誰にでもあることとはいえ、避妊ピルを飲み忘れると、次々と疑問が浮かび、徐々に不安が増してきて、そのうち限界に達する。昨日の分も飲んだ方がいいのかな?これで気持ち悪くなったりするかな?近いうちにセックスするなら、別の手段でも避妊した方がいいのかな?

まあ、そう焦らずに。アメリカ版ウィメンズヘルスが専門家に聞いた、これを読めば全ての謎が解けるはず。

避妊ピルを飲み忘れたら、妊娠しちゃうの?

「ピルの効果は、指示通りに飲んでこそ得られるものです」と語るのは、『She-ology: The Definitive Guide to Women’s Intimate Health. Period』の著者で女性の健康に詳しいシェリー・A・ロス医学博士。つまり、よく言われる “99%の避妊効果” は、正しい用法、つまり来る日も来る日も同じ時間にピルを飲んだときにだけ得られるもの。

うっかり飲み忘れると、ピルの効果は一段と低くなり、妊娠の確率が異なる割合で高くなる。この割合に影響するのは、以下の2つの要素。

・生理周期のどのステージにいるか

・どの種類のピルを飲んでいるか

2つ目の質問に頭を傾げている人は、自分のピルをよく見てみよう。米ミシガン大学の産婦人科学教授、ローレン・オーウェンズ医学博士によれば、全てのピルが同じなら、それは恐らくプロゲステロン単体ピル。違う色のピルが1週間分入っているなら、複合ピルの可能性が高い。

それでも分からないときは、医療専門家に聞いてみて。自分のピルのタイプが分かった人は、そのピル特有の情報をピックアップしていこう。

Hands of young girl holding a pregnancy test
Carlo107//Getty Images

複合ピルを飲んでいるなら

プロゲステロンとエストロゲンが入った複合ピルを飲んでいる女性が、「新しいシートの1週目で飲み忘れ、過去5日以内にセックスをした場合、予定外妊娠のリスクが高くなります」とオーウェンズ医師は注意を促す(ほとんどの女性はこのタイプを飲んでいる)。

プラセボ錠なら飲み忘れても大丈夫。プラセボ錠にはホルモンが入っていないため、避妊成功率には影響しない。

プロゲステロン単体ピルを飲んでいるなら

プロゲステロンしか入ってないピルの場合、飲むのが3時間以上遅れると妊娠する可能性がある。

通常、プロゲステロン単体ピルにはプラセボ錠が含まれていないので、飲み忘れたときは細心の注意が必要。

避妊ピル以外の避妊対策もするべき?

複合ピルを飲んでいるなら

「複合タイプの経口避妊薬は排卵を防ぐので、必ずしも予備の避妊対策やアフターピル(緊急避妊薬)を使う必要はありません」とオーウェンズ医師。「でも、2回以上飲み忘れた場合は例外です」

オーウェンズ医師によると、前回のシートの後半または現在のシートの前半で2つ目のピルを飲み忘れ、避妊なしのセックスをした場合は、アフターピルを飲んだ方がいいそう。

セックスはしていないけれど、前回または今回のシートでピルを2回以上飲み忘れた場合には、コンドームを使うこと。

ホルモン入りのピル(プラセボ錠ではないピル)を連続して7日間飲むまでは、予備の避妊を続けて。オーウェンズ医師が言うように、それまではセックスを控えるのもあり。

condom in female hand isolated on a white background
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プロゲステロン単体ピルを飲んでいるなら

オーウェンズ医師は、プロゲステロン単体ピルを飲むのが3時間以上遅れた場合、2日連続で時間通りに飲むまでは、予備の避妊を行うよう勧めている。

ピルを飲み忘れた後にセックスをした場合には、アフターピルの服用を検討しよう。

2日分まとめて飲むことによる副作用は?

オーウェンズ医師とロス医師いわく、飲み忘れたピルは気付いた時点ですぐに飲み、次のピルはいつも通りに飲むべき。

2日分まとめて飲むことによる最も一般的な副作用は、ホルモン量の増加が原因の吐き気。食べ物と一緒に飲むと、気持ち悪くなりにくいと感じる女性もいるそう。

避妊ピルの飲み忘れを防ぐには?

どちらの医師も、日常的なタスクを終えた後にピルを飲むよう勧めている。例えば、夜の歯磨き後。歯磨きをすることで、「ピルの時間」であることを思い出すというわけ。スマホのリマインダ機能やアプリを使ってもいい。

何度も飲み忘れてしまい、そのたびに妊娠の心配をしている人は、IUD(子宮内避妊用具または避妊リング)のような別の避妊ツールを検討してみよう。「ピルを毎日飲むはずの人が頻繁に飲み忘れると、ホルモンバランスがひどく乱れてしまいます。避妊ピルと同じくらい効果的なオプションは他にもあります」とロス医師。医療専門家に相談し、自分に合った避妊法を見つけよう。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Brittany Risher Translation: Ai Igamoto