自分の体に最適な炭水化物の種類を特定すると、何年も避けていた食品、例えばタリアテッレに体がうまく反応し、体重が減ることに気付くかもしれない。
反対に、一般的にはヘルシーと言われているけれど、あなたには体重増加につながる炭水化物もあるかもしれない。
「過去に低炭水化物ダイエットで体重を減らした人が、炭水化物の量を増やし、体重をさらに減らすこともある。食生活に炭水化物を取り入れることで、より良い結果が出る人は多い。もちろん、自分の腸に合った炭水化物を知っているのが前提だから、大事なのは適切な炭水化物の種類と量を特定することだね」とウルフ博士は続ける。
これはもう、パスタが自分の体に合っていることを祈るしかない。
専門家たちは、この個別のアプローチこそが未来のダイエット用食事プランだと主張する。「万人に同じ食事ガイドラインを当てはめるのが不可能なのは明らか」と語るのは、イスラエルのワイツマン科学研究所を経営する計算生物学者、エラン・シーガル教授。
「研究をしていると、食品に対する反応が人によって大きく異なることに何度も気付かされるよ。だから、食事指導をする立場にいる人は、その内容をパーソナライズしないと」。シーガル教授が2015年に行った研究では、血糖反応(糖質を摂取した後の血糖値の変化)が人によって大きく異なり、遺伝、運動量、体脂肪率、腸内微生物叢といったさまざまな要素の影響を受けることが分かった。ウルフ博士に言わせれば、これは「過去50年で最も重要な研究結果のひとつ」