オールバーズとアディダスが共創し、世界でも類を見ない超軽量のランニングシューズが発売された。環境問題と真摯に向き合い、オールバーズの低炭素の天然素材とアディダスのシューズテクノロジーを融合させたこの1足は、今後の”運動靴”のあり方を変えてくれるに違いない。プレスカンファレンスで行われた試走会と共にその詳細をお届けする。

気温が0.56℃上がると一般的にランナーのスピードはどれくらい下がる?

答えは、全体の1分25秒もペースが落ちるという。気温の上昇だけで、その分、ランナーは長い時間走らなければならない。

”東京の夏は暑い”。その理由から今年開催された「東京オリンピック2020」のマラソン競技の会場は北海道に移された。ランナーだけでなく、テニス、サッカーなどのエンデュランススポーツは特に気温の変化にコンディションが左右される。そんな背景を知るランナーであり、オールバーズのアンバサダーである福内櫻子さんが今回のカンファレンスのトークショーに登壇。

ランニングシューズ
オールバーズ

「暑い場所、暑い時間を避けるのではなく、これ以上の事態にならないよう、それぞれがこの状況に真摯に向き合わなければらない」と訴えた。

二酸化炭素換算排出量(CO2e)は一般的なシューズの半分以下

ランニングシューズ
オールバーズ
シューズ¥13,500

この日の試走会はこんな環境問題における設問がポイントごとに設けられ、クリアしていくという内容だった。距離は2.94km。この数字は、「FUTURECRAFT.FOOTPRINT(フューチャークラフトフットプリント)」が1足作られるにあたりのCO2e(二酸化炭素換算排出量)である2.94kgに由来した距離だった。ちなみに、一般的なシューズの排出量は約12.5kg人間が1日で排出するCO2eは約1kgということから、環境に配慮されたシューズであることが伺える。オールバーズの知見を活かし、ソールはサトウキビをベースにしたSweetFoam® (スウィートフォーム)、アッパーはリサイクルポリエステルと天然素材テンセルで製造されている。これによって比較モデルとなったランニングシューズ「adizeroRC3」と比べると、カーボンフットプリントは約63%削減されたそうだ。

気になる履き心地は?

ランニングシューズ
オールバーズ

シューズ業界は今、厚底ブーム。筆者も履いているシューズの多くが厚底である。このシューズは、輸送における負荷を下げるためにも軽量化が優先されたということで、かなりミニマルなデザインに。実際走ってみると、そこまで長く走らないジョグであれば十分なクッショニング。また、久しぶりに得た地面の感触。蹴り上げ、踏み込み時に母指球や足指にグッと力が入る感じが印象的なシューズだった。サステナビリティという側面だけでなく、足を鍛えるためにも、こういうシューズを習慣的に取り入れても良いと思った。

オールバーズ
オールバーズ

競い合うのではなく、共に創ることで、より環境問題に対して大きな一歩を踏み出した両社。

アディダスは2025年までにすべての製品のカーボンフットプリントの平均を15%削減、オールバーズは、2030年までに製品ごとのカーボンフットプリントを95%削減するという目標を立てている。

多くの企業が2030年までに行動を起こし始めている。私たち消費者としても選ぶモノの見方の選択肢の一つとして”環境”に配慮することを意識していこう。

「FUTURECRAFT.FOOTPRINT(フューチャークラフトフットプリント)」は12/13より抽選、もしくは12/15より先着順にて数量限定で販売スタート。詳しくは各社ホームページをチェック!

・オールバーズについて:https://allbirds.jp/pages/allbirds-adidas-futurecraft-collaboration

・アディダスについて: https://shop.adidas.jp/stores/article/2021121301

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Chie Arakawa
ウィメンズヘルス・シニアエディター

タレント・アスリートインタビュー・スポーツファッション・ウェルネス記事などを担当。女性誌FRaUでファッション・スポーツ・ダイエットなどの編集キャリアを積み、その後スポーツライフスタイルマガジンonyourmarkのプロデューサーとして在籍後、2022年までウィメンズヘルス編集部に在籍。