Martial arts uniform, Dobok, Martial arts, Hapkido, Uniform, Kinomichi, Aikido, Taekwondo, Karate, Hand, pinterest

自分が安全で快適な場所からあえて追い出すような「挑戦」を、最後にしたのはいつ? カナダの作家でモチベーショナルスピーカーのロビン・シャーマの話を聞きながら、考えてみよう。

「同じ年を75回生きて、それを人生と呼ぶな」

これといって決めていたわけじゃないけど、何か新しいことに挑戦し、人生に少し変化を持たせようという決意を持って、最近40代に突入した。誕生日カードに書かれた年齢の末尾に、新たなゼロがあるのを見れば、誰でもそんな気持ちになるのかも?

新しい経験がしたいという強い意欲はジェットコースターやスカイダイビング、バンジージャンプなど、絶叫系が全部嫌いという私の性格によって抑えられてきた。でも、今こそ挑戦のとき。私は息子のテコンドークラスの見学席……過去5年間座り続けた場所から立ち上がり、生徒としてフロアの中心へと足を進めた。

そして奇跡が起きた。すぐにではないけど、嘘ではない。最初のうちは恐怖や吐き気、不安、痛み。そして、さらなる痛み! すごく恥ずかしくもあった。

でもその後まもなく、まったく予期していなかった本当に素晴らしい効果が、人生全般に現れ始めた。それを活かした私の今の仕事は、女性たちが不安な気持ちを脇へ置き、テコンドーのようなマーシャルアーツに挑戦し、それが人生をどうやって “ものすごく良くする” のかを、自分自身で理解するのに必要なサポートと励ましを受けられるようにすること。

しかも、そのメリットは身体能力の向上やダイエット、筋肉の強化だけではない。もちろんそれも大事だけど、どっちかっていうと分かりきったことだと思わない?

そこで今回は、テコンドーの驚くべき「5つの利点」をまとめてみた。トレーニングを始めたばかりの私がそうだったように、最初は絶対気づかないし、今の私のようにテコンドーに情熱を傾けなければ、絶対に聞いたこともないようなメリットばかりだ。

これであなたも、幸先の良いスタートが切れるはず。

1.自分に自信がつく!

私はいつもかなりアクティブな方だったけれど、テコンドーを始める前にやっていたエクササイズは、「運動しなきゃいけないから、とりあえずやっていた」ようなものだった。グループレッスンやダンスっぽい動きは、それなりに楽しくて、それなりに私をフィットにしてくれた。

でも今振り返ると、その手のエクササイズには明白なゴールがないことが問題だった。体重をたくさん減らす必要はなかったし、試合に勝ったり、ゴールを決めたときのような勝利の喜びも、アドレナリンの大放出もなかった。テコンドーのベルト昇格に向けて頑張る中で得られる達成感はすごい。今まではできなかったキックをマスターしたり、前屈ストレッチで鼻がすねにつくようになったり。

小さな成果の一つ一つが自分に対する自信につながる。一生懸命頑張れば、何でもできると本気で思わせてくれる。本当に素晴らしい気分。

2.友好関係を深めれば、あなたはいつでも守られている

マーシャルアーツのようにあまりメジャーじゃないことを始めると、たくさんの人々とのつながりが一気にできる。非常にユニークな経験を共有する仲間だから。他の友達とはつながり方がちょっと違うんだけど、これには理由があると思う。

理由1.マーシャルアーツのトレーニングは、相手との距離が非常に近い。人のパーソナルスペースに、これでもかと入り込む。柔術の道場で行われる演習ほど、バリアを取り壊して新しい友達を作るのに適した場所はない!

理由2.小さなステップの一つ一つが、マーシャルアーツを極める過程でどれだけ重要かを理解できるのはマーシャルアーツを学ぶ人だけ。昇段したとき、自分のベルトに小さな白いテープが加わったのを一緒に喜んでくれる。彼らには、それを手に入れることの大変さが本当に分かっているから。

instagramView full post on Instagram

3.「ストレスの緩和作用」がある!

いろんなものにパンチやキックを浴びせるのは、すごく気持ちいい! やったことがないなら、お願いだからやってみて。あなたは自分をスポーティーなタイプじゃないと思っているかもしれない。パンチやキックは、どちらかというと男のやることだと思っているかもしれない。

でも、テコンドーで最初に学ぶパンチとキックには、パワーも強さもスキルもほとんど要らない。そして、テコンドーは男のスポーツだという意見だけど、ここにスクープがある。

マーシャルアーツが体や心、精神に与える真のメリットに世界中の女性が気づき始め、群れをなして道場に押し掛けているという。マーシャルアーツは、もう男だけのスポーツじゃない。私のクラスの仲間たちは成人男性や少年、成人女性、少女の人数が同じ。これそこそ、その良い例。

4.子育てにも役立つ

テコンドーの5つの精神は、「礼儀」「廉恥」「忍耐」「克己」「百折不屈」。

この精神をトレーニングと日常生活にも当てはめると、大人でも素晴らしい見識と人生の教訓が得られる。しかも、この教えは子育てに活用できる。

一つの事例をご紹介しよう。

私の12歳の娘が最近高校に入学した。私と同様、娘も年齢の割に小柄で、いじめっ子集団のレーダーをくぐり抜けることはできなかった。それどころか、その小柄を理由に、いじめっ子集団は彼女を標的にした。

私のテコンドーインストラクター、ジャスティン・ワレン先生が成人女性の自己防衛クラスとキッズクラスで最初に教えるのは、こうした“潜在的な襲撃者”が攻撃の姿勢に入る前に思いとどまらせる方法。心の中では何を感じていようと、常に堂々と振る舞い、自信のある面持ちを保つ方法だ。

ジャスティン先生によると、動物界では捕食者が殺す相手に選ぶのは“仕留めやすい獲物”。つまり最も弱い者、病気の者、最も小さい者、群れの末尾で足を引きずっている者をターゲットにする。自信を醸し出せば獲物にならないし、いじめを未然にかわせるかもしれない。この話を娘に伝えたところ、すごく役に立った。

5.脳にも効果的!

マーシャルアーツの演習が脳の健康に良いことを発見した新研究が発表された。マーシャルアーツには、身体的だけではなく、精神的なメリットもあるのだとか。

特に英国のバンガー大学が行った研究では、マーシャルアーツを練習した人の集中力の持続時間と注意力が、練習しなかった人よりも高い結果となった。これには驚き! 認知力の向上が、長く健康な人生を送るのにどれほど役に立つか、ちょっと想像してみて。

この5つがテコンドーに隠された驚くべき利点。これ以上、無理強いできないってくらい、売り込んだつもり。これを読んで、初めてのことに挑戦する気になってくれたといいな。そして、その新しい挑戦を、地元のマーシャルアーツスクールでのレッスンにしてくれるとうれしい!

※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。



Text: Kristy Hitchens Translation: Ai Igamoto Photo: Getty Images

Headshot of Nana Fukasawa
Nana Fukasawa
ウィメンズヘルス・エディター

2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。