排便習慣がダイエットに影響を与えるって本当?
気にしていないふりをしないで。
便がどれほど体重に影響するのか気になったとしても、誰かに聞くなんて恥ずかしい。そう思うのは、みんな同じ。気になる排便習慣について、イギリス版ウィメンズヘルスからご紹介。
管理栄養士のミッツィ・デュランが言うように、便が体重に与える影響はごく僅か。「これはかなり単純なことです。排便の頻度や大きさによって、便の重さは1〜4lb (約450〜1800g)の間で毎回異なります。ですから、数日排便がないときは、恐らく便の量は増えるでしょう」
便の重さってどれくらい?
具体的に言うと、便は、75%が水分、残りは細菌や粘液、死んだ赤血球、食べ物残渣(食べ物の残りカス)で構成されている。
トイレで4lb(1800g)分の便を出し切れたとしても、排便と同様に体重の重さは行ったり来たりを繰り返す。言葉を言い換えると、しばらく排便がなければ体重は少し増えるけど、排便をしたあともまた体重が少し減るということ。
どちらにしても、排便が体重に大きく影響を及ぼすことはないのだそう。
減量と、お腹の張りを解消する違いとは?
腹部膨満感(お腹の張り)とは、腹部に空気やガスが溜まることで、膨満感や不快感を生じるもの。とてつもない痛みを伴うこともあり、お腹はむくんで見える。そのため、たとえお腹が膨らみ太ったように見えたとしても、実際には体重が増えてしまったわけではない。
「排便はむくみの症状を減らしてくれるため、服が心地よくフィットするようになり、全体的に痩せたように感じます」と、デュラン。
ダイエットを記録する際は、毎朝同じ時間に、服をあまり着ずに体重を測定して、便の重さに騙されないように、とデュラン。
「トイレにどうしても行きたいときは行って構いません。体重は少し減るはずです。便意がなければ、体重を減らすためにわざわざ便器に座って力む必要もありません。どちらにしても、大差はありませんから」
「排便力」に影響を及ぼしているものは?
排便と体重の関係はほぼなかった一方で、排便習慣にメリットをもたらすものがある。「食物繊維が豊富な食事は、便通を良くする以外にも、減量を促進する働きがあるんです」と話すのは、栄養カウンセリングを提供する「B Nutritious」の栄養士、ブリジット・ザイトリン。
1日を通して十分に食物繊維を摂取していると、食べたものを排出しやすくなり、便秘を防ぐことができるとか。「食物繊維が消化管を刺激して、排便を促してくれます」と、ザイトリン。他にも、高繊維食は特定のがん(特に結腸がん)の予防にも役立ち、血糖値の調節したり、コレステロールを低下させる効果も実証されているそう。
さらに食物繊維を食べると、満腹感を得ることができる。「食物繊維には、果物、野菜、全粒穀物の3つの食品に含まれています。このうちの1つの食品を必ず毎食(間食も含める)に取り入れて、食物繊維を十分に摂取していれば、ダイエットや健康的なライフスタイルをサポートしてくれます」と、ザイトリン。
一方で、食物繊維の摂り過ぎも良くないよう。ザイトリンいわく、女性なら1日あたり5〜30gを目安に摂取するべきだという。この目安量を超えて摂取した場合、便秘になるだけでなく、胃腸障害などを引き起こす可能性もあるそう。
米デューク大学の研究結果では、70g以上の食物繊維を定期的に摂取すると、お腹の張りやガス、下痢、腹痛、食欲の低下につながることがわかっている。食物繊維の過剰摂取は、他の栄養の吸収を妨げたり、深刻な腸閉塞を引き起こす恐れもあるとか。
毎日、適量の食物繊維を摂取していくためには、朝食に、ベリー類やグリークヨーグルト(プロバイオティクスが豊富に含まれ、腸内細菌の健康を増進し、便通を改善する)など、高繊維食材を1カップ分食べるように。昼食と夕食には、2握り分の野菜を摂るように心がけることで、消化管や体重を健康に保つことが可能に。
食事以外の1日の習慣も、排便習慣に大きく影響することを忘れないで。以下の内容に該当する人は、便通があまりよくないかもしれない。
・水を十分に飲んでいない
・ストレスの管理を怠っている
・予定を変えたり、旅行を頻繁にしている(旅先で便秘になりやすい)
・ホルモンの変動を経験している(月経前症候群や妊娠中、更年期など)
・特定の処方薬を服用している
・食事やカロリーの摂取量が日に日に変わる
・定期的に運動をしていない
1日の活動レベルや水分補給、カフェイン摂取と同様に、排便頻度を増やす処方薬ももちろんある。うまくバランスをとることが肝心!
自分の「正常」ってどうしたらわかるの?
”健康”、または”正常”とみなされる排便回数を正確に知りたくても、そんな数字はない。「正常な範囲」ですら、一人一人が違うから。1日に3回から3日に1回の排便頻度なら、一般的に”健康”だと考えられているため、その範囲であれば(痛みや異常を伴わない限り)問題ないそう。
痛みや、普段とは異なる症状が現れている場合は、医師に相談すべきとのこと。状態によっては、胃腸病専門医を紹介されることもある。ペンシルベニア州立大学によると、長期間にわたり(数日間以上)次の症状を抱えている場合は、すぐに病院に電話するか、診察を受けるべきだという。
・一貫して変わった色の便(黒・赤・灰色)が出る、あるいは新たな食習慣による食べ物の影響にも関係がない色の変化がある
・排便回数に突然変化が起きた
・血便がある
・排便時の腹痛がひどい
・便が水に浮いている(感染症の兆候でもある)
・普段の便とは違う臭いや悪臭がする
まとめ
排便の頻度が減少すれば、体重が増えたように感じてしまうけど、実際にそんなことはない。お腹の膨満感や不快感に加えて、排便頻度が減った場合は、実際よりもかなり太ったように思えてしまうもの。
※この記事は、当初アメリカ版ウィメンズヘルスに掲載されました。
※この記事は、イギリス版ウィメンズヘルスから翻訳されました。
Text: SARAH BRADLEY AND ZAHRA BARNES Translation : Yukie Kawabata