トレーニング初心者からアスリートまで、多くの人が取り入れているトレーニング「プランク」。プランクの効果的なやり方や、プランクの効果を最大限に引き出すポイントをご紹介。正しいプランクのフォームを取り入れれば、ダイエットもトレーニングもさらにうまくいくはず。

目次

  1. プランクとは
  2. プランクで鍛えられる部位は?
  3. プランクで期待できる効果は?
  4. プランクがおすすめな理由
  5. プランクの正しいやり方
  6. 効果的なプランクの時間は?
  7. プランクの効果を上げるには?
  8. プランクのNG姿勢
  9. 女性におすすめのプランクメニューが知りたい!
  10. まとめ


1.プランクとは

「プランク」とは、「板」という意味。その名が示す通り、身体を板のようにまっすぐに伸ばしながらその姿勢を維持することで、腹筋を中心とした体幹が鍛えられるトレーニングのこと。パーソナルトレーナーやヨガインストラクターをはじめ、あらゆるスポーツのトレーニングに取り入れられ、男女ともに行われているエクササイズだ。


2.プランクで鍛えられる部位は?

プランクでは、体幹はもちろん、そのほかの部位も鍛えることができる。臀部、背中、大腿四頭筋、肩、上腕二頭筋、上腕三頭筋など、大きな筋肉群にアプローチすることができる。パーソナルトレーナーのルーク・ヒューズ曰く、「プランクが人気を集めるのは、主な体幹の筋肉をほとんどカバーしているからです。プランクを行うことによって、腹斜筋、臀部、背中、腹直筋、腹横筋の筋力を向上させることができます。また、複数の筋肉を同時に鍛えることができる複合エクササイズにもなりますよ」


3.プランクで期待できる効果は?

プランクはケガをせずに長距離を走るために必要な筋力と持久力の両方をつけるのにも役立つトレーニングだ。 プランクで鍛えられる筋肉は、体幹の深部にある筋肉と、背中とお腹の横に走っている筋肉。さらに、プランクを正しい方法で行えば、肩や脚の筋肉も鍛えることができる。筋力トレーニングは、筋肉に負荷をかけて疲労させることを基本としている。この疲労によって筋肉組織に小さな裂け目ができ、それが治ると新しい筋肉組織ができて、代謝率が上がる。これは、筋肉組織が静止状態の脂肪組織よりも多くのカロリーを消費するため。つまり、筋肉が多ければ多いほど、何もしなくてもカロリーが消費されるということになる。プランクは、調節しながら体に負荷をかけることができるので、筋力アップに最適。やせやすい体へ導くエクササイズのひとつと言えるだろう。

それだけでなく、簡単な有酸素運動になるという点も、プランクの大きな利点のひとつ。プランクとスクワットを組み合わせたポップスクワットなどは、心拍数を上げ、筋肉の持久力を高めることができる。

プランクによって体幹を鍛えることにより、よりよい姿勢を保つことができるようになる。首や肩の筋肉が鍛えられることで、猫背を防ぐこともできる。立っているときも座っているときも今までよりも良い姿勢が維持できるはず。また、プランクは、つまずいたり、電車で立っているときの揺れなど、とっさの場合に対応できる体を作れるメリットも。


4.プランクがおすすめな理由

プランクがおすすめな理由1

器具不要。カラダひとつでできる

プランクの最大の魅力は、特別なマシンや器具を必要とせず、自分のカラダだけでできるトレーニングだということ。ダンベルを使うプランクもあるが、自分の体重を支えるのが基本的なやり方。もっと言えば、わざわざトレーニングウエアに着替える必要もないほど、思い立ったらすぐできるのがメリット。そんな手軽さも支持されている理由だ。

プランクがおすすめな理由2

狭いスペースでもできる

プランクに必要なスペースは、自分の身長の分だけ。広いスペースがなくてもできるのが大きな特徴だ。プランクのバリエーションとして足を開いたり、腕を上げたりといった動きを組み合わせる場合は、もう少しだけ周りにスペースを作ろう。とはいえ、それでも大したスペースはいらないはずだ。プランクは、いつでもどこでも省スペースでできるのが利点。

プランクがおすすめな理由3

自分のレベルに合わせてできる

プランクはとてもシンプルなトレーニングなので、運動初心者からできるうえ、強度や難易度を上げればトレーニング熟練者も効果的に鍛えることができる。自分のスキルレベルやフィットネス能力、またその日のコンディションや気分に合わせて、難易度を上げたり下げたりが簡単だ。 通常のプランクを続けるのが苦手な人は、膝を下ろしたり、エクササイズの時間を短くしたりすればOK。また、逆にプランクが簡単すぎると感じたときは、サイドプランクなどのバリエーションを加えたり、ウエイトを加えたりして、プランクをアップグレードすることもできる。

<初心者におすすめのプランク>

慣れないうちは、両手と両膝を床につけて行うなど、よりシンプルな方法がおすすめ。

<慣れてきたらおすすめのプランク>

両手と両膝を床につけてプランクをし、その状態に慣れてきたら、つま先立ちになる。

<さらに難易度を上げたい人におすすめのプランク>

プランクと、スクワットや腕立て伏せなどを組み合わせてみよう。

プランクがおすすめな理由4

腹筋に比べて首への負担が少ない

腹筋で首を痛めてしまうのはよく聞く話。特にデスクワークで猫背になっている人にとっては、首の痛みはつらいもの。プランクなら首に負担をかけずに、腹筋と同様に体幹を鍛えることができるので、肩こりや首の痛みがある人にもトライしやすいエクササイズだ。

5.プランクの正しいやり方

まずは「基本のプランク」のやり方をご紹介。認定ストレングス&コンディショニングスペシャリストのノーム・タミールとスチュアート・マッギル博士に、正しいフォームとホールド時間など詳しく聞いた。

タミールによると、筋肉を最も緊張させるのは前腕プランク。『Runners World+』のコーチで認定トレーナーのジェス・モーヴォルドがデモンストレーションをしてくれた。

プランク

正しいプランクの手順

①まず、前腕プランクのポジションをとる。
②ヒジが肩の真下にあるのを確かめてから、足を腰幅に開く。
③背中をフラットにして、頭と首をニュートラルなポジションに。ヒジを地面に押し付けて、大腿四頭筋、臀筋、体幹をキュッと締める。
④息は止めずに、鼻から吸って口から吐く。


6.効果的なプランクの時間は?

30秒? 2分? できるだけ長く?……プランクのホールド時間の男性世界記録は、シカゴのジョージ・フッドが持つ8時間15分15秒。女性の世界記録は、モントリオールのダナ・グロワッカが持つ4時間19分55秒! そこまでホールドしなくてもプランクの効果を得ることはできるのでご安心を。
「1回あたり1分間のホールドで体幹を鍛えられます」
とマッギル博士。
腰を痛めたことがある人は、ホールド時間を10秒ずつ増やすことで再発を防ぐのがベターとのこと。

タミールも同様に、プランクを無理して長時間する必要はないと言う。「全身の筋肉を思い切り締めていれば、20秒以上ホールドするのも難しいもの。長くて1分。20秒の短いプランクを繰り返した方がいいでしょう
また、「長時間のプランクは利益以上に害をもたらします。4時間のプランクでは、筋肉を緊張させることも鍛えることもできません。そのポジションを維持するだけです。フィットネスで大事なのは日常生活で必要になる実用的な動作です。プランクを長時間ホールドするのは実用的ではありません」とタミールは言う。


7.プランクの効果を上げるには?

より完璧なプランクの効果を得るためのポイントをチェックしよう。

プランクの効果を上げるポイント①

手を握る

athletes working out on sports field
John Fedele//Getty Images

手首に体重をかける姿勢でプランクをする人が多いけれど、負荷を分散し全身を使うためには、手を握って行うのがおすすめ。さらに難易度を上げたプランクがしたいなら、手のひらを床に付けてみよう。これで主な筋肉に刺激を与えながら、強度を上げることができる。

プランクの効果を上げるポイント②

肩を引き込む

three woman in a sunny outdoor environment planking
Catherine Falls Commercial//Getty Images

肩を体の内側に引き込むように意識して行うこと。 背中の上部にある「上部僧帽筋」の働きを制限することにつながり、より効果的なプランクとなる。これでプランクに耐えている間、安定して体を支えられるようになる。

プランクの効果を上げるポイント③

お尻を締める

プランク
Deagreez//Getty Images


お尻に力を入れて締めると、体をしっかり支えられる。腰が反ったり曲がったりするのも防いでくれるので、正しい姿勢で腹筋を使うことができる。

プランクの効果を上げるポイント

両足の間隔を調整する

caucasian woman doing plank at home wearing activewear on a yoga carpet
Strelciuc Dumitru//Getty Images

プランクは、両足の間隔を変えることでエクササイズの強度を調整できる。足の間隔が広いほど簡単に。自分にあった強度で行おう。

プランクの効果を上げるポイント

お腹で息を吸う

young fitness woman doing planking exercise outdoors
DjordjeDjurdjevic//Getty Images

プランクとレーニングでは呼吸の仕方も大切。安定した呼吸をすることに集中すれば、プランクの効果に大きな差がが出る。お腹で息を吸い込んで、口から力強く吐き出すことを意識しよう。


8.プランクのNG姿勢

プランクの効果を半減させるNG姿勢にご注意を。

slim young brunette wearing black gym clothing doing abdominal bridge or front plank exercise in loft apartment
Carol Yepes

腰が反ったり、曲がったりするのはNG姿勢。お尻が上がりすぎていないか、また下がりすぎていないかをチェックして。背中をフラットにして、一枚の「板」になった状態を意識してみて。


9.女性におすすめのプランクメニューが知りたい!

おすすめプランクメニュー①

「交互プランク」

片腕ずつ行ういわゆる「サイドプランク」は、腕や脚も鍛えられるのでおすすめ。さらに、お腹にひねりの動きを加えるのでウエストシェイプにも効果的。慣れたらそのまま支えている方の腕を全部伸ばして強度を高めてみよう。

プランク
Masato Moriyama

(a) 低いプランクの姿勢からはじめる。右腕を上げながら、横を向き、横のプランクの姿勢に。(このときに足も少し回転させる)

プランク
Masato Moriyama

(b) 3秒間止まり、また真ん中の位置に戻る。左側も同じように行う。10回交互に行う(片側5回ずつ)。これを4回繰りかえす。



おすすめプランクメニュー②

「くびれを作るプランク&ツイスト」

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
【くびれ】体幹トレーニングでウエストのくびれをゲット!プランク&ツイスト(3分)
【くびれ】体幹トレーニングでウエストのくびれをゲット!プランク&ツイスト(3分) thumnail
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パーソナルトレーナーの竹内亜矢子さんが紹介する、3分でできる体幹トレーニングをご紹介。ウエストのくびれに効果が期待できるエクササイズ。
プランクで腹部の筋肉を鍛えてコルセット効果を高めつつ、ツイストの動きで胴体をひねり、脇腹の引き締めを促進! ウエストのくびれにつながる運動は、トレーニング上級者にもおすすめのメニュー。

効く部位

・わき腹(外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋)
・お腹(腹直筋)
・二の腕(上腕三頭筋、三角筋)
・背中(脊柱起立背筋群)
・胸(大胸筋)
・その他、バランス、姿勢

筋トレの手順

①肩の真下に手を置く
②肘関節を内側に向ける
③肩幅程度に足を開く
④片手を水平に上げる
⑤息を吐きながら手を差し入れる
⑥息を吸いながら手を戻す

注意点

・手のひらを上にして、奥まで手を入れる
・視線は手のひらの先
・お腹に力を入れ背中が反らないように

回数

片手を5回、反対の手を5回で1セット
それを2セット

おすすめプランクメニュー③

「プランク・タップ」

プランク

片手で身体をキープするのが難しい人におすすめなのが「プランク・タップ」。プランクの姿勢をしながら、片手で上半身や太もも、足首などをタップするエクササイズ。一瞬のタッチだから、片手姿勢が難しいという人もチャレンジして。

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
体幹、腹筋、ヒップ、内ももに効く、プランク
体幹、腹筋、ヒップ、内ももに効く、プランク thumnail
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プランク・タップは、US版ウィメンズヘルスのフィットネスディレクター、ジェン・アトーが考案した、定番のプランクにバリエーションを組み合わせたエクササイズ。プランク・タップはシンプルでありながら、チャレンジングなところが魅力だそう。手や足を動かして不安定な状態になることで、体幹全体を効果的に刺激する。効果が期待できるのは、腹筋だけではない。前方伸ばし、ハンドタップは背中の上部や肩を刺激してくれる。かかとタップや、サイドのつま先タップはおしり、内ももを刺激してくれる。

やり方は、体幹をぶらさないことがポイント! 特に腰を動かさないように意識して。一回ごとに上下や左右に揺れるのではなく、静かにキープすること。速く動かせばよい、というわけではなく、しっかり身体をコントロールすることが大切。焦らず1回ごとにゆっくりと安定した動きになるようにして、体幹、とくにお腹に力を入れることを意識して

もっと強度を上げるなら、ひとつの動きを選んで、いつものプランクと同じくらいの秒数をやってみて。あるいは、3、4種類の動きを続けて10~12回ずつ行って。これをいつものエクササイズの終わりに1、2セット行うか、腹筋のエクササイズとして2、3セット行うのがおすすめ。

おすすめプランクメニュー④

「バランスボールでプランク」

これはyouTubeの内容です。詳細はそちらでご確認いただけます。
バランスボールを使ったエクササイズ(応用編)
バランスボールを使ったエクササイズ(応用編) thumnail
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トレーナーの森川優さんがレクチャーするバランスボールを使ったプランクエクササイズ。定番のプランクよりもバランスボールを使ったプランクは効果倍増! ひじを前後に動かすことで、腹筋と胸筋も鍛えられる。腕が痛くなったり、ちょっと飽きたと思った人はこんな風にバランスボールを取り入れてみるのもおすすめ。バランスボールで腕の負担が軽減されるものの、気を抜くとボールが動いてしまうので、実は難度の高いプランクメニューだ。

10.まとめ

体幹が効果的に鍛えられるプランクは、トレーニング初心者からアスリートまで幅広い人に効果をもたらすワークアウトのひとつ。基本のプランクから応用プランクまで、気分やレベルに合わせてメニューを変えて継続的に取り入れてみて。

※この記事はUS版・UK版ウィメンズヘルスから翻訳された記事と、過去に配信された記事から再編集されたものです。

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Kanna Konishi
ウィメンズヘルス・副編集長

編集者として多くのメディアに携わったのち現職。健康オタク歴20年、趣味は"毒出し"で、体と心と部屋を効率よく整え、環境にもいい健康法を探るのがライフワーク。チアリーダー経験あり、勝手に人を応援しがち。仕事では「心から推せるものしか紹介したくない!」と目を血走らせ、常に情熱大陸に上陸中。 

Instagram: @editor_kanna_purico