毎日の食事が材料となって、体も髪も作られている。だからこそ、健やかな髪を保つためには栄養バランスのとれた食生活も大切。そこで、今回は髪の悩みの原因と美髪に欠かせない栄養成分、髪にいい食べ物、おすすめレシピをご紹介!
(「」内 管理栄養士の岸村康代さん)
【目次】
髪の悩み(パサつきや薄毛)の原因は?
「髪と栄養についての研究は解明されていないことも多いのが現状です。しかしながら、髪も健康的な体や健康的な頭皮があってこそ。髪の毛は頭皮から生まれるので、頭皮の健康状態の影響も大です。健康な頭皮にとっては、食生活バランスの乱れやストレス、睡眠不足などから血行が悪くなったり、栄養が不足してしまうと髪の成長に必要な栄養が届きにくくなってしまいます」
美髪に必要な栄養成分
たんぱく質
「頭皮をはじめとする細胞のもととなる重要な材料となるのがたんぱく質。意識しないと忙しい毎日では糖質に偏りがちなので、たんぱく質は毎食欠かさずに摂るようにしましょう。とくに、たんぱく質食品でも脂質の多い部位(バラ肉等)は控える、揚げ物ばかりを避けること。そして大豆製品や魚などはバランスよく食べてください。大豆製品からは女性ホルモン様作用のあるイソフラボン、魚からは良質な脂質も補えます」
ビタミンB群
「ビタミンB群は皮膚などの代謝にかかわり、健康な頭皮を保つためにも大切なビタミンです。とくに脂質に偏った食事(揚げ物やバラ肉、油の多い炒め物やスナック菓子等の摂りすぎ)を多く摂る人は、頭皮をはじめ肌トラブルを起こしがち。脂質の代謝にも関係するビタミンB2をはじめとする代謝ビタミンは必須です。また、たんぱく質の代謝に必要なビタミンB6などのビタミンB群も健康的な頭皮のために大切といえるでしょう」
亜鉛などのミネラル
「新陳代謝にもかかわり、細胞分裂していく過程でも重要なミネラル。栄養バランスの良い食事をとっている人は問題ありませんが、栄養バランスも悪く、加工食品を多くとる人は亜鉛が不足しがち。健康的な新しい細胞を作るためにも重要なミネラルです」
ビタミンAやビタミンEなどの抗酸化ビタミンやポリフェノール
「ビタミンAは細胞分裂に必要な栄養素の1つ。頭皮をはじめとする皮膚の健康を保つためにもビタミンAが必要です。また、老化の原因となる活性酸素(ストレスや紫外線等でも発生)から肌や体を守るためにもビタミンA・C・E等の抗酸化ビタミンや抗酸化力の高いポリフェノールを摂ることも欠かせません。バランスの良い食事を摂ることを意識しましょう」
髪にいい食べ物
まぐろ、鮭、鶏ささみ肉
たんぱく質とビタミンB6の両方が豊富。まぐろやささみは高タンパク質で低脂肪。鮭は良質な脂質や抗酸化力の高いアスタキサンチンも含まれる。そのほか、あじやサバなども◎。
大豆製品
女性ホルモン用作用や抗酸化作用をもつ大豆イソフラボンが含まれるほか、大豆たんぱく質、ビタミン・ミネラルも含まれる。納豆は発酵食品でもある。
パプリカ
たんぱく質の代謝を助けるビタミンB6、抗酸化ビタミンであるビタミンCやビタミンEも豊富に含まれる。ビタミンC含有量はトップクラス。
にんにく
野菜の中でもビタミンB6がトップクラス。そのほかのビタミンB群も豊富なうえ、抗酸化成分も豊富。
バナナ
果物の中でトップクラスのビタミンB6含有量。ストレス軽減などの研究報告もあるGABAも含まれる。
牡蠣、豚レバー、牛赤身肉、卵(卵黄)
細胞分裂にも必要な亜鉛が豊富。そのほか、鉄やたんぱく質など、様々な栄養が豊富に含まれる。
ヘルシー髪をつくる、1日の献立(例)
朝食
バナナヨーグルト、全粒粉パン、卵
全粒粉にもビタミンやミネラルが豊富。卵からはたんぱく質や亜鉛、バナナからはビタミンB6、ヨーグルトからはたんぱく質やビタミンB2なども補給できる。
昼食
刺身定食(まぐろ・鮭などの刺身、ほうれん草などの小鉢)
まぐろや鮭からたんぱく質やビタミンB6などのビタミンB群が補給できる。ほうれん草などの野菜からはビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB2等も補える。
夕食
レバニラ炒め、豆腐とわかめの味噌汁
レバーからは亜鉛やビタミンA、ビタミンB群、たんぱく質など、豆腐からも植物性たんぱく質、わかめからはミネラルや食物繊維が補給できる。
髪にいい食べ物を使ったレシピ
①鮭茶漬け
recipe by AYUMI
【材料】
・塩鮭…1切れ
・炊いた玄米…90g
・枝豆…適量
・塩…少々
・緑茶…約1カップ分(煎茶でも可)
・トッピング(クコの実、ネギ、海苔、白ゴマ)…適量
【手順】
(準備)
たっぷりのお湯を用意しておく。
1.塩鮭を魚焼きグリルで両面カリッとするまで焼く。魚焼きグリルがない方、鉄のフライパンをお持ちの方はアルミホイルを敷いて油をひかずに鮭を焼いて。フッ素加工フライパンのときは、アルミホイルなしでそのまま鮭をフライパンに乗せ、片面が焼けたら裏返してふたをして中まで火を通して。
2.鮭を焼いている間に煎茶、ほうじ茶などお好みのお茶を1カップ分ほど入れる。枝豆をお湯に入れてゆで、中の豆を取り出しておく。
② サーモンプレート
recipe by AYUMI
【材料】
・刺身用 サーモン…7きれ
・キュウリ…1本
・アボカド…1/2個
・レモン…2/8個
・カッテージチーズ…適量
・ハーブ(ディル、ミント)…ひとつかみ
・エクストラバージンオリーブオイル…たっぷり
【手順】
1.よく洗ったキュウリをまな板の上に縦におき、上から下までピーラーで身をむくように引いていく。リボン状になればOK。
2.アボカドは種、皮を取り除き半分に切る。レモンもカットする。
3.大きめのプレートにサーモン、キュウリ、アボカド、リコッタチーズ、レモンの順にのせ、ディル、ミントを上からふりかける。全体にオリーブオイルをまわしかける。
③タンドリーチキンプレート
recipe by 藤原朋未
【材料】
・鶏むね肉1枚…250g
・ブロッコリー…4房
(A)プレーンヨーグルト…大さじ2
(A)ケチャップ…大さじ1
(A)カレー粉…大さじ1/2
(A)おろしにんにく…小さじ1/2
(A)塩…小さじ1/3
・オリーブオイル…小さじ1
【手順】
1 .鶏むね肉は皮や余分な脂肪を取り除き、一口大のそぎ切りにする。ブロッコリーは下茹でする。
2. ポリ袋に(A)を加えて混ぜ、1を入れて揉みこみ30分以上漬け込む。
3. フライパンにオリーブオイルをひき、中火にかけ2を並べる。2分程焼き、片面に火が通ったら裏返して蓋をし、弱火で3分ほど蒸し焼きにする。
4. 茹でたブロッコリーを加え、味を絡めるように炒め合わせる。雑穀ごはんとミニトマトと一緒に皿に盛りつける。
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④鶏むね肉のインボルティーニ
recipe by 武田春香
【材料】
・鶏むね肉…350g
・パセリ…2〜3本
・くるみ…30g
・クリームチーズ…35g
・塩…小さじ1/2
・ブラックペッパー…適量
・オリーブオイル…大さじ1/2
・粒マスタード…お好みで
【手順】
1.(鶏の準備)鶏むね肉を厚さが均一になるように縦半分に開く。包丁の背で叩いて厚さを整え、塩をふってなじませる。
2.(中身の準備)パセリ、くるみを粗みじん切りにし、小さめのボウルでクリームチーズと練りあわせる。
3.(巻く)2を棒状にまとめる(長さは1の鶏肉の幅よりやや短い程度)。1の鶏の上に棒状にまとめた2を乗せ、巻いて調理用タコ糸で縛る。
4.(焼く)フライパンにオリーブオイルを入れて熱し、3の表面に焼き色がつくまで焼く。
5.(蒸す)4を蒸し器に移して、15〜20分程度蒸す。
6.(仕上げ)5を取り出してタコ糸を取り除き、好みの厚さに切って器に盛る。お好みで粒マスタードを添え、パセリを散らす。
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⑤刻みネギと高菜の納豆チャーハン
recipe by 藤原朋未
【材料】
・高菜漬け…20g
・長ねぎ…1/3本
・納豆…1パック
・卵…1個
・麦ごはん…200g
・しょうゆ…大さじ1/2
・塩こしょう…少々
・ごま油…大さじ1/2
【手順】
1.高菜漬けと長ねぎは粗みじん切りにする。卵はボウルに入れ溶きほぐす。
2.フライパンにごま油をひき、卵を流し入れて半熟状になったら麦ごはんを加えて炒める。
3.ごはんがパラパラになったら納豆、長ねぎ、高菜漬けを加えて納豆の粘りが切れる程度まで炒める。
4.仕上げにしょうゆを回し入れ、塩こしょうで味を調える。
⑥ガーリックバターのチキンブレスト
recipe by AYUMI
【材料】
・鶏胸肉…1枚
・パプリカパウダー…適量
・塩、コショウ…適量
・オリーブオイル…大さじ1
(ガーリックバターソース)
・バター…大さじ1
・ニンニク…1片
・塩…ひとつまみ
【手順】
1.鶏胸肉を肉たたき、もしくは瓶の底や棒で両面をまんべんなくたたく。(たたいておくと柔らかく仕上がります。)たたいた鶏胸肉両面にパプリカパウダーと塩コショウを手で優しく全体になじませる。
2.(ガーリックバターソースを作る)バターを溶かし、ニンニクをみじん切りにして小さなボウルにバターとニンニク、塩を入れて混ぜ合わせる。
3.オリーブオイルをしいたフライパンを中火にかけ、温まったら1の鶏胸肉を入れて両面に焼き色がつくまで焼く。しっかり焼けたら、2のガーリックバターソースを上からかけてオーブンで15〜20分、もしくはフライパンでふたをして蒸し焼きにし、中まで火が通ったら完成!
⑦オイスターグリル
recipe by AYUMI
【材料】
・牡蠣…260g
・全粒粉…適量
・レモン汁…1/2個分
・オリーブオイル…適量
【手順】
1.牡蠣をボウルに入れ水でしっかり洗い、キッチンペーパーで水気をふきとる。
2.1に全粒粉を入れ、牡蠣の両面に粉をまぶす。
3.フライパンにオリーブオイルをしき、中火であたため、2の牡蠣を重ならないように入れ、片面に焼き色がつくまで動かさないように焼く。(ここがポイント!)片面が焼けたらひっくり返し、両面が焼けたら器に盛る。
4.レモン汁をつけていただく。
⑧しらすと卵の雑炊
recipe by 藤原朋未
【材料】
・しめじ…1/2パック(50g)
・しらす…10g
・にら…2~3本(15g)
・卵…1個
(A)ごはん…100g
(A)めんつゆ(3倍濃縮)…小さじ2
(A)水…1カップ
【手順】
1.しめじは小房にほぐす。にらは3㎝長さに切る。卵は溶きほぐす。
2.鍋に(A)としめじを入れて中火にかけ、ごはんをほぐしながら煮る。ごはんが汁を吸ってきたら、にらと卵を加える。
3.卵に火が通ったら、器に盛りしらすをのせる。
⑨ズッキーニ&ニンジン卵
recipe by AYUMI
【材料】
・ズッキーニ…1/2本
・にんじん…1/2本
・オリーブオイル…適量
・卵…2個
・海塩…適量
・コショウ…適量
・チリペッパー …ひとつまみ(なくても可)
【手順】
1.ズッキーニとにんじんを千切りにする。(この時できる限り細くするとGood!)ボウルにそれぞれ入れて海塩、コショウ、オリーブオイルをまわしかけてマリネする。
2.フライパンにオリーブオイルをしき、マリネしたズッキーニ、にんじんをそれぞれフライパンにのせ(写真3枚目参考)、真ん中にくぼみをつける。ズッキーニとにんじんのくぼみに卵を割り入れ、中火にかけふたをする。
3.卵が白っぽくなったらふたをとり、火を止め、プレートにのせる。上から海塩、コショウ、チリペッパーをかけていただく。
⑩バナナブレッド
recipe by AYUMI
【材料】
・熟したバナナ…3本
・オート麦…240g
・卵…2個
・メープルシロップ…70g
・ベーキングパウダー…小さじ1
(トッピング用)
・バナナ…1本
【手順】
(準備)
オーブンを180°に予熱する。型を用意する。
1.すべての材料をブレンダーに加え、なめらかになるまで混ぜる。混ざったら容器にそそぐ。飾り用のバナナをカットして生地の上にのせる。
2.オーブンに入れ50~60分間、180°で中まで火が通るまで焼く。つまようじで中まで刺して焼き具合を確認して。
3.焼けたらオーブンから取り出し冷ます。(中まで火が通りにくい場合は、オーブンから出してアルミホイルで包んでしばらく置いておくとGOOD)
まとめ
下記の3つのポイントで、栄養が偏らないことが大切。
- 材料となるたんぱく質を欠かさない
たんぱく質やたんぱく質の代謝を助けるビタミンB6なども - 頭皮など皮膚の代謝をサポート
ビタミンB群やビタミンA、亜鉛など - 抗酸化ビタミンを摂りつつ、脂っこいものは控える
「手のひら大のたんぱく質に、色の濃い野菜を両てのひらいっぱいを意識して。バランスの良い食事を心がけることが重要。とれないときは、サバ缶や刺身、サラダチキン、納豆などを活用しても良いでしょう。食事は1回摂ったから髪がきれいになる! なんていうことはありません。とはいえ、毎日の食事が材料となって、体も髪も作られるので、手軽に摂りやすい食品から日々補うことが大切です」
2000人以上のダイエットを成功させてきた経験や野菜ソムリエ上級プロなどの資格を生かし、商品開発、講師・講演、メディア出演など多方面で活躍。大人のダイエット研究所では、忙しい大人が無理なく健康になるための食の推進を行っている。著書に『落とした脂肪は合計10トン! 伝説のダイエットアドバイザーが教える 最強のやせ方』(東洋経済新報社) 、『新装版 おからパウダーダイエット』(扶桑社)、『きれいにやせる食材&食べ方図鑑』(家の光協会) など。近著『続食べ ~結果が出る食べ方がカンタンに続く方法』(かんき出版)』発売中。
大人のダイエット研究所HP: otona-diet.jp/
2018年に「ウィメンズへルス」編集部にジョイン。アシスタントを経て、エディターとして美容、フード、ダイエットなどの記事を担当。流行りそうなヘルシーキーワードをいち早くキャッチすることを心がけている。CBDや筋膜リリース、アーユルヴェーダ、植物療法を学ぶ、自他共に認める“セルフケア マニア”。2023年初めてのハーフマラソンに挑戦。