コレステロールを下げ、お通じを改善し、体重を減らしやすくするという食物繊維の能力は数多くの研究が明らかにしてきた。でも、やはり良いモノは摂りすぎることがある。最近の食物繊維は、ポリデキストロースやイヌリンという見知らぬ名前で意外な場所(ヨーグルトやダイエット炭酸飲料の中)に隠されているので、過剰摂取に気付くのが難しい。その内容をアメリカ版ウィメンズヘルスからご紹介。

公認管理栄養士のケリ・グラスマンは、「食物繊維を摂りすぎると逆効果になることもありますよ」と注意を促す。非消化性植物物質である食物繊維を摂りすぎると、食べ物が体内を大急ぎで通過してしまうため、ビタミンやミネラルなどの必須栄養素が吸収されないばかりか、皮肉なことに便秘にもなる。便秘になるのは、食物繊維が水分を吸い上げ、グラスマンの言う“老廃物の大渋滞”が小腸に生じるほど消化が遅れてしまうから。食物繊維の過剰摂取の副作用には、お腹のハリや下痢も含まれる。

この不幸を避けるには、1日21~25gの食物繊維をできるだけ自然食品から摂取すること。これはベビーニンジン80本、オレンジ5と1/2個、またはピーナッツ2カップに相当する量なので大変かもしれないけれど、自然食品の大半には、体が必要とする水溶性と非水溶性の食物繊維が自然な割合で含まれている(水溶性食物繊維は水分を吸い上げ、消化を遅らせ、血糖値を調節する。一方の非水溶性食物繊維は、ホウキのように消化管を掃除する)。豆類やオートミールなどの全粒穀物は、両タイプの食物繊維の優秀な供給源。

食品に加えられる機能性食物繊維にも似たような作用があるかもしれないけれど、まだハッキリとは分かっていない。グラスマンの話では、機能性食物繊維も非消化性。ただし、食物繊維が豊富な食品に見られる他の栄養素は含んでいない。また、機能性食物繊維が加えられた食品は、そもそもあまりヘルシーじゃない。過剰な食物繊維で消化管を不注意に苦しめないよう、成分表や原材料名をチェックして。“食物繊維強化”と書かれた商品には特に要注意。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Jill Waldbieser Translation: Ai Igamoto