友人の家の玄関で、靴を脱ぐのも礼儀作法のひとつかもしれない。ただ、自分の足のニオイが気になっている人にとっては、それはまさに悪夢。

運動をした後などに体臭が気になるのはよくあることでも、デオドラントパウダーやフットクリーム、フレグランスでも隠すことのできない足のニオイは、何とかしたい大きな問題のはず。

そのニオイの原因は何なのか、解消するための有効な方法にはどのようなものがあるのか、さらにはそのニオイに何か深刻な健康問題が関連しているのかについて、アメリカの「足病学」の専門家たちに教えてもらった。悩んでいるという人は、医師がすすめる対策方法を、ぜひ試してみて!

話を聞いた専門家:米ケント州立大学足病医学校、ニコラス・バトラー助教(足病医学)、ジョディ・ロジェフォさん(看護実践博士・上級実践看護師、皮膚科・家庭医療専門)

嫌なニオイの原因は?

その答えは、「汗」。通常は何のニオイもないものの、汗腺が過剰に働くこと、汗が皮膚の常在菌と混ざることで、嫌なニオイを発するようになる。

こうした状態は、医学的には局所性の「臭汗症」と呼ばれる。この症状があると診断されるのは、「強い足のニオイで、日常生活に悪影響が出ている」という人。ロジェフォさんは、「臭汗症は、自己肯定感、社会関係、生活の質に影響を及ぼします」と説明している。

嫌なニオイを強くする原因にはそのほか、水虫などの真菌感染症、湿ったソックスや足に合わないシューズなどが適切な換気を妨げていること、衛生的な習慣が身についていないこと、などがあるという。

ただ、なかには汗腺が多かったり、大きかったりすることが原因で、大量に汗をかく人(多汗症など)もいるそう。また、臭汗症は遺伝性の場合もあるとのこと。

close up of woman's feets while sitting on bed and putting on slippers
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対策方法

重要なことは、ニオイが気になる部分をできる限り、乾いた清潔な状態に保つこと。バトラー医師は、それを実現するためのヒントとして、実践すべきいくつかのことを、教えてくれた。その方法とは──。

  • 靴下は毎日、または1日に2回、交換する
  • シューズは通気性があるもの、ソックスは通気性と吸湿性に優れた素材のものを選ぶ
  • 毎日入浴し、足は抗菌石鹸で足を洗う
  • 素足で靴を履かない
  • 汗をかいたら、なるべく早く着替える
  • 定期的に軽石やフットスクラブを使用し、足の角質を取り除く
  • 皮膚のpHバランスの調整(弱酸性に保つこと)を助けるアルミニウム塩を含んだ制汗剤を使用する
  • 汗腺の活動を制御するボトックス注射について、皮膚科医に相談する
  • 感染リスクを減らすため、足の爪は定期的に切る

病気が原因の場合も?

ニオイが気になる足の最大のリスクは、感染症。放置している期間が長くなれば、さらなる問題を引き起こす可能性もある。

ロジェフォさんは、糖尿病や皮膚疾患、肥満の人は、感染リスクが高くなることに注意が必要だと指摘している。また、バトラー医師は、炎症や腫れといった感染症の兆候がみられたり、上記のヒントに従って対策を講じてもニオイが解消しなかったりする場合は、医師の診察を受けるべきだとしている。

From Prevention

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Kayla Blanton

Kayla Blanton is a freelance writer-editor who covers health, nutrition, and lifestyle topics for various publications including Prevention, Everyday Health, SELF, People, and more. She’s always open to conversations about fueling up with flavorful dishes, busting beauty standards, and finding new, gentle ways to care for our bodies. She earned a bachelor’s degree in journalism from Ohio University with specializations in women, gender, and sexuality studies and public health, and is a born-and-raised midwesterner living in Cincinnati, Ohio with her husband and two spoiled kitties.

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翻訳者。学業・仕事のため、5カ国の7都市でおよそ10年を過ごす。帰国後は経済・ビジネス関連の文書やニュース記事の翻訳を中心に、ウェルネス系の専門誌やアート関連の書籍、映像翻訳も手掛けるなど、長年にわたってフリーランスで活動。常に新たな情報に触れる仕事柄、心がけているのは、「浅くても、 何でも広く知ろうとすること」。