ストレス解消からダイエットまで、思わず泳ぎたくなる水泳のメリット13
水泳は体力をつけ、心臓の健康を保つ全身運動。
頻繁にプールへ通う人は頭の回転が速くなったり、メンタルが健康になったり、肺活量が増えたりもする。
それに加え、日頃のトレーニングに週一回のスイミングを加えれば、心臓病や2型糖尿病などの慢性疾患、さらに脳卒中の予防にもなるそう。
今回はイギリス版ウィメンズヘルスが水泳インストラクターのエミリー・モリッシーに取材を行い、水泳の効果について専門家の意見を聞いた。
この記事を読んだら、あなたもプールへ行きたくなるはず!
1.メンタルヘルスを促進する
水泳は最中にスマホを使えない数少ないスポーツ。SNSをチェックするのも物理的に不可能なので、デジタルな刺激を受けずに過ごす時間を作るのにはちょうどいい。
「プールに浸かるだけでストレスが減り、気持ちがより穏やかになる人も多くいます」とエミリー。
「習慣的な運動によって幸福感を与えるホルモンが分泌されるので、不安や憂鬱を取り除き、脳の健康を保てるのです」
また、地元のプールだけでなく自然の中で泳げば恩恵もより大きいとのこと。「泳ぎ方を身に着ければ、美しい自然の中で泳ぐ機会も増え、いい思い出をつくるきっかけにもなります。」
また、12週間プールに通うことで、同期間ヨガを行うのと同等にストレス解消できるとの研究結果も出ている。
2.多発性硬化症が楽になる
水の中では浮力によって四肢をサポートされながら運動ができるので、多発性硬化症の人を助ける運動にもなりうるそう。とある研究では、水泳をしている患者としていない患者の痛みを20週間かけて測定した結果、泳いだ患者の間では感じる痛みが減ったという。
3.筋肉量を増やし、シェイプアップも
19歳から64歳の人が健康でいるためには、一週間で最低150分の有酸素運動が必要だとされている。速めのスイミングなど激しい運動なら75分、一週間合計で一時間ちょっとで十分。
フィットネス目的で泳ぎたいときは、単純に泳ぐスピードを上げればOK。これによって筋肉もつけることができる。「ほとんど全身のシェイプアップが可能ですが、水泳を頑張っている人なら特に腕や上半身、太ももが引き締まります」とエミリー。
水泳は常に水という抵抗がある運動なので、筋肉に負荷がかかりシェイプアップに繋がる。
4.有酸素運動なのに低衝撃
ランニング前後の体のサポートが大変と感じる人、ひざや足首を痛めている人にも、走るより泳ぐのがオススメ。
「確かにランニングやサイクリングのほうが水泳に比べて消費カロリーは多いのですが、水泳なら体に負荷をかけすぎないで心拍数を上げられます」
「ランニングを行うと、腰・足首・ひざに体重の5~10倍の負荷がかかるのに対し、水が体を支えてくれる水泳なら体の重みが、すなわち関節や筋肉や骨への衝撃が90%も減らせるのです」
5.安眠の助けにも
水泳は有酸素運動なので、有酸素酸素運動が睡眠の質を上げるとする研究結果とも結びつけられる。
運動する習慣に加えてしっかり睡眠を取れる環境を整えておくと、眠りの質が向上し、生活の満足度も上がるとのこと。
6.妊娠中でも比較的安全
もちろん妊娠している最中に適切な運動には個人差があるため、新しくトレーニングを始める前には医師と相談すること。だが、水泳は多くの場合妊娠中でも安心してできる運動といえる。
さらに、妊娠の初期から中期にかけて水泳をしていた人のほうが早期陣痛などのリスクが少ないという研究結果もある。
7.体を動かしにくいときにも
体を自由に動かせるのが当たり前な人が多い中、ひょんなことで怪我や動きづらさに見舞われることもある。そんなときこそ水泳だとエミリー。
「水に支えられて体の重みと関節への負荷が減るため、水中は陸上ではできない運動をするのに最適なのです」とのこと。
プールの中では体の大部分を常に使っているので、調子の悪い部分を悪化させずにトレーニングが可能というわけ。ただし、怪我をしている場合は医師に相談することもお忘れなく。
8.泳ぎ方がたくさんある
トレーニングにバラエティが少なくなりがちな人は、様々な泳ぎ方を試して新鮮さを保とう。
・平泳ぎ
・背泳ぎ
・横泳ぎ
・クロール
・バタフライ
・自由形
泳法を変えると使う筋肉が変わるうえ、クロールのように激しい有酸素運動になるものから、平泳ぎのように持久力を試すのに向く泳法まである。
エミリーいわく、特定の泳法で長く泳げない時は、間違った泳ぎ方をしていないか見直すべし。
「テクニックをうまく身に着けていない人は、瞬発的に泳いだ後、完全に止まって回復しないと続かない場合が多いですね」
「正しいテクニックを覚えて、より簡単に、ペースを変えながら泳げるようにしましょう」
9.特定の部位を鍛えることもできる
ジムに行かなくても、身一つでワークアウトができるのも水泳の特徴。体全体を動かせる運動だが、特定の部位を動かしたいなら以下の泳法を試してみて。
平泳ぎ
速度は遅めだながら、全身のトレーニングには最適な泳法。上半身と背中、胸部をしっかり鍛える。また、水の中へ息を吐くので胸への抵抗が増え、肺機能の向上にもつながる。
さらに、足の動きも比較的複雑なので、太ももやふくらはぎも引き締めやすい泳法。
クロール
スピードの出せる泳法で、一番マスターしやすいと感じる人も多い。こちらも全身をシェイプアップできるが、クロールの強みは上半身の引き締めに特化している点。
クロールは三角筋、つまり肩と背中の横側にある筋肉、及び腕の三頭筋と二頭筋を活用する泳法なのである。
背泳ぎ
この優雅な泳法をマスターすれば、正しい姿勢も身に着けやすくなる。体の中心部や胸筋を鍛えるにも適した泳ぎ方。背中全体と太ももをシェイプアップしたいなら、背泳ぎがオススメ。
バタフライ
続けることさえできれば、カロリー消費はダントツのバタフライ。パワーが必要な泳法なので、まずは上腕二頭筋・三頭筋を強くして挑むべし。
肩を回転させることで三角筋が鍛えられ、背中や胸に加えて脚を激しく動かす必要があり、体の中心を鍛えるのに集中した泳法だ。
10.泳法を混ぜても全部上達できる!
様々な泳法を試すのは、トレーニングにバリエーションを持たせる以上の意味もある。長く泳ぐ場合は、継続的に運動している筋肉や関節を休ませることにつながる。
「どの泳法も互いを補っているのです。すなわち、背泳ぎが上達すればクロールや平泳ぎの上達にも繋がります」
エミリーは、泳ぎ方を「分解」してから再び「組み立てる」練習が上達するコツだという。
「一つの技に集中して、完璧にするのが大切です。一つの泳法を練習するにしても、しばらく腕を使わずキックだけで始めてから、腕も使って泳法を完成させる。逆に足は浮かせるだけで、腕に集中した練習をしてもいいでしょう」
特定の部位に集中することで、泳法全体を理解し、より良い運動ができるというわけ。
11.頭もよくなるかも
オーストラリアのグリフィス大学で、5歳以下の子ども7000人を対象に知能と水泳の関係性を調査したところ、水泳をしていた子供は他の技能も身に着けやすくなっていたとの研究結果が発表された。
頻繁に泳いでいる子どものほうが泳がない子どもに比べて運動技能が優れており、言語の習得や計算も得意とのこと。
これはもう泳がない理由がない!
※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: Lydia House Translation: Emi Ito