摂取する栄養を生理周期に合わせて変えるなんて、さらにやらなきゃいけないことが増えるように聞こえてしまう。でも生理に合わせて生活や運動を調整している人もいるのでは? だったら栄養をちょっとアップグレードすることは思っていたより大変じゃないかもしれない。オーストラリア版ウィメンズヘルスから詳しく見ていこう。

まず、生理周期におけるホルモンについて見ていこう。平均的な生理周期は28日で、2つのフェーズで構成される。卵胞期は生理1日目から始まり、脳下垂体が卵胞刺激ホルモン(FSH)を分泌し、卵巣内の卵胞の成長を刺激する。これに伴い、エストロゲン濃度が上昇し、排卵まで子宮内膜を厚くする。生理周期の中盤くらいには、エストロゲンがピークに達し、黄体形成ホルモンが急増する。これによって卵巣から卵子が排出され、排卵が起こる。そして排卵後に黄体期がスタート。この時期にはプロゲステロン濃度が上昇し、卵子が受精すれば妊娠早期をサポートする。卵子が受精しない場合は、プロゲステロンとエストロゲン濃度は低下する。これにより、生理が始まり、再び周期が繰り返される。

多くの研究で、食生活が月経前症候群(PMS)に与える影響が注目されている。PMSは胸が張ったり、膨満感、頭痛、気分の落ち込みなどの症状を指す。PMSは排卵後から始まり、プロゲステロン濃度の上昇に関連する。もしPMSに苦しんでいるなら、いくつかの栄養素が有効だそう。ある研究では、PMSに悩む女性が、生理開始15日目から周期の終わりまで、必須脂肪酸1-2グラム含むサプリメントを毎日摂取したところ症状が軽減した。研究結果によると、カルシウムもまた重症度を軽減させると見られ、カルシウムとビタミンD(太陽光を浴びると生成され、カルシウムの吸収を調節するビタミン)を組み合わせて補給すると、症状を緩和できるそう。

半径50メートル以内でチョコレートの匂いを嗅ぎつけることができるのは、黄体期のホルモンの変動よる食欲のせいだと考えられ、研究では甘いものやハイカロリーの食べものへの渇望が排卵後に上昇することがわかっている。炭水化物が豊富な食物はセロトニンを増加させ、この時期の気分の落ち込みをチャラにすることができるという説がある。繊維質が豊富な炭水化物(全粒穀物やライ麦パン、豆類、玄米、パスタ)を多く食べると、血糖値や安定した気分を維持するのに役立つかもしれない。

生理が本格化する時期には、2つの栄養素を考慮するといい。鉄分は血液に含まれるので、血液を失うと鉄分も失われてしまう。なので生理後は鉄濃度がもっとも低下し、出血が多いと貧血になるリスクも高まる。赤身の肉はもっとも吸収率の高い鉄分源だが、非ヘム鉄(緑色葉野菜、豆類、豆腐、ドライフルーツなどの植物性食品に含まれる)も、PMSの症状を減らす可能性が示されているので、補給する価値がある。

生理痛は? オメガ3系脂肪酸(脂っこい魚やクルミ、亜麻仁、チアなどに含まれる)の抗炎症作用は、子宮を収縮させる小さな化学伝達物質であるプロスタグランジンの作用を減退させるのに役立つという証拠がある。サーモンと葉野菜の組み合わせは、チョコレートのような魅力はないかもしれないけれど、つらい痛みを取り除いてくれるかもしれない。

※この記事は、オーストラリア版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Editor of Women's Health Translation: Asami Akiyama