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恍惚とした気分でジムを後にしたことがあるなら、フィットネスがもたらす健康上の利益にあなたも気付いているはず。さらに、新たな研究の結果、ある特定の種類のワークアウトがうつ病に大きな影響を与えることが分かったんだそう。

JAMA精神医学誌に掲載されたメタ分析研究は、過去の33本の研究結果を再検証し、筋トレがうつ症状の著しい緩和に関連していると断定したそう。具体的には、ウエイトリフティングと筋トレがムードの改善、アクティビティへの興味の喪失、自分には価値がないという気持ちを改善するのに役立つことが判明したんだとか。

これらの大きな効果は、対象者の年齢、健康状態、実施した筋トレの種類、トレーニングで実際に体が強くなったかどうかにかかわらず、誰にでも見られた。

この研究論文の筆頭著者であるブレット・ゴードンがTime誌に語ったところによると、人々は筋トレをうつ病の治療法として見ていないけれど、実際には抗うつ剤や行動療法と同じくらいの大きな効果が期待できるという。

「興味深いことに、うつ症状がない成人よりも、軽度~中度のうつ病を疑わせる症状のある成人に大きな改善が見られた。これは、筋力トレーニングが重度の鬱症状に特に効果的である可能性を示している」

今回分析の対象となった過去の研究は、すべて筋トレの効果を実証している。とりわけ効果的な筋トレのタイプは特定されなかったものの、いくつかの文献は45分以下のリフティングが役立つことを示しているそう。

Time誌に対しゴードンは、人々が米国スポーツ医学会のガイドラインに従うべきであることを明確に述べた。このガイドラインは、8~10種類の異なる筋力強化エクササイズを8~12回ずつ、連続しない日程で週2日以上行うことを勧めているそう。

これらの研究結果は出し抜けに現れたものではない。英国スポーツ医学ジャーナルが昨年発表した研究は、エクササイズで血行が促進されると、脳の構造や働き方が変わる可能性があることを明らかにしている。また、エクササイズは新たな脳細胞を作り、ムードを高めるエンドルフィンの分泌に拍車をかけることも分かった。

ブレットの研究は、筋トレとうつ病の間にあるリンクを発見した一方で、筋トレをする人にはうつ症状が少ない理由や、筋トレがうつ病を改善する理由を正確に説明することはできなかった んだとか(例えば、うつ症状の改善が見られた研究対象者は、たまたまウエイトリフティングをする人だったのかもしれない)。

また、うつ病は複雑な病なので、ジムに行ってウエイトを上げれば魔法のように消えると言うのは不可能かつ不適当だろう。

それでも、慢性的なうつ病に悩まされているなら、認可を受けたメンタルヘルスアドバイザーによる指導に加えて、筋トレを始めてみる価値はありそう。身体的にも精神的にも強い自分を取り戻す、さらなる後押しになるかもしれない。

※この記事は、アメリカ版ウィメンズヘルスから翻訳されました。

Text: Korin Miller Translation: Ai Igamoto Photo:Getty Images