「炭水化物を食べたら太る」なんて時代遅れ! ヘルシーな炭水化物とは?

04 March 2019

「炭水化物を食べたら太る」なんて時代遅れ! ヘルシーな炭水化物とは?

「炭水化物をカットして痩せる」というのは、少し前の考え方。炭水化物は原料の味方にも敵にもなり得る。そしてそこには個人差があることがわかっている。今回は、ヘルシーな炭水化物についての最新研究をUK版ウィメンズヘルスからご紹介。


“ヘルシー” な炭水化物とは?

炭水化物に対する消化器系の反応は人によって違う。

生化学者でダイエットエキスパートのロブ・ウルフ博士は、著書『Wired to Eat』の中で、“ヘルシー” な炭水化物(キヌアやサツマイモ)と “アンヘルシー” な炭水化物(精白パスタや菓子パン)に関する現代人の考え方は間違っていると説明している。

彼の持論は、「異なる人の体内では、異なる炭水化物が異なる血糖反応を引き起こす」というもの。つまり、体重を健康的に減らすには、自分の血糖値を急上昇させる(=脂肪が減らない原因の)炭水化物を特定し、それを避けるのがベストだとか。

「1980年代初頭に血糖インデックス(GI値)のガイドラインが発表されてからというもの、ダイエット中は、精白パスタやパンなどの高GI食を避けるのが当たり前とされてきた」とウルフ博士は語る。「でも、最近の研究結果は、引き締まった健康な体を維持するために食べるべき “ヘルシー” な炭水化物が、人によって大きく異なることを示している」


もっと炭水化物を食べていいの?

自分の体に最適な炭水化物の種類を特定すると、何年も避けていた食品、例えばタリアテッレに体がうまく反応し、体重が減ることに気付くかもしれない。

反対に、一般的にはヘルシーと言われているけれど、あなたには体重増加につながる炭水化物もあるかもしれない。

「過去に低炭水化物ダイエットで体重を減らした人が、炭水化物の量を増やし、体重をさらに減らすこともある。食生活に炭水化物を取り入れることで、より良い結果が出る人は多い。もちろん、自分の腸に合った炭水化物を知っているのが前提だから、大事なのは適切な炭水化物の種類と量を特定することだね」とウルフ博士は続ける。

これはもう、パスタが自分の体に合っていることを祈るしかない。

専門家たちは、この個別のアプローチこそが未来のダイエット用食事プランだと主張する。「万人に同じ食事ガイドラインを当てはめるのが不可能なのは明らか」と語るのは、イスラエルのワイツマン科学研究所を経営する計算生物学者、エラン・シーガル教授。

「研究をしていると、食品に対する反応が人によって大きく異なることに何度も気付かされるよ。だから、食事指導をする立場にいる人は、その内容をパーソナライズしないと」。シーガル教授が2015年に行った研究では、血糖反応(糖質を摂取した後の血糖値の変化)が人によって大きく異なり、遺伝、運動量、体脂肪率、腸内微生物叢といったさまざまな要素の影響を受けることが分かった。ウルフ博士に言わせれば、これは「過去50年で最も重要な研究結果のひとつ」


なぜ炭水化物を食べていいの?

イギリスの低炭水化物ダイエット市場に400億円相当の価値があることを考慮すれば、炭水化物を食べても痩せられる。

ウルフ博士によると、「ワイツマン科学研究所の研究結果には誰もが驚いた」そう。「被験者の中には、バナナを食べると血糖値が著しく上昇するけれど、加工度の高いビスケットを食べた後の血糖反応は良好な人もいた。アイスクリームでは大丈夫だけれど、白米を食べると血糖値が上がる女性もいたよ。未精製の炭水化物を問題なく大量に摂取できる人と、控えめ(1日100~150グラム)に摂取するべき人がいるのかもしれない」

英キングスカレッジ・ロンドンの遺伝疫学教授、ティム・スペクターによれば、食事に異なる反応を見せ、その原因が腸内微生物叢の違いにあることを実証した研究もあるそう。


高炭水化物の食事に向いているかを確かめるには?

自分にとって “ヘルシー” な炭水化物を特定したい人のために、スペクター教授の研究チームは、微生物叢の遺伝子を分析する検査を開発した(分析対象は便)。この結果から、増やすべき炭水化物と減らすべき炭水化物を管理栄養士が教えてくれる。

科学者たちは、この先の5年間で、この手のテストが血圧測定と同じくらい一般的になると考えている。「便を分析することで、スリムな体を維持するタイプの微生物叢(マイクロバイオーム)や、体重を減りにくくするタイプの微生物叢の存在を特定し、その現状を変えるために食べるべき食品を正確にアドバイスできる」 とスペクター教授は説明する。「体重を減りにくくする腸内微生物叢は、うつ病、アレルギー、がんなど、ありとあらゆるものに関連している。DNAよりも便を分析した方が、その人のことがよく分かる」

うれしいことに、食生活を工夫すれば腸内微生物叢は元気になるそう。「微生物叢は幅広い食品をエサにするので、特定の食品群(炭水化物など)を排除するのは実際とても体に悪い。完全にカットするべきなのは加工食品だけ。それ以外の食品は、群ではなく個別にカットする」ようスペクター教授はアドバイスする。


腸内微生物叢は何をエサにしている?

食物繊維中心の野菜

● アーティチョーク
● リーキ
● 玉ねぎ
● ニンニク

発酵食品

● キムチ
● ケフィア

ポリフェノール

● コーヒー
● ダークチョコレート

栄養価の高い食品を継続的に摂取することが大切。


好きなだけ炭水化物を食べても体重が減るの?

スペクター教授いわく、「大量の炭水化物を食べると急に体重が減ることはない。微生物叢が最適に機能するには、バランスの取れた食事が必要だから」

日本ではスペクター教授の便検査が受けられないし、栄養士を雇えるわけじゃないけれど、自分の血糖値が上がりやすい炭水化物には、自分で気付いてるはず。

「食べた後に幸福感や満足感、エネルギーが湧いてきて、その後数時間はおなかがすかないこともあれば、食べた後におなかが張り、グッタリした惨めな気分になる上に、すぐおなかがすくこともあるだろう。血糖値を急上昇させるのは後者の食事」。でも、忙しい現代人が体の声に耳を傾けることは少ない。

ウルフ博士によると、「避けるべきだと自分なりに感じている食品があるとしても、モニターでハッキリした数字を見ると、本気で食生活を変えようという気になる」そう。それに、大好きな炭水化物で血糖値が上がる結果になっても、それを完全にカットする必要はない。

「その食品を控えめに摂るようにすればいい。毎食ではなく1週間に少しだけ食べるようにしてみて」とウルフ博士はアドバイスする。また、さまざまな炭水化物への反応が、時間の経過や生活習慣の変化に伴って変わることもあるので、3~4カ月おきにチェックするのが理想的。十分な睡眠を取り、前向きでいることもダイエットには不可欠。これでコッテリした料理が、もう一度楽しめるようになるかも。

 
※この記事は、UK版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Kate Wills Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images

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