腸活で免疫力アップ! 風邪予防の救世主「ヨーグルト」の真実
風邪予防のためにも味方につけたいのが、ヨーグルト。今回は、便秘外来を行い、腸内環境を専門とする小林メディカルクリ....
風邪予防のためにも味方につけたいのが、ヨーグルト。今回は、便秘外来を行い、腸内環境を専門とする小林メディカルクリニック東京院長の小林暁子先生に、腸と相性のよい“Myヨーグルト”、そして免疫についてお話を聞いた。
Photos:Getty Images
腸が健康だと、風邪を引きにくくなる!
小林暁子先生は何と22年間、風邪をひいたことが一度もない!「クリニックには1年中、風邪やインフルエンザの患者さんがたくさん訪れますが、私のみならず、クリニックのスタッフも病欠はほぼありません」と小林先生。
同じ環境にいても風邪やインフルエンザにかかる人とかからない人がいるのは、個々の免疫力に違いがあるから。「人の体の全免疫システムの7割は腸に存在します。腸の中にある免疫組織が24時間元気で働けるように、腸内環境を良好に保っている人は、風邪をひきにくいと言えます。“腸を守れば体を守れる”と覚えてください!」
また、風邪を引いたときに抗生物質を摂取するのは、実は逆効果とか。「抗生物質は善玉菌も悪玉菌も、腸内細菌をまとめて殺してしまうので、せっかくの免疫力を発揮できなくなってしまいます」。
腸が不調…そんな時は、約6日間のファスティングにトライ
6日間のプランは以下のとおり。
準備期1~2日間 和食中心。量はいつもより少なめに摂取して、体を慣れさせる。
ファスティング2日間 3つのルールで過ごす。
① 食事を酵素ジュース(または野菜・果物100%ジュース)に置き換え、固形物を取らないようにする。
② 豆乳を1日200~300ml飲む。
③ 水を1日1~2L飲む。
※ヨーグルトを含む動物性の乳製品やカフェイン、アルコールは控えましょう。
復食期間1~2日間 おかゆや具のない味噌汁などを取りながら、徐々にフルーツや和食中心の通常食に戻していく。
「ファスティングは数カ月に1度程度にとどめましょう。また、体調がよい日を選び、もし異常を感じたら直ちに中止してください」と小林先生。
腸を健康にするヨーグルトは “相性”が重要
腸内環境をよくして免疫力を上げるには、食事がポイント。特に善玉菌を増やしてくれる乳酸菌、ヨーグルトは強い味方に。
「今、さまざまなヨーグルトが市場で販売されています。風邪やインフルエンザのウイルスを抑えることで知られるR-1乳酸菌、それから、免疫機能を活性化させるLB81乳酸菌など、機能性ヨーグトも多々ありますが、乳酸菌自体に整腸作用は期待できるので、機能にこだわらなくても大丈夫です。ただし、乳酸菌にはひとりひとりの腸との“相性”があります。ヨーグルトの力を最大限発揮させるためにも、自分の腸と相性の良いヨーグルトを見つけることが大切です」と小林先生。
腸に効くレシピ「ヨーグルトフムス」
材料(2人分)
ひよこ豆(水煮)100g、水適量、塩適量、オリーブオイル大さじ1、パセリ適量、好みの野菜(大根、ニンジン、キュウリなど)適量
A 水切りヨーグルト30g、練りごま(白)小さじ2、レモン汁大さじ1と1/2、ニンニク1片、クミンパウダー少々
作り方
1 ひよこ豆の水気を切り、豆は軽く洗っておく。2 フードプロセッサー(ミキサーでもOK)に、Aを入れてよく撹拌し、なめらかにする。3 ひよこ豆を2回くらいに分けて入れて、その都度撹拌する。4 水を少しずつ加え、ディップ状(好みの硬さ)になるまでよく撹拌する。5 塩を加えて味を調える。6 器に盛り付け、オリーブオイル、パセリを添える。7 野菜を添える。
※水切りヨーグルトの作り方は、キッチンペーパーや清潔なふきんをざるに敷き、プレーンヨーグルトを流し入れ、冷蔵庫で半日置きます。重しをのせれば短時間でOK。
※写真はイメージ。
イライラした時の特効薬は“笑顔”!
「現在、少なくとも1,200万人が便秘や腸内環境の不調で悩んでいるといわれています。朝食抜き、ランチの早食い、深夜のドカ食い、イライラしてばかりの日常、運動不足…これらはすべて、腸の不調につながりますが、現代人のライフスタイルは、まさに腸にとって大迷惑と言えます。ヨーグルトを取るだけでなく、生活習慣もあわせて見直すことをおすすめします」。
「腸のぜん動運動は副交感神経に支配されているので、自律神経を整えることが大切。特に朝、自律神経を副交感神経から交感神経にスイッチできれば1日、整います。朝日を浴びたり、深呼吸などで心を落ち着かせ、乱れたままの自律神経で出かけないことをおすすめします。そして、イライラしたら“笑顔”!自律神経が整いますよ」。
「便秘外来を開設して以来、患者さんの腸が整うと驚くほど不調が消えていくのを見てきました。便秘が治ることで肌の調子がよくなり、性格も明るくなり活動的に。それから、肥満や更年期症状まで改善される例もありました。人生で今がいちばんキレイな気がする! と言う方も…。腸は免疫力だけでなく、私たちの心や体と深くかかわっている臓器です。腸を整えれば人生が変わる、そう断言しても過言ではないと思います」。
今回お話を聞いたのは、小林暁子先生
小林メディカルクリニック東京院長。医学博士。順天堂大学医学部卒業後、順天堂大学総合診療科での経験を経て、便秘外来・内科・皮膚科・女性専門外来など全身の不調に対応するクリニックを開業。人気の便秘外来では2.5万人以上の便秘患者の治療に携わり、髙い実績を挙げている。著書に『医者が教える最高の美肌術』(アスコム)、『2週間で腸が若返る! 美腸ダイエット』(世界文化社)など。
DATA●小林メディカルクリニック東京
東京都港区赤坂2-3-5赤坂スターゲートプラザ 2F tel. 03-3589-3717
診療時間:10時13時半、15時〜18時 ※完全予約制
休診日:日曜、祝日
http://www.kobayashimed.com
内科、皮膚科、アレルギー科のほか、便秘外来、更年期外来・女性外来、自律神経外来、漢方外来、美容皮膚科など。「病気にならない身体と心を目指す医療」を心がけている。