ごめんね、お菓子売り場。もう行かないよ。昨年、オンライン医学誌BMJ Openが、アメリカ人が食べる58%の食品は “超加工食品” (別名: 砂糖、油、発音もできない変な化学物質) であるという衝撃的な真実を暴いた研究を発表した。その内容をオーストラリア版「ウィメンズヘルス」からご紹介。
これは、極端にオレンジ色のチーズ味のスナックやキャンディーバーを食べていないからといって、大目に見てもらえるものではない。「基本的に、木や土から採れたままの新鮮な状態で消費者に届かない食品は、どれも加工されている」と言うのは、米国管理栄養士のケリ・グラスマン。成分表に保存料、人工原材料や砂糖 (ほんの数例に過ぎない) の記載があれば、“クリーン” な食品として見なされないと思った方がいい。
つまり、いつもの朝食シリアル、食料棚のパン、そして午後のおやつのプロテインバーですら、すべて加工されているわけだ。ダイエット炭酸飲料をやめれば、体がより健康になるのは周知の事実。ということは、日々の暮らしから加工食品も追放してしまえばいいんだろうか?“クリーン” な食習慣を始めることで、最初の数日そして将来的には何が起こる?
最初の数日
片頭痛が減る
食物繊維の摂取に主軸を置く「F-Factor Diet」のCEOで、同名の著書を出版したタニア・ズッカーボット米国管理栄養士は、「MSG (グルタミン酸ナトリウム)、硝酸、亜鉛硝酸は、頻繁に片頭痛を引き起こす」と言う。ホットドッグや加工肉製品など、これらの原材料を一つでも含む食品を口にすると、20分以内にあなたを苦痛が襲う。
睡眠が改善する
ベッドタイムスナックは、睡眠に大きな支障を及ぼしているかもしれない。「クッキー、プレッツェル、アイスクリームといった加工炭水化物は、血糖値を急上昇させる」とズッカーボットは注意を促す。活気づいた血糖が深夜にあなたを起こし、今度はミッドナイトスナックの時間だと歌い出したら大変だ。
ナトリウムは、睡眠を妨げるもう一つの成分。ポテトチップスやスナックミックスなどの塩分たっぷりの食べ物は体から水分を奪うので、喉が渇いて起きるはめになる。
お腹の調子が良くなる
グラスマンによると、「加工食品ばかり食べていると、お腹の張りやガスから下痢まで、様々な兆候が体に現れる」そう。ナトリウムが水分を体内に維持して嫌というほどむくませてくれる一方で、ガスや下痢といった症状は、体が人工原材料を分解するのに苦労した結果なのだ。
ズッカーボットは、「加工食品をやめて自然食品を食べ始めると、食物繊維の摂取量が増える」と言う。食物繊維は満腹感を持続させるだけなく、体内システムから毒素を排出するのも助けてくれるので、おトイレ事情も安定するというわけ。
一ヶ月後
お肌の調子が良くなる
お肌にとって最大の天敵、それは糖分と炎症。ズッカーボットによると、「糖質と精製炭水化物によってインスリンが生成され」、この小さくても厄介なホルモンが余分な皮脂を作り出し、その結果として吹き出物ができる。パッケージ化されたスナックはやめて、抗酸化物質を含むフルーツや野菜に切り替えれば、シワや濃いシミといった加齢のサインとも戦えるそう。
空腹によるイライラがなくなる
糖分が増えては体がシュガーハイ (糖分による興奮状態) を起こすという悪循環に陥ると、常に疲労がつきまとうようになる。朝9時にドーナツや甘いシリアルを食べても、10時にはお腹が空いて不機嫌に。
「ドーナツの代わりにギリシャヨーグルトとフルーツを食べれば、タンパク質と食物繊維が長時間お腹を満たしてくれる」とズッカーボット。さらに、これらの栄養素は炭水化物や糖質よりも体内で処理されるスピードが遅いため、イライラしては無気力になるという問題も解決する。
長期的には
体重が減る
ここまで来れば当然のことかもしれないけれど、念のため: ニューイングランド医学誌に掲載された研究では、20年間にわたって12万人ものアメリカ人の食習慣を観察。その結果、定期的にチップス、甘い飲み物、そして加工肉製品を食べた人々には、体重増加の強い傾向があることが分かった。ズッカーボットが言うように、「自然食品の栄養価は一段と高く、カロリー量はずっと少ない」。しかも、加工食品を減らせば、炭水化物摂取量も一緒に低下する可能性が高い。炭水化物を燃料として燃やせない場合、体が燃やすのは?そう、脂肪。
関節の痛みが減る
工場で作られた食品をお払い箱にすることで、調子の悪い関節を助けることもできる。グラスマンによると、「加工食品に含まれる化学物質は、細胞の炎症を引き起こし、関節の痛みや関節炎の原因となることもある」そう。有害な科学物質から身を守ろうとする守備モードに体を追い込んでしまうことがなくなれば、膝の痛みも緩和されるはず。
風邪を引きにくくなる
ズッカーボットによると、加工食品に別れを告げて、特にヨーグルトや農作物などのプレバイオティクスやプロバイオティクスを含む自然食品を迎え入れることで、免疫力を高める栄養素や抗酸化物質の摂取量を増やすことができるそう。煩わしい風邪よ、さようなら。
※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text:Lauren Del TurcoTranslation:Ai Igamoto Photo:Getty Images