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いつものメニューに取り入れれば、筋力とリフティング能力が高くなる 「日常的な動作」 って何だと思う?
オーストラリア版ウィメンズヘルスが紹介するのは 「重たい物を運ぶ」 動作。これだけシンプルならマスターできそう!

個々の筋肉を鍛えるために考案されたエクササイズとは違い、「重たい物を運ぶ」 ことはあまりに日常的な動きなので、やっていることにすら気付かないかも。でも、全身をまんべんなく鍛えたいなら、こんなにも効果的なエクササイズはない。

「恒常的な筋緊張」による利点

重たい物を運ぶには、全身の筋肉を収縮させ、所定の距離や時間に到達するまで、その収縮を維持する必要がある。だから 「直立の姿勢をキープするのが大変」 と話すのは、認定ストレングス&コンディショニングスペシャリストのトニー・ジェンティルコア。「これは基本的に、全身のアイソメトリック (等尺性筋収縮)運動だよ」

この 「絶え間ない筋肉の緊張」 こそが体を強くしてくれる。もちろん、デッドリフトでも筋肉は収縮するけれど、それが続くのはウエートを上げて下げるまでの短い間。一方、重たい物を遠くまで運ぶには、筋肉の緊張を全身で維持しながら一歩ずつ進む必要がある。

これはかなりハードなので、ウエートを下ろすまでに息が上がる。身体能力が不足していたり、緊張した筋肉を少しでも緩めたりすると猫背になるか、左右に揺れるか、ウエートを落とすかのどれかになるだろう。

付加価値

重たい物を運ぶことで握力も強くなる。

アメリカの伝説的ストレングスコーチであるダン・ジョンによると、リフティングの重量を増やす上で最も難しいのは、重たくなったバーをしっかり握ること。つまり、重たい物を運ぶなどして握力を鍛えれば、自己新記録が出やすくなる。

握力の強さで寿命の長さも分かるそう。握力によって、収縮期血圧(心臓が収縮したときの血圧=上の血圧)よりも高い精度で、心臓疾患による死亡率が測定できるという研究結果さえ出ている。

「重たい物を運ぶ」 エクササイズ

今回、紹介するエクササイズのフォームをマスターしたら、常に自分を追い込むことがポイントだ。「重たい物を運ぶ」 のだから、重たくなければ意味がない。ジェンティルコアによると、例えばエクササイズの一つ、「ファーマーズキャリー」では、自分の体重の半分程度のウエートを使うけれど、最終的には自分の全体重を担げるようになるのが理想だ。

どうしても猫背になったり片側に傾いたりするのなら、素直に重量を下げよう。また、セット中に早歩きできるのは手を抜いているか、効果が半減しているサインなのでNG。

ジェンティルコアは、ゆっくり動きをコントロールしながら、足の裏全体を地面につけてウエートを運ぶようアドバイスしている。「自分でコントロールするのが思ったより大変なことに、すぐ気付く」 。スペースが少なくて長い距離を確保できない場合でも、ゆっくり歩くのがおすすめ。

エクササイズのポイント

まずは、以下のエクササイズのどれかひとつを2~5分練習してみよう。必要に応じて止まり、ウエイトを下ろすのはいいけれど、休憩は短く。5分なんて余裕かと思いきや、やってみると大変。

このエクササイズはワークアウトの最後に組み込んで。さもなければ、デッドリフト、プルアップ、ロウといった握力を使うエクササイズが困難になる。

バリエーション① スーツケースキャリー

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重たいダンベルかケトルベルを1つ片手で持ち、体の横で下げる。体幹に力を入れて、一歩ずつコントロールしながら進む。左右の肩の高さをそろえ、ウエートを持った側に体が傾かないようにしよう。

バリエーション② ファーマーズダブルキャリー

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スーツケースキャリーの両手バージョン。重たいダンベルかケトルベルを両手に1つずつ持ち、体の横で下げる。体幹に力を入れて、一歩ずつコントロールしながら進む。背中が丸まったり、体が左右に揺れたりするなら、ウエートを軽くしよう。

バリエーション③ アームラックドキャリー

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ケトルベルかダンベルを1つ片手で持ち、肩の高さでラックポジションに=胸と顎の間で構える。次に、体幹に力を入れて歩き始める。親指を肩に押し付けると、ウエートが体から離れない。

ボーナス クロスボディキャリー

上記3つのコツを掴んだら、このバリエーションでレベルアップ。ケトルベルかダンベルを1組用意し、片方はラックポジションで構え、もう片方は反対の手で持つ。ラックポジションにあるウエートを頭上に押し上げ、もう片方のウエートは体の横で下げる。

体幹に力を入れて歩き始める。頭上でウエートを持つ手を体から離したり、左右に揺らしたりしないこと。ウエートの重量は、今の自分がどれだけの重さを頭上に押し上げ、コントロールできるかによるので、いつもより軽めのウエートで始めてみるのがいいかもしれない。

この記事は当初、アメリカ版メンズヘルスに掲載されました。

※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Lauren Bedosky Translation:Ai Igamoto Photo:Getty Images