でフロスを持ち、歯の間で丁寧に動かしていく。
  3. 動かす際は、歯の両側面に巻きつけるようにフロスを曲げること。上下左右に動かし、どの表面もしっかりきれいになっていることを確認して。
  4. 次の歯に移る時は、フロスのまだ使用していない清潔な部分を使用。
  5. フロスを歯茎に当てると出血するので注意。

とは言え、奥歯にフロスを当てるのは前歯の時より難しい場合も。「やりにくい場所には、“ループ(輪)方式”を試してください」とモー医師は言う。

「デンタルフロスを取り出し、手の大きさくらいの輪を作り、二重結びで固定します。できた輪っか状のフロスを、人差し指を使って奥歯に当てていきます。長いフロスを普通に指に巻いて使用するより、ループ状にする方が固定しやすいでしょう」

また、クラウン(被せ物)がある場合でも同じ手順で問題ないそう。「クラウンが適切に施されていれば、通常の歯のようにデンタルフロスを使用しても問題ありません」と教えてくれたのは、NYにあるアームストロング・デンタル・スタジオの歯科医オマール・アームストロング医師。クラウンは自然の歯の輪郭を模倣しているため、同じテクニックでも問題ないのだという。

フロスピックの正しい使い方は?

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ピックタイプのデンタルフロスはD字型(※他の形もあり)をしており、Dの直線部分にフロスが張られている。多くの人はフロスを指に巻きつけるよりも簡単だと感じているようで、特に出先などでフロスをする場合には便利なものかもしれない(バッグやお財布にも入れやすいのが嬉しい)。

では、糸巻きタイプのフロスと同じ効力を発揮してくれるのだろうか? 答えはNo。

「糸巻きタイプのように歯ごとにフロスを変えることができないため、いくつかの欠点があります」とモー医師は説明している。「糸がほつれやすくなり、汚れも落としにくくなります。また、ピックをすべての歯の表面や角度に合わせることも難しいです」

つまり、通常は糸巻きタイプのデンタルフロスを使用することが理想だが、例えば会議の前にサッと歯を綺麗にしたい時などには、フロスピックの方がベターだとモー医師はアドバイス。

ただし、「器用さには個人差があるため、フロスピックの方が使いやすい場合もあるかもしれません」「この場合はピックの不利な点に注意し、口内の健康を維持するために適切に対応しましょう」とモー医師。

ウォーターフロッサーの正しい使い方は?

water flosser
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歯列矯正をしたことがある人のなかには、ウォーターフロッサーを使用したことがある人もいるかもしれない。ウォーターフロスは加圧水を当てて歯に付着した粒子を取り除くが、ドーフマン医師によれば、デンタルフロス以上の効果は期待できないという。

「何もしないよりはマシですが、デンタルフロスに置き換えることはできません」とドーフマン医師。ただし、歯ブラシやデンタルフロスが届きにくい部分を掃除するには最適のツールであるとのこと。

モー医師も「ウォーターフロッサーをデンタルフロスの代わりに使用するべきではありません」と同意見。「通常のルーティーンで不足ないのであれば、ウォーターフロッサーは必要ないでしょう。ただし、磨きにくい場所を掃除するための補完ツールを探しているなら、ウォーターフロッサーを試す価値はあります」

モー医師によるウォーターフロッサーの利用ガイドは以下の通り。

  1. フロッサーの先端が歯と並行になっていることを確認。
  2. 歯茎のライン、または手の届きにくい場所に水を当てる。
  3. フロッサーの先端をゆっくり動かしながら歯全体に当て、汚れを落としていく。

歯磨きの前と後、フロスをするのはどっちがベター?

our love shines as bright as our teeth
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イリノイ州に拠点を置く歯科医のレスリー・B・ワーデル医師は、歯を磨く「前」にデンタルフロスをするべきだと断言する。「眠っている間に、暗く温かい口の中で細菌の量は2倍以上になります。つまり、20億個の細菌と共に眠りにつくと、40億個の細菌と共に目覚めることになるのです」

できるだけ早くこの細菌を取り除くためには、朝一番にデンタルフロスに手を伸ばすべきだそう。まずフロスで歯垢や汚れを取り除き、綺麗な歯に仕上げるために歯磨きをするのが◎。

デンタルフロスを正しく使って、歯と口の健康を手に入れて!

※この記事は、海外のサイトで掲載されたものの翻訳版です。データや研究結果はすべてオリジナル記事によるものです。

Photos: Getty Images Translation: Ai Ono From Women's Health

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Madeline Howard
Freelance Writer

Madeline Howard is a writer, editor, and creative based in Brooklyn. Her work has been published in Esquire, Nylon, Cosmopolitan, and other publications. Among other things, she was formerly an editor at Women’s Health. Subscribe to her newsletter ‘hey howie’ at madelinehoward.substack.com.