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夏バテを予防する食べ物や食事の簡単おすすめメニューを管理栄養士が解説【レシピ付き】

うなぎは鉄板。疲労を回復させるビタミンB群、炭水化物とともに、汗で流出しやすい鉄分やミネラルをバランスよく!

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夏バテ予防におすすめの食事 冷しゃぶ 夏野菜
Getty Images

暑さ厳しい夏、こう猛暑が続くと夏バテに陥る人も多いはず。寒暖差が激しい場所を行き来したり、冷たいものを過度に摂取すると食欲が低下し、体は元気なはずなのに、なんだかぐったり……。そこで今回、食べ物で夏バテを予防する秘訣を管理栄養士の篠原絵里佳さんにAsk!食材の食べ合わせや食事のメニューのほか、篠原さんおすすめの「うなぎのちらし寿司」のレシピをお届け。

INDEX

  1. 夏バテの3つの原因
  2. 夏バテ予防の3つのルール
  3. 夏バテ予防のおすすめメニュー7
  4. 【コラム】ほてりやむくみ対策に夏野菜を摂ろう
  5. 管理栄養士 篠原絵里佳さんのプロフィール

夏バテの原因~その1 食欲低下で糖質メインの食事に

cold strawberry ice cream
BHOFACK2//Getty Images

暑さや湿気で食欲が低下しやすいシーズン。のど越しのよいうどんやそうめん、それから冷たいアイスにかき氷など“糖質”に偏った食事になりがちに。

ついつい炭水化物メインになり、おかず類の摂取がおろそかになりやすいため、代謝を促すビタミンB群、筋肉をつくるタンパク質、酸素を巡らせる鉄分などが不足しやすくなります。すると必要なエネルギーを生み出すことができず疲労が蓄積し、食欲が低下…とさらなる負のスパイラルに陥ってしまうのです。

夏バテの原因~その2 大量に汗をかく

asian woman drying sweat in a warm summer day
Pheelings Media//Getty Images

夏は汗の量が増え、それと一緒にビタミンやミネラルなど必要な栄養素が流れ出てしまいます。特に女性がもともと不足しやすい鉄分が失われてしまうと酸素を充分に巡らせることができず、エネルギー代謝が低下してしまいます。

夏バテの原因~その3 カロリー不足

small portion of pasta
IngaNielsen//Getty Images

20代〜30代の女性の場合、1日に必要な摂取カロリーは約2000キロカロリー程。ところが夏は食欲が低下しやすいうえに、忙しさやダイエットを理由に1600〜1800キロカロリー程度しか摂れていない人が多いのです。エネルギーが不足しているので栄養を上手に使うことができず、代謝が落ちて夏バテにつながります。

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夏バテ予防の食のルール~その1 主食、主菜、副菜の3本柱を意識

home cooking
kazoka30//Getty Images

栄養素はそれぞれが連動し、補い合って働いています。足りないものがあると他の栄養素を充分に使うことができず、代謝が落ちてしまいます。

栄養をまんべんなく摂るというと難しく聞こえますが、毎日の献立を主食、主菜、副菜に分けてそれぞれの役割を考えることで無理なく補いやすくなります。

夏バテ予防には疲労回復に力を発揮するビタミンB1、B2、B6、それから汗で流出しがちなミネラルや鉄分を意識的に摂りましょう。

1主食
ご飯、パン、麺類といった炭水化物(糖質)。体内に吸収されるとエネルギーを生み出します。特にご飯は、タンパク質、ビタミン、ミネラル、食物繊維なども含む良質な糖質のひとつ。

2主菜
肉、魚、卵、大豆製品を使ったメニューでタンパク質や脂質を摂取。筋肉の材料となり、代謝のよい体づくりに役立ちます。

3副菜
野菜、海藻、きのこ、芋、豆類などを使った副菜で、ビタミンやミネラル、食物繊維を摂取します。さまざまな栄養素の組み合わせで、他の栄養素の働きをサポートします。

夏バテ予防の食のルール~その2 朝ごはんをしっかり食べて体温を上げる

close up view of a healthy homemade breakfast at home
Israel Sebastian//Getty Images

朝食を抜くと体温が上がらず、代謝が低下。さらに体温が低いままだと、夜の安眠に必要な体温低下もスムーズに行われず、睡眠不足で夏バテしてしまうという悪循環に。

また、朝食のタンパク質不足により筋肉量が減ってしまうというデータもあります。朝は忙しくても豆乳やヨーグルト、チーズトーストなどでタンパク質を補いましょう。

夏バテ予防の食のルール~その3 サプリメントを上手に摂る

supplements to take with a spoon
Yagi Studio//Getty Images

日常的に不足しやすい鉄分は、サプリメントで補ってもよいでしょう。特に月経量の多い人は鉄分が不足しやすいので、上質な鉄分のサプリメントを活用して。

鉄分のサプリメントにはヘム鉄、非ヘム鉄といった種類があります。ヘム鉄は吸収率がよいと言われていますが、体質によっては合わない人もいるようです。その場合、非ヘム鉄と一緒にビタミンCを摂取すると吸収しやすくなると言われています。

ここからは、夏バテを予防するおすすめのメニューをお届け!

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おすすメニュー1 うなぎのちらし寿司

うなぎのちらし寿司

夏、疲労回復食の代名詞ともいえるうなぎ。糖質の代謝を促すビタミンB1、糖質と脂質の代謝を促すビタミンB2が豊富で、ご飯との組み合わせもぴったり。筋肉の材料となるタンパク質も補えます。

管理栄養士 篠原絵里佳さん(写真提供)のレシピがこちら。

〈材料 :1合分〉
・米:1合、酒:大さじ1、だし昆布:5cm角1枚
・うなぎかば焼き:1串
・きゅうり:1/3本
・錦糸卵 
 卵:1個、酒:小さじ2、砂糖:小さじ1
A
・酢:大さじ1強
・みりん:小さじ1
・しょう油:小さじ1/2

〈作り方〉
1 米を研ぎ、水200mlと酒を加えてひと混ぜし、だし昆布を入れて炊飯する。
2 きゅうりは小口切りにし、塩(分量外)を振ってしばらく置いたら、水気を絞る。
3 錦糸卵を作る。溶いた卵に酒と砂糖を加えて混ぜ合わる。フライパンに油を加えて熱し、溶き卵を加えて両面焼く。冷めたら細切りにする。
4 Aを器に入れて、電子レンジで40~50秒加熱し冷ます。
5 ご飯が炊けたら昆布を取り出し、ボウルに入れてほぐしてAを加えて混ぜ合わせ、器に盛る。錦糸卵、2のきゅうり、1cm幅に切ったうなぎを飾る。

※1は、普通に炊いたご飯でもOKです。

      おすすメニュー2 ガーリック枝豆ご飯

      edamame
      Robynne O'Halloran//Getty Images

      糖質の代謝を促すビタミンB1が豊富な枝豆、そのビタミンB1の吸収をサポートするアリシンが豊富なニンニクを、ご飯と一緒に炊くだけです。ニンニクは1合につき1~2片を目安に。

      味は塩とこしょうで調え、最後にバターじょうゆを足しても◎。

      おすすメニュー3 冷しゃぶそうめん

      kanagawa, japan
      MIXA//Getty Images

      単品だと栄養が偏りがちなそうめんですが、ビタミンB群が豊富な豚肉と一緒に摂れば手軽な夏バテ予防の一品に。さっとゆがいた豚しゃぶ肉をそうめんにのせ、アリシン豊富なネギを散らしてめんつゆをかけていただきます。

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      おすすメニュー4 あさりご飯

      clam soup and clam rice
      kazoka30//Getty Images

      鉄分が豊富なあさりは、女性におすすめの夏バテ予防食材。手軽なメニューは、あさりの水煮缶を使ったあさりご飯。ご飯を炊くときにあさりの水煮缶をだし汁ごと入れ、塩と生姜の千切りで味を調えます。

      おすすメニュー5 豚肉の生姜焼き

      japanese cuisine pork shogayaki
      runin//Getty Images

      豚肉の生姜焼きは、タンパク質、ビタミンB群がしっかり摂れるメニュー。爽やかな生姜の香りには、低下しがちな食欲を高める作用もあります。ロースやヒレといった脂身の少ない部位を使い、アリシン豊富なネギやニンニクも一緒に炒めるのがおすすめ。

      おすすメニュー6 カツオのネギまみれ

      katsuo no shio tataki
      Promo_Link//Getty Images

      赤身魚のカツオは、鉄分、タンパク質、ビタミンB群が豊富。カツオのサクをスライスして、たっぷりの刻みネギ、ニンニク、大葉、みょうがなどの香味野菜を盛ってポン酢でいただきます。

      タンパク質の代謝を促すビタミンB6、糖質の代謝を促すビタミンB1、そのビタミンB1の働きをサポートするアリシンを含むネギやニンニクの組み合わせで、夏バテ予防を。

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      おすすメニュー7 モロヘイヤとオクラのねばねばソース和え

      healthy food corchorus olitorius and okra and imitation crab with ponzu
      Hana-Photo//Getty Images

      野菜の中でビタミンB群が多いのが、モロヘイヤ。ネバネバとした粘性成分を含み、弱った胃腸にやさしい食材です。

      おすすめは、モロヘイヤをさっとゆでて刻み、同じくネバネバ野菜のオクラ、鉄分豊富なカツオ節と混ぜた万能ソース。豆腐やムニエル、納豆などにかけると栄養バランスのとれたおいしい一品に。

      【コラム】ほてりやむくみ対策に夏野菜を摂ろう

      summer vegetables
      botamochi//Getty Images

      キュウリ、ナス、トマト、スイカといった夏野菜には利尿作用を促して、体のほてりを鎮めるカリウムが豊富に含まれます。体がほてったとき、むくんで冷えていると感じたときはぜひ活用して。

      お話を聞いたのは管理栄養士 篠原絵里佳さん

      管理栄養士 篠原絵里佳さん

      Profile●日本抗加齢医学会認定指導士。総合病院、腎臓・内科クリニックを経て独立。長年の臨床経験とアンチエイジング(抗加齢)医学の活動を通して、体の中から健康と美を作る食生活を見出し、分かりやすく発信することを得意とする。

      また、チーム医療に邁進する中で睡眠の重要性に気づき、睡眠改善インストラクター、睡眠健康指導士を取得。食事と睡眠の観点から健康と美容にアプローチする「睡食健美」を提唱している。働く女性の健康サポート、プレコンセプションケアにも注力しており、フィーカレディースクリニックでは栄養相談・睡眠相談を担当。乳がんサバイバーとして検診の重要性も発信している。
      ericashinohara.com

      From: ELLE JP
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      Rie Minato
      News Desk Editor

      美容エディター歴20年以上。デパートコスメを中心にコスメの動向をチェックするほか、セレブやロイヤルのヘアメイク、ウェルネス、フェムケア記事などを担当。プロのヘアメイクやドクター、専門家などとのネットワークを生かし、現在はコンテンツハブ部にて社内のDIGITAL媒体の記事づくりに励むほか、『25ans』本誌にてビューティチーフを務める。 

      Lettermark

      美容エディター。美と健康に関する記事の企画・執筆のキャリアは、25年以上。女性誌、男性誌、WEBサイトなど各種メディアの他、新規ブランドのコンセプト訴求やコピーワーク等にも携わっている。近年は、エイジングケアやフェムテック、韓国美容、ロイヤルやセレブ、K-POPアイドルのヘアメイク、メンズコスメの動向など幅広くウォッチする。 

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