全粒穀物で作られた食品なら、何でもヘルシーだと思っていた人は、栄養成分をよく見てみよう。”全粒粉”と記載されている製品でさえ、ヘルシーとは程遠いものもある。ハーバード公衆衛生大学院が行った研究によると、認定スタンプ(米国穀物協会が定めた全粒穀物パンの表示に関するガイドラインに満たしている場合のみ、認定スタンプを包材に表示することができる)が表示されているほとんどの製品は、栄養価が低いと判明したそう。研究者は、545種類の全粒穀物でできた商品を分析し、それぞれの栄養成分を調査した結果、カロリーや砂糖が多く含まれているだけでなく、全粒穀物100%でできた商品よりも、割高だったという。

アメリカの場合、政府が定めた規則により、企業側が製品に”全粒穀物”と表示するためには、製品の重さに対して、原材料の51%が全粒穀物であることが求められている。つまり、残りの49%は、精製された穀物や、健康に悪い材料を使用していても問題ないということ。そもそも全粒穀物には、食物繊維やビタミンが豊富に含まれているので、心臓病や2型糖尿病、肥満予防に役立つと言われている。一方で、精製された穀物は、このような疾患の発症リスクにつながるため、健康に良い食品と悪い食品を見分ける知識が重要なのだそう。

そこで今回、食品を選ぶ際に役立つシンプルなルールをアメリカ版ウイメンズヘルスにシェアしてくれたのは、管理栄養士のヘザー・バウアー。その第1ステップは、栄養成分表示と原材料名を必ず確認することだそう。

魅力的な”ワード”に騙されない

理想は、100%全粒穀物で作られたもの。「オールブラン」「マルチグレイン」「全粒パン」「小麦で作った○○」など、政府に規制されていないこのような言葉やフレーズは特に意味を有しないため、安心して買わないように。バウアーいわく、包材に記載されたこのようなスローガンは、むしろ消費者を惑わすものだそう。

原材料表示の順番に注目する

一番に記載されるべき材料は、全粒粉。ただし、その後ろに砂糖やトランス脂肪が表記されているものは、避ける方が賢明。2番目や3番目にくる原材料名は、原材料に占める重量の割合が多いので、無意識のうちに、不要な砂糖やトランス脂肪でお腹を満たしてしまうことも。

「10:1」の比率を基準にする

全炭水化物10gあたりにつき、食物繊維が1g含まれる必要があるので、食物繊維と炭水化物の含有量は必ず確認しよう。「例えば、炭水化物が30g含まれる製品には、3gの食物繊維が含まれるべきです」と、バウアー。「10:1」の比率を満たす製品は、満たしていない製品に比べ、砂糖やナトリウム、トランス脂肪の含有量が低い傾向にあることを、ハーバード大学の研究者が明らかにしたそう。

ヘルシーな選択をするためには、「選ぶ目」を持つことから。アメリカと日本では制度は違うけれど、原材料や栄養素のチェック法などは同じなので、ぜひ参考にしてみて。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Dana Leigh Smith Translation: Yukie Kawabata