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ニューヨークで行われたナイキコレクションで考えるダイバーシティとスポーツの形

夏のスポーツの祭典を楽しむために、知っておきたいスポーツが与えるダイバーシティの意味。

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NIKE

東京で行われる夏のスポーツの祭典に向けて、ナイキがニューヨークでコレクションを発表。アスリートが着用するユニフォームはもちろん、話題の厚底シューズをアップデートした新作や、サステナブルなシューズなどカテゴリーは多岐に渡った。ここで印象的だったのは、ダイバーシティ=多様性に富んだスピーカーとモデルたち。その全貌をご紹介。

アスリート、モデル、ダンサー、キッズ。宗教の垣根をなくし、多種多様に渡ったコレクションアイテム

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
Nike 2020 Forum Highlights | Nike
Nike 2020 Forum Highlights | Nike thumnail
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ニューヨークで行われたナイキのコレクションショーは、豪華キャストたちが揃った。

総勢200人以上の出演者がコレクションのランウェイを歩く

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NIKE

ファッションコレクションのランウェイを歩くモデルから、現役のアスリート、9つのオリンピック金メダルを持つ陸上界のカール・ルイス や女子マラソンで初めて金メダルを獲得したジョーン・ベノイトといったレジェンドアスリートまで多くのモデルが登場。

アスリートカンファレンスで”スポーツが与えてくれるもの”について考える

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NIKE

6人のアスリートがスピーカーとなって行われたカンファレンスで印象的だったのは、”犠牲(Sacrifice)”からの決意をしてきた言葉だった。彼らは、様々な逆境を乗り越え、限られた選択肢の中からアスリートと言ういばらの道を選び、スポーツと対峙してきた選手たちだ。その声を聞くと、名声と栄光の影には血のにじむ努力と、度重なる”選択”の連続であったことに改めて気づかされた。

(写真右から)親に捨てられ、養子縁組を受けたものの、人種の優位性でさらなるハンディキャップを負ったパラリンピアンのスカウト・バセット。イギリスの小さな町で生まれ育ち、コミュニティを広げて、英最速の女王に輝いたディナ・アッシャー。ニューヨークのブロンクスで生まれ、今はアメリカンフットボールのスターであるサクオン・バーカリー。シングルマザーに育てられたリサ・レスリー(現在プロフェッショナルリーグ監督)は、WNBAの試合で史上初のダンクを決めた。リオオリンピックの女子800m金メダリストであるキャスター・セメンヤ。誰もスケーターがいなかった地元でスケートボーディングを始め、オリンピック2020の選手枠を勝ち取ったニコール・ハウゼ。

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リオ金メダリストのキャスター・セメンヤの選択

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南アフリカの北部のリンポポ州で生まれ、サッカーに魅了された彼女。12歳の時、奨学金のことなどの未来を考える時期に差し掛かると、陸上選手としての道を選ぶことにした。その後、オリンピック、世界選手権では輝かしい成績を残すも、男性に多いホルモンであるテストステロン値が生まれつき高いとわかり、世界陸連が出す基準問題を受けてしまうことに。現在は、様々な社会貢献活動をしながら、南アフリカ女子サッカーのトップチームに所属する。

「人生は、信じられる人を忖度せずに考えたいのに、受け入れられない現実も多い。昔は、欲しいものは戦って勝ち取らないといけないと思っていたし、その中で、多くの犠牲を払ったことも多かったと思う。恵まれないところで生まれ育ち、生き延びるために決断し、選択して戦ってきたからこそ結果が残せた。だけど、つぶし合うのではなく、よりよい人になりたいと願うし、自分を愛するという気持ちが芽生えている。そんな今をとても幸せだと感じています」

テクノロジーはポテンシャルを超えたパフォーマンスを生み出すのか?

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話題の厚底シューズが「ナイキ エア ズーム アルファフライ ネクスト%」としてアップデートされ、その全貌が発表された。ナイキ エア ズームを搭載し、耐久性とさらなるエネルギーリターン率を上げたこのシューズ。一時は、世界陸連からストップをかけられるのでは? という局面に立たされたものの、基準値以内ということで、今後の発売時期が気になるところだ。

本題は、このシューズを履いたことによって、”速く走れる”理由にある。”故障のリスク”、”エネルギー消費率”を下げることから生まれたこのシューズのキーワードは”リターン率”。自分が持っている力を最大限に生かすために開発されたこのシューズは、ランニングを継続したいと思うランナーにとっては、体もモチベーションも上げ、トレーニングを持続できるわけだから、ある意味サステナブルなテクノロジーと言っても過言ではない。

生きるレジェンド、カール・ルイスの言葉

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今回のコレクションで登場したカール・ルイス(1979年~1996年に亘るキャリアで4大会連続オリンピック出場)が、世界陸連の基準値騒動に対して発言。

「レザーの重いシューズで履いていた時代から選手だった僕が思うのは、アスリートを理解してテクノロジーを認めるべき、ということ。禁止すべきは”安全性”のための制約であると思う。今回のシューズに関して当然禁止すべきではないと思っている」

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アスリートの結果と記録に、それまでの過程と努力をみてほしい。パラアスリート中西麻耶

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走幅跳びとT44を専門とする日本のパラリンピックアスリート、中西麻耶選手。ドバイ世界パラ陸上競技選手権2019では、幅跳競技で金メダルを見事獲得。今年の夏の祭典でも期待をされている選手だ。

「どれだけギアが進化していこうとも、ギアだけでは結果が残せない。その結果を出すために、血のにじむ努力をそれぞれの選手がしてきたことにまず目を向けてほしいですね」

持続可能の生産とは、循環性のあるリサイクル素材

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ナイキの製造工程の元、工場の床に廃棄されるスクラップを使ってデザインをしたフットウエア コレクション「スペース ヒッピー」 。

・寄付やゴミになろうとしていた使いふるしのTシャツ25%

・工場の繊維廃棄物25%

・プラスチックボトルからできたリサイクルポリエステル素材50%

と、素材、生産方法、包装材などの要素全てがリサイクルを考慮し、作られたシューズコレクションが登場した。

急変する気象変動問題や、環境汚染問題を解決するために考えられたプロダクツ。

今後は、あらゆるイノベーションのプロダクツに対して、循環性を持ったテクノロジーを組み込む予定だという。

また、この夏のメダリスト達は、表彰台でもサステナビリティのメッセージを伝えることになる予定だという。

その時、彼らが着用するのは、環境に配慮されたユニフォーム。100%再生ポリエステルで新しく蘇らせたアイコニックなウィンドランナージャケットや、素材の75%は生産工程から生まれた廃棄物で再利用しているナイキ エア ヴェイパーマックス 2020 だ。

生産方法に”循環性”が問われる昨今。ナイキが出す答えとは、自分たちが廃棄するものをまずは循環して、テクノロジーにしていくことのようだ。

スポーツを通して、得られるもの

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テクノロジーの多様性によって、多くの人たちがスポーツを楽しめるようになり、観る立場としてもカテゴリーの幅が広がった。東京2020の最大のテーマである、ダイバーシティとサステナブルの在り方のひとつをここでも発見してほしい。

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Chie Arakawa
ウィメンズヘルス・シニアエディター

タレント・アスリートインタビュー・スポーツファッション・ウェルネス記事などを担当。女性誌FRaUでファッション・スポーツ・ダイエットなどの編集キャリアを積み、その後スポーツライフスタイルマガジンonyourmarkのプロデューサーとして在籍後、2022年までウィメンズヘルス編集部に在籍。

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